ケルドのチャンピオン/Keldon Champion
タグ:Card of the Day, Keldon Champion, MTGシングル, ウルザズ・ディスティニー, ケルドのチャンピオン, 岩SHOWCard of the Day -今日の1枚- 2015/08/17
ケルドのチャンピオン/Keldon Champion
王者、って良いなぁ...って。戦い抜き、最後に一番高い所に残った者。その人物から放たれる光と言うか何というか...勝利は蚊トンボを獅子に変化るという言葉もあるが、実際に元々魅力ある人物が勝利を経験することでここまで眩さを増したものになるのかと。プロツアーを生で観てきて思った次第だ。そんな訳で、今週は「Champion Week」。マジックはゲームにおけるチャンプだけでなく、様々なチャンプにまつわるカードも存在している。それらを紹介して行こうじゃないか。
先陣を切るチャンプは《ケルドのチャンピオン》。これぞ先陣の誉れ、一番槍といったカードで週の頭に紹介するのに相応しい。4マナ3/2速攻、これだけだと《タールルーム・ミノタウルス》に劣るスペックだが...実は4マナ3/3速攻というのは悪くないスペックだったりするのであまり気にしなくて良い。それよりもこれに追加の能力がついてくると考えると評価は上がるのみだ。
戦場に出た時にプレイヤー1人に3点のダメージを与える。評価、上がるね。クリーチャーというものはダメージを与えるのに最も用いられるカードでありながら、効率が良くないカードだ。唱えただけでは駄目で攻撃してそれがブロッカーや除去に阻まれずに本体に届かなければならない、そしてその攻撃を行うには"召喚酔い"が解けてから・即ち次のターンを迎えてからやっと動き出すのだ。ところがこのチャンプはどうだ。戦場に出た時点で3点のダメージを与え、速攻も持っているので攻撃が通れば計6点だ。4マナで6点与えられれば御の字、素晴らしい。よく似たクリーチャーとして《ボール・ライトニング》が真っ先に思い浮かぶ。どちらも与えられるダメージは6点で、ボーライの方はナチュラルなパワーが高いためにタフネスが高いクリーチャーが立ちふさがっても突破することが可能だ。一方で我らがチャンプは《罠の橋》なんかで攻撃を封じられている状況でもダメージを与えることが出来る。チャンプはボーライのマイルド版として作られているのは見てわかるが、両社それぞれに良い所があるっていいね。
さらにチャンプは、歩く火力元祖のボーライにも出来ないことを成し遂げたりする。戦場に残り続けるのだ。3/2でアタックして生き残れば次のターンを迎えることが出来る。もう一度アタックをすればカード1枚で9点と高打点を弾き出す。素晴らしい。あるいは、シビアなダメージレースを行っているなら能力で3点だけ与えてブロッカーとして立たせておくという選択肢もある。実際に行うかどうかは不明として、そういう選択肢も取れるカードと言うのはそれだけで価値があるものだ。
ベタ褒めしているが、勿論欠点もある。やっぱり赤単のバーンやスライといったデッキで使うには4マナは重く、しかもエコー持ちなので維持しようと思ったら合計で8マナを支払うことになる。このエコーはほぼ払われず、使い捨ての飛び道具として使用されていた。総評、そこまで強いカードではない。ただ世代としては、いつまでも忘れられないものだな。