傲慢な完全者/Imperious Perfect

タグ:, , , , ,

Card of the Day -今日の1枚- 2015/08/03

傲慢な完全者/Imperious Perfect

傲慢な完全者/Imperious Perfect

傲慢な完全者/Imperious Perfect

今日の1枚のこのカードの購入ページはこちら
 

『マジック・オリジン』が発売された。今回はニッサの過去にもスポットライトが当たる=彼女がプレインズウォークした次元ローウィンがフィーチャーされることは予想出来ていた。実際にそうだったわけだが、エルフという部族が熱烈にサポートされるとはちょっと思わなかった。テーロスにもタルキールにもエルフはいなかったしね。そんなエルフの巻き返しが始まるのかもしれない。今回はしっかりと自軍のエルフを強化する"ロード"もいるしね...ロード、そうだ。今週のお題は「ロード・ウィーク2」にしよう。1は随分とアーカイブの底に埋もれているので、未読の方は掘り上げて読んでくれると嬉しい。

 

 一発目なので、話題にもあげた『ローウィン』のエルフのロードについて紹介するとしよう。《傲慢な完全者》。カード名だけ聞くとなんのことかわからない。エルフという情報すらないのだ。そもそも、ローウィンには人間が生息していない。故に、他の次元では人間を指すかのようなカード名でエルフが呼ばれていてもさしたる問題はない...し、何よりこのカード名は十分に種族がエルフであることを伝えるに足るものなのだ。ローウィンに生息するエルフ達は、他の次元の彼らと比べて一段と排他的であり、自分達が最も美しい部族であると認識している。確かに、このカードに描かれているエルフは実に美しい。他のエルフカードと比べても格段に。美しい=完全なる存在=エルフ。この次元のエルフは自分達の価値観が最も正しいと思っており、他の意見には耳を貸さない。傲慢=エルフ。「エルフらしいエルフ」という意味の言い回し、と言ってもあながちウソではない。

 

 さて、カードの能力はというと...これがまた実に「完全者」。3マナ2/2で自分以外のエルフに+1/+1修正を与えるというロード能力を有する。アンコモンにしてレアの《エルフのチャンピオン》と同じ能力を有しているのだ。まあ、それぐらいならまだあるかもしれない。彼女の凄い所はここから。通常、ロードというのは仲間がいなければ役に立たない。しかし彼女は、ロードにしてこの弱点を完全に超越してしまっている。自身で強化される仲間を生み出すのだ。1マナタップで1/1のエルフ・戦士トークンを1体呼びだす...それはそのままロード能力の恩恵を受け2/2に。毎ターン、2/2をリソースの消費なしに生み出すのだから脅威としか言いようがない。除去することが出来なければ、あっという間にエルフ軍団に蹂躙されてしまう事だろう。

 

 この尋常ならざる能力で、「緑黒エルフ」が当時のスタンダードのトップメタの1つとして君臨するのを支えた。《神の怒り》《滅び》を撃たれようとも、これが手札に1枚あれば一瞬で戦場がエルフで埋め尽くされるのだからたまったもんじゃない。トークンも本人も戦士であるのも《茨森の模範》などと合わせて使う上では大きな意味を持っていた。もうこんなアンコモンを今後見ることはないんだろうなぁ。


Card of the Day 過去のカード一覧(2015.11.19~)