ニッサに選ばれし者/Nissa's Chosen
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Nissa's Chosen, ゼンディカー, ニッサに選ばれし者, 岩SHOWCard of the Day -今日の1枚- 2015/07/15
ニッサに選ばれし者/Nissa's Chosen
初登場時と大きくイメージが変わったプレインズウォーカーと言えば、多くの人の答えは「ニッサ」ではないだろうか。《ニッサ・レヴェイン》として登場した時、彼女はエルフをサポートするプレインズウォーカーで、そのキャラクターもエルフ以外に対して排他的な要素が強かったが、『基本セット2015』で再登場を果たした際には土地に関する能力を持ち、ゼンディカーのために戦う一面が強調された。
『マジック・オリジン』のニッサも土地絡みのカードであり、これからそっちのキャラクターで売っていくのだろう。今回紹介するのはそんな様子が微塵も見えなかったエルフ至上主義時代の彼女の仲間、《ニッサに選ばれし者》だ。
2マナ2/3、ダブルシンボルであるとは言えマナレシオ(マナコストに対するパワー/タフネスの合計値÷2。1以上になればそのマナに見合う戦力である)は良い。特に同マナ域に圧倒的に多い2/2のクリーチャー、所謂"熊"を一方的に討ち取れるのは評価できる点。
元々このカードのご先祖《エルフの戦士》が『オンスロート』で登場した時も、熊に慣れ切っていた僕らは驚き興奮したものだ。そこから時代は流れて『ゼンディカー』。
『ローウィン』から始まったクリーチャーのカードパワーインフレーションを経験した僕らは、今一度このスペックと向き合って...「悪くない」という感想を口にしたのだった。様々なカードがデザインされ様々な能力が誕生したが、ほかでもないマナ効率の良さというのが大事なんだと再確認させてくれるカードである。
さて、このカードが《エルフの戦士》であればこれにてレビュー終了だが、今日紹介する戦士はその中でもニッサが直々に選んだ選りすぐりの戦士である。彼らは、死亡する場合に墓に眠らず代わりにライブラリーという密林に再び身を隠す。
例えば《ダークスティールの巨像》なんかが持つこれに似た能力は、重いマナコストを踏み倒す手段=墓地からのリアニメイトを防ぐために付けられているもの。それに対して《ニッサに選ばれし者》はただの2/3、いくらでも再利用されて構わない。
というわけで、このカードのそれは足枷ではなく、実はメリット能力として設定されている。そのメリットはただライブラリーアウトを防ぐというというものではなく...他のカードと組み合わせた時に真価を発揮する。《ニッサ・レヴェイン》の能力、ライブラリーからこのカードをサーチして戦場に出すという能力を、可能な限り使えるようにしようというものだ。
せっかくのプレインズウォーカーの能力を起動しても、もう全ての《ニッサに選ばれし者》が死亡していて何もできない...なんて、泣いちゃうからね。選ばれし者にして、忠義ある者というか律義者というか...ニッサが自分達のために何かしてくれる大事な存在だと信じていることが伝わるデザインは素敵なものだ。