巨大トタテグモ/Giant Trap Door Spider

タグ:, , , , ,

Card of the Day -今日の1枚- 2015/10/16

巨大トタテグモ/Giant Trap Door Spider

巨大トタテグモ/Giant Trap Door Spider

巨大トタテグモ/Giant Trap Door Spider

今日の1枚のこのカードの購入ページはこちら
 

 「手足わさわさウィーク」と銘打ったならば、避けては通れないクリーチャー・タイプがある。僕らの次元にも生息し、繁栄を極めている...アイツだ。蜘蛛。クモ。スパイダー。彼らは机の引き出しに住んでいる米粒のように小さなものから、亜熱帯のジャングルを闊歩するラーメン鉢くらいのものまでサイズ・形状・その性質と豊富なラインナップを誇る、地球でも成功している生物の1つだ。4万種にも及ぶ彼らの中には、一般のクモの概念から大きく離れた連中も存在する。糸を投げ縄のように獲物へと投擲するもの、花や鳥の糞、アリに擬態するもの、踊ったり手信号で仲間とコミュニケーションをとるもの、草食のもの...クモについて読んでいるだけで日が暮れる。非常に面白い、小さな隣人達だ。彼らの一般的なイメージと言うと、やはり網目状の巣。しかしこの能力を備えているクモは全体で視れば割合は少なく、多くのものは地面をうろついたりして暮らしている。完全な地中に住まうものも...今日の1枚はそんな、巣を貼らないクモを紹介しよう。

 

 《巨大トタテグモ》、英名はGiant Trap Door Spider。その名の通り、扉が着いた垂直の巣穴を地面に掘り、そこに潜って生活している。入り口付近で待ち構え、地上を歩く昆虫などが起こす振動を感知して襲い掛かりこれを喰らう。危険を感じると、戸をパタンと締めて巣穴の底に隠れてしまう。とても原始的なクモの仲間で、日本にも生息している(絶滅の恐れがあるので、見つけたら温かく見守ってやって欲しい)。これの文字通り巨大なものが、テリシア大陸に生息しているようだ。文字通り人をも喰らうそのサイズ。もはや、穴を掘って隠れ住む必要があるのか疑問ではあるサイズだが...ワームやらドラゴンやら、人間サイズのクモなんてかわいく見えるバケモノがひしめき合う世界ではこそこそ隠れなきゃならん小物ってことなんだろうな。

 

 3マナ2/3、マルチカラーとは言え当時としては悪くないサイズ。起動型能力は、これと飛行を持たない攻撃クリーチャーを追放する。赤緑っぽくはない、割と受け寄りの除去能力である。攻めっ気溢れる色でえらく防衛寄りの思想なのはなんともだが、それでもサイズを参照しない確定除去であるというのは良いね。クモのくせに到達を持っていないので注意。前述の地中棲を再現しているのだろう。

 

 このカードは、プロツアーの場で輝きを放ったことがある。プロツアーコロンバス96にて、オーレ・ラーデが使用し優勝した「バグバインド」というデッキに4積みされていたのだ。このデッキは《嵐の束縛》(バインド)と除去耐性のある昆虫や蜘蛛タイプのクリーチャー(バグ)の組み合わせで勝利するビートダウンだ。《Wooly Spider》と共に3マナ2/3が8枚体制で、これは当時の定番《紅蓮地獄》を回避するための構築だった。こういう地味ぃなカードが栄光のスポットライトを浴びた経験があるって言うのは、夢のある話だね。


Card of the Day 過去のカード一覧(2015.11.19~)