Assquatch

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/08/07

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 同族を強化し導く存在、ロードと呼ばれるクリーチャー達。彼らを紹介する「ロード・ウィーク」のトリを務めるのは、現存する唯一のタイプ"ロード"の持ち主。そう、黒枠のそれはもう廃止され、銀枠世界『アンヒンジド』のこの1枚のみとなってしまったのだ。よりによって、こんな...《Assquatch》がそれだなんて...。

 

 イラストを見てこれが一体何を意味するか分かった方は、歳がばれるかもしれない。最近では誰もが高性能なビデオ機能を持ったスマホを携帯しているためめっきり見なくなった、動物学者やスキーヤーなんかがビデオカメラで撮影したボヤケた映像の何とも怪しい未確認生物動画。僕が子どもの頃は年に何度もこれらの使い回し映像をローテで流す楽しいUFO・UMA・オカルト番組があったもんだ。その火付け役・殿堂入りとも言える映像が、明らかにオッサンがゴリラ風の着ぐるみを着ているとしか見えないが、雪男と言われればそうも見えなくもない生物が二足歩行して去っていく姿を収めたもの。この映像はリアルとヤラセが絶妙なバランスで同居した、幻想値が極めて高いものであり(この謎の尺度についてはまたいつか語ろう)かの「ビッグフット」ブームを生み出した。北米・主にカナダにはSasquatchという類人猿系雪男が生息しているという伝承が元々あって、それがこの映像とシナジーを形成した形になる。この映像は後にヤラセと判明し、以降この映像も全く使われることが無くなった。説明が長くなったが、この雪男/Sasquatchとケツ/Assが合わさり《Assquatch》という造語となっている。

 

この際だからマジックに...否、『アンヒンジド』における「Ass」という言葉にも触れておこう。アメリカでは、使い方にもよるのだろうが放送禁止用語になっていたりもする単語だ。一番ストレートな意味はケツ。お尻の事である。「お前のケツを蹴り上げるぞ!」とか「ケツ野郎!」みたいに相手をなじる言葉として使われることが多い。ケツ以外にも「バカ」というストレートな意味も。アメリカンなノリだとケツ野郎=馬鹿野郎なのだ。そしてさらに、何故か...「ロバ」も意味する。何故突然にロバが出て来るのか。我々日本人の感覚だと、ロバとお尻が同じ単語というのは不思議でしょうがない。そんなわけで、『アンヒンジド』ではロバのクリーチャー達が皆「Ass」という単語を名前に含んでいる。バカなカードだぜヘッヘッヘというノリなんだろうな。

 

そんなおバカなロバクリーチャー達のロードがこのカード。何がロード要素なのか?そう考えることに意味はない、時間の無駄だ。ロバは皆+(1+1/2)/+(1+1/2)の修正を受けてパワーアップ。まあ、あんま考えなくて良いよ。ただもう1つの能力はまあまあすごい。ロバが戦場に出る度に《脅しつけ》が誘発だ。めちゃくちゃ攻めっ気溢れる、何故か銀枠なのに妙に実用的な能力。《鏡割りのキキジキ》+《侵入警報》+クリーチャー=無限トークンコンボが赤単で組める!と、しばらくの間は謎の地位を確保していた。後に《士気溢れる徴収兵》が登場してコイツの地位なんてものはなくなったし、誰もかれもコイツの存在なんて忘れてしまった。「まるで、本物のビッグフットの後を追ったみたいやね...」なんて飲みながら友人らに語ったら、「そんなカードそもそも誰も知らないから世間が忘れたもクソもない、そんな感傷に浸ってるのは地球でお前だけ」と言われてしまった。Ass。


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