黄泉からの帰還者/Revenant
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Revenant, ストロングホールド, 岩SHOW, 黄泉からの帰還者Card of the Day -今日の1枚- 2015/08/10
黄泉からの帰還者/Revenant
個人的に日本に帰ってきて一発目に書く記事というのと、丁度お盆のシーズンなので今日はこの1枚を。《黄泉からの帰還者》黄泉というのは日本神話における死者の世界・国のこと。何故、黄色い泉が死者の世界なのだろう。これはもともと大和言葉に存在した「ヨミ」に漢語の黄泉をあてがって出来た言葉で、漢語の黄泉とは地下にある泉を意味する。当時は死者の国が地下にあると考えられていたので、この漢字と結びついて1つの言葉となったのであろう。ヨミという言葉は地名:夜見から来ていたり夢のことを指していたり闇から派生した言葉だったり四方を意味したり...いろいろな説がある。調べるだけで小一時間潰せるだろう(実際に潰れた)。
そんな死者の国から還ってきたクリーチャー、一度死んで亡霊として蘇っているらしくクリーチャータイプはスピリット。しっかりと飛行も持っている。初出は『ストロングホールド』で、なんだか汚らしい・そして不気味なおっさんの姿をしている。その足元には死体に満ちた沼が...。このカードの能力を的確に表しているイラストで、このクリーチャーは自身の墓地に落ちているクリーチャーと同じ値のパワー/タフネスを持つ。イラストを見る限り3体分ほど死骸が見える。5マナ3/3飛行、4/4飛行なら上出来だ。5/5、6/6、7/7とサイズアップしていけば申し分のないフィニッシャー。
問題は、そう簡単にサイズが上がって行くものではないこと。例えば同じ色で同様のサイズに関する能力を持つ《死を食うもの》はすべての墓地を参照する。そのため、適当に相手のクリーチャーを除去してから叩きつければとりあえず戦場に出ることは出来た。これに対して帰還者は、自身の墓地のみを参照する。この差は非常に大きい。相手のクリーチャーを除去する=ゲーム中における防御アクションをしていれば大きくなる連中と違って、墓地にクリーチャーカードを集めるという専用アクションを求められる。即ちデッキ構築の段階からそれ専用に組む必要がある。使い辛いのだ。しかも専用のデッキを組んだところで、5マナと重くトランプルや除去耐性を有していないため絶対的なエースとして信頼できるわけでもない。クリーチャーが相討ちしまくるリミテッドならば...押している展開になると無駄牌にはなるが。『マジック・オリジン』で再録されており、青黒墓地肥やし・赤黒ハスクのようなアーキタイプで使ってみたくなる魅力自体はある。
初出『ストロングホールド』でのフレイバーテキストはこのカードの墓地参照能力の元祖《ルアゴイフ》のフレイバーで有名・人気なハンスがゲスト出演。離れた次元・年代の話なので同一人物ではないだろうが...こういうファンをニヤリとさせてくれる演出は素敵なものだ。これが住まう次元ラースは勿論日本神話の黄泉とは関係がない。英名Revenantは「帰ってくるもの・幽霊」を意味する。あの世から蘇りし者を表現するのに、的確な訳だと思う。一度聴くと忘れられない良い日本語名だ。