Prepare for GP Chiba ~モダマス仮想プールを用いたイメトレ~

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"フルスポ"が発表されてからはや一週間。フルスポとは所謂、公式のカードギャラリー全埋まり。セットに収録されるカード全公開の儀。『ギルド門侵犯』の時はこのタイミングで《ボロスの反攻者》がこっそり登場して、何このバケモンは!?と話題になったのも記憶に新しい。基本的にセットの代表的なカードは公式や、最近だと世界各国のマジック情報サイトで公開されるのでそこまで大きなプライズがあるわけではない...けども、やっぱりワクワクしちゃうんだなこれが。

全貌が明らかになった『モダンマスターズ2015年版』...豪華絢爛、煌びやかなセットであることよのう!セットの性質上、新規カードは皆無・全てが再録。故に「どんなカードがやってくるか」ではなく「どいつが還ってくるんだ」という異質のワクワク感。これに見事に応えてくれたんじゃないでしょうか。グランプリ・千葉2015を参加予約した4000人のマジックプレイヤー、ご満悦ではないでしょうか。神話レアは抑えて欲しいものがバッチリ抑えてある、《タルモゴイフ》のような構築でこそ生きるカードのみならずリミテッド的なボムもしっかりある。

 
レアはどいつもこいつもリミテッドのバケモンで、グランプリ初日のシールドは宇宙超決戦になること請け合い。今から初日9-0デッキのリストを見るのが、ある意味構築よりも楽しみでしょうがない。

 
まあ前置きはこのぐらいにしておいて。全てのカード・それぞれのレアリティが判明したということは...仮想プール、作れるんじゃないか?
ただでさえ予約を確保するのも大変で、どれだけの量が市場に出るのかもわからないセットである。ましてや、発売から1週間というスケジュールでのグランプリ。おそらくは、千葉にて初めてパックを剥く、というプレイヤーが多くを占めるだろう。初めて触るのなら、練習できない。練習できなければ勝つことは難しい......まあこのグランプリは、世界3か所同時開催の盛大なお祭りだ。祭りだし、楽しめれば大丈夫!自分は4000人のGPでそもそも勝てる気がしないんで、エンジョイ勢として参加で!

ウソつけぇ!ホンマのこと言うたれぇ!

対戦ゲームを遊ぶ以上、誰だって勝ちたいに決まっている。独創的なデッキ、誰も使ってないカードを使えればそれで満足...と言っても、その先には「~の上で、勝利する」が付随しているのだ。某戦国時代ゲームで、弱小勢力を選んでコツコツ頑張る、そのマゾとも言える行動の先には、天下統一という目標があるわけで。4時間じっくり土地を肥やして臣下や領民の信頼を得るのに費やして、しかし新地の防備はおろそかで武田騎馬隊に為す術無く滅ばされてあーもー最高!努力が無に帰すの最高や!...ってこんな楽しみ方ないでしょうが!(書いてて「あるかもしれない」と思ったのは内緒ね)

やるからには皆勝ちたいですよ、勝ちたいってぇ!特にシールドなら...比類する者のない無茶苦茶強いプールを引いて駆け抜けることも可能!と、エンジョイが主目標であっても思っているはず。グランプリとは祭りではあるが、競技マジックを堪能できる真剣勝負の場でもある。

ただ問題は、どんな強いプールを引き当てても、組み間違いは存在するということ。正解の構築をするには...こればっかりは練習しないと身につかない。長く長くなりましたが、当コラムで仮想パックを公開して、皆のイメージトレーニングの足しになればなぁ...と思いまして。まあ四の五の言わずに画像載せちゃおう!モダマスを剥いたら、おそらくこんな姿だ!

まずはMagic Onlineのシールド構築開始時風に。パパパパーン

 
シールドで画面開いたら、まずレアリティでソートする癖があるのは僕だけじゃないはず。とりあえず、お持ち帰りがあるか・1枚で勝てる爆弾レア(ボム)があるかをチェック。そっから色別ソートに戻してダーッとカードを見ていく、と。
とりあえず全体図はこんな感じ。このプールの作り方は簡単。収録されているコモン・アンコモンを適当にとって、まとめたものからランダムでピックして...という形。1色が突出したりするかと思ったが、そもそもまとめたカードがどの色も万遍なく用意したものだったので、これといった偏りもなく。同様にレアも手元にあるものからシャッフルして...Foilもコレクションから目についたものをピックして...やってみて思ったが、この作業かなり面倒。

仕事だからチャレンジ出来たが、一プレイヤーでわざわざこんな準備するのは時間が勿体ない。皆、オラの元気をもらってくれ!

とりあえず全体像は示したし、今度は各色事にソートして見ていこうか。

クリーチャー8枚・その他呪文5枚
お、Damage 4 Wins!でも注目されていた《補強》が2枚ある。 
面展開からの大ダメージを期待できる1枚だが...ご覧の通り、白だけだと軽量クリーチャーの弾が足りない。他の色でズラリ並べる色があればあるいは。《蝋鬣の獏》という強烈なフィニッシャーもいるし、万能除去《拘引》・コンバットトリック《使徒の祝福》と割とカードは揃っている。そして《黄昏の守護者、秘加理》に《戦誉れの天使》という航空戦力もある。
惜しむらくは、カード枚数が少ないこと。こればっかりはどうしようもない。
クリーチャー6枚・その他呪文7枚
まず、目を引くのがレア。《謎めいた命令》はガッツポーズ枠。リミテッドではトリプルシンボルがキツいが、オールタップでフィニッシャーとしても機能するカードには違いない。《銀白のスフィンクス》も良いレアだ。《大気の召使い》との空爆部隊は強力無比。
クリーチャーに触る呪文も十分な枚数があり...だがしかし、白同様軽い生物の不在が痛い。《銀白のスフィンクス》のことを考えれば、そこはアーティファクトで埋められればあるいはといったところか。 


《かき鳴らし鳥》と《ヘリウム噴射獣》のコモン同士のコンボは、GP本戦でも多く見ることになるのでは...。

クリーチャー11枚・その他呪文6枚
軽い所は黒にあった。《薄暮狩りのコウモリ》2枚が強み。ここを早いターンに狂喜させることが出来るデッキを目指したいところだ。また《病に倒れたルサルカ》《血の座の吸血鬼》というサクリ台が揃っていることにも注目。《ゴミあさりのドレイク》もいるため、生け贄に捧げて美味しい連中が他の色にいたりするとデッキのメインコンセプトとなるかもしれない。 
クリーチャー8枚・その他呪文8枚
《欠片の双子》は置いといて、その他の呪文7つが全てプレイアブルなのは嬉しい。《部族の炎》2枚は3色目をタッチしたデッキを組みたくさせる。本体にもクリーチャーにも撃ち分けられる直接火力ほど頼もしいものはない。
フィニッシャーを務められる《血まみれ角のミノタウルス》がしっかり存在するのも嬉しい、《血のオーガ》も主力として戦線を支えてくれるはずだ。 
また、《血まなこの練習生》のパワーを4に上げてその能力を使用可能にする呪文が赤だけで2枚用意できるのもポイント。是非とも合わせて使いたい。

クリーチャー10(11)枚・その他呪文3枚
最多枚数を誇るクリーチャーは、なかなかパンチ力のあるラインナップ。《獣性の脅威》はクリーチャーとしてカウントしちゃって良いだろう。これとレアFoilの《狼茨の精霊》含めて、トークンを生み出すことの出来るカードが4枚!これには《野生の末裔》もご満悦。 
ランパンこと《不屈の自然》もあるので、これら良質クリーチャーを他の色の呪文でサポートしてもらう形を組みやすいのも魅力的。

マルチカラー・ハイブリッド・無色・土地
2色の除去呪文はいずれも強力極まるものだが、それを運用出来そうなマナベースを築くには特殊土地が足りないか。所謂"おかえりランド"しか色マナサポートできる土地がなく、サイクル全てがアンコモンなので今回のプールのように土地に恵まれないことは多々あるだろう。最強コモンの一角《ウラモグの破壊者》は超高速ビート以外のデッキではとりあえず採用してしまって良いだろうっていうぐらい強烈なカードだ。

 
他にもアーティファクトを中心に無色のクリーチャーが揃うなら、《全ては塵》もフィニッシャーとして最高の1枚になり得る。
緑か黒、あるいはその両方を使うデッキならば《軋み森のしもべ》はバケモノとして大暴れしてくれるに違いない。トリプルシンボルがネックなので、それを支えるマナ基盤が欲しい。アーティファクト
クリーチャー4(6)枚・その他呪文5枚
生体武器もクリーチャーとして扱って何も問題あるまい。あればほぼ確実にデッキに入ってくるのではないだろうか。 
《旅人のガラクタ》《合金のマイア》もまた、ほとんどのデッキに採用されてマナ基盤安定に貢献するのだろう。空に届くマンタは、前『モダンマスターズ』から続投している数少ないカードの1つである。どれだけ気に入られているのか、マンタよ。

個人的には、「弱くはない」プールかなぁと思う。ただ、GP会場で「強い」と言われるプールには《彗星の嵐》《苦悩火》《大修道士、エリシュ・ノーン》《不敬の命令》《圧倒する暴走》のような、トップから叩きつけて不利な盤面から一気に勝利ッッ!!なボムが複数枚含まれていたりするので、それらを持たないこのプールで組まれたデッキは一段パワーが下がった存在=強くはない、今一つなプールになってしまうのだ。だからと言って、諦めるのは早い。二日目に言ってドラフトがしたい!ベストを尽くそう!さあ、君ならどう組む?

僕は...

 


開き直りデッキ、緑黒肉祭り。とにかく、生物。4枚のサクリ台から20枚入っている生物を投げまくり、《ゴミあさりのドレイク》《藻のガリアル》を育てて勝つデッキだ。

トークンをばらまくカードも多数入っており、長期戦になれば《迫撃鞘》だけでも戦える!そんな設計思想だが、もう少し除去は欲しかったのが素直なところ。クリーチャーを生け贄に捧げることで回転するエンジンを持ったデッキが大好き・緑黒大好き・《軋み森のしもべ》大好き・『アラーラの断片』ドラフトの貪食ジャンド大好きとなれば、組まずにはいられないってぇ!

 
赤緑、緑白なんかも悪くないか...と思い組むも今一つしっくりこない。対極の色の組み合わせ!と青白にチャレンジするも、うーん...となったので、開き直って5色!除去を軒並みぶちこんで、信頼度高めなクリーチャーと合せたコントロールよりのデッキ。マナサポートが4つあるから、なんとかなるなる!と超楽観的。捌いて捌いて《龍魂の騎士》で3回殴って勝ちとか、「男の道」っていうか...

とりあえず、わかったことはのプールしんどいね。デッキを2つ組めないのは、弱さの証。それでも、緑黒なら『モダンマスターズ2015年版』のリミテッドでしか味わえないシナジーをたっぷり楽しむことが出来るので...僕がグランプリ・千葉2015でこういったプールを引いたならば、「生け贄ゴルガリ」を組む!ちなみに、リュウジに組ませた場合は前のめりな赤黒ビートとなった。皆さんの通勤電車の暇潰しにでもなれば、幸いです。

 
...自分で自分の企画の腰を粉砕するようだが、どれだけ頑張っても、各種便利ツールや仮想プールではリアリティに欠けるもの。同じコモンでも『基本セット2010』の《稲妻》は出現率が低く感じたし、種類の多いアーティファクトのコモンが果たして有色カードのコモンと同等の割合で出てくるのか、などなど、モノホンが生み出す世界は我々の想像と大きく離れたものになるだろう。ということで、5月22日(金)の発売日後には、『モダンマスターズ2015年版』実物を6パック剥いたプールを公開!グランプリ前の脳内トレーニングのお供に使っていただけることを願いながら、また次回お会いしましょう!