血糊の雨/Rain of Gore
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Rain of Gore, ディセンション, 岩SHOW, 血糊の雨Card of the Day -今日の1枚- 2015/06/27
血糊の雨/Rain of Gore
雨は素敵なものであるとは思うが、あまり振り続けるのも鬱陶しい。「雨ウィーク」を書きだしたものの、人類に対してネガティヴな雨しか紹介していないことに気付く。最後も最後で、このカードをご紹介。《血糊の雨》。浴びたくなさすぎる。そもそも、《刃の雨》の時も書いたが、振ってきようがないものが降り注ぐ恐怖ったらないと思う。イラストも最悪の光景だ。ラクドスの悪意を総動員した魔術なのだろうが、赤黒い雲に覆われた空から血液が降り注ぐなんて、ホラー以外の何物でもない。現実にこんなことが起きて冷静でいられる人間なんて、いるのだろうか。イラストでもアゾリウス評議会の関係者達が血塗れになって発狂している様が描かれている。こんな中で、フレイバーに登場する"タイタンの樽"なる酒場の主人ベルコさんが冷静なのが面白い。ホラー映画あるある、謎に落ち着き払った太ったヒゲ親父といったところか。
カードとしては、明確に1つのアクションをメタった、これでもかと言わんばかりな1枚。ライフを得る、という行動に対して正面からナカユビ突き立てる強烈なアンチカードだ。赤と黒、アグレッシヴ過ぎる色の組み合わせ。攻撃こそ全てである彼らが最も嫌う防御一辺倒の行為、ライフゲイン。これを全て、本来得るはずだったライフの分だけそれを失わせるという真逆の効果に置換してしまう、恐怖のエンチャント。《治癒の軟膏》がセルフ《稲妻》になってしまう。《台所の嫌がらせ屋》や《魂の管理人》はデメリット持ちだ。
ライフを回復されて一番こたえるデッキは、やはりバーン。せっかく手札を投げつけて後1枚の射程圏内に追い込んだと思ったら《スラーグ牙》1枚で逃げられるとか、辛すぎるものだ。近年は《頭蓋割り》のようなそのターン中の回復を許さない火力も登場しているが、常にそれを構えて叩き込めるかといえばなかなか難しい。そこで、《血糊の雨》を2ターン目にセットしておけば、後は最大効率で火力呪文を使用して行けばOK。それこそ先に紹介した《魂の管理人》《魂の従者》を擁する「ソウルシスターズ」なんかにはブチ効き。白系でサイド後《コーの火歩き》をただの2/2に出来るのもありがたい。
レガシーで活躍する《硫黄の渦》と違い、これ1枚では何も出来ない点には注意。回復対策を山盛り積んでしまったせいで手数が足りない、なんてことになったら本末転倒だ。モダンのトーナメントで使用する際には、"戦闘ダメージによる絆魂での回復"に対しては効き目がないことに要注意。戦闘ダメージよる回復は、呪文や能力によりライフが回復している訳ではないのだ。覚えておこう。