「ホビステ協賛コンプリートモダン」決勝戦 高寺利寿(大阪) vs 寺脇功士(奈良)
text by Tomoya Tsujimoto
「勝ちたいなぁ」
フィーチャー席に着くやいなや寺脇がそう漏らした。
優勝賞品は戦乱のゼンディカーfoilコンプリートセットとモダンマスターズ2015のBOX、2位でも通常のコンプリートセットは貰えるもののfoilと通常版の違いは大きい。勝ちたくて当たり前なのだ。
光るギデオンを手にして笑うのは呪禁オーラの高寺か、親和の寺脇か。
Game1
豪華な賞品がかかっているだけあって、マリガンチェックも慎重になる。両者熟慮した上でマリガンを選択した。
お互い6枚ずつでゲームスタート。占術は寺脇は下、高寺は上を選択。
スイスラウンド上位の寺脇が先行となる。寺脇は迷いなく《ちらつき蛾の生息地》、《羽ばたき飛行機械》、《オパールのモックス》、《信号の邪魔者》と展開。大ダメージこそ与えられないが少なくとも事故ではない。
対する高寺、1T目に呪禁クリーチャーが……置けない。
それどころか土地が引けていないらしくただ寺脇に殴れるのを黙って耐える事しかできない。
《信号の邪魔者》が小さなクリーチャーを強化し少しづつダメージを蓄積させていく、あっという間に高寺のライフは17→11→4と推移していった。
そして残り4のライフは《感電破》によって容赦なく削り取られてしまうのだった。
高寺 0-1 寺脇
Game2
両者キープを宣言。寺脇は展開はできるものの攻撃力の低い手札にマリガンを考えるが最終的にはその手札と心中する事に決めた。
先行は高寺、土地を置くのみでターン終了。 返しのターンの寺脇はやはり先ほどと同じく小粒なクリーチャーとアーティファクトを並べる。
2T目、高寺は《抑制の場》で寺脇の妨害をするか、《シラナの岩礁渡り》を出し次のターン以降の攻撃の準備をするかで少考し後者を選択した。
続くターン、寺脇の手から《頭蓋囲い》が盤面へと置かれる。一番欲しいカード、ダメージに繋がるカードを寺脇は引いていたのだ。
一気に6点ものダメージが与えられる。
高寺は《抑制の場》を出さなかった裏目を引く事となってしまう。
《頭蓋囲い》がついた《大霊堂のスカージ》をブロックできるようにしなければ負けが見えてくる高寺だが到達を付ける《蜘蛛の陰影》は引けていないようだった。
仕方なく《シラナの岩礁渡り》にオーラを付けて攻撃、《夜明けの宝冠》を引ければまだ逆転の目はある。
しかし無常にも寺脇の手札にはサイドインした《血染めの月》があった。
逆転のための白マナを潰されてしまった高寺が静かに投了を宣言すると、寺脇を称える観衆の拍手が響き渡った。
高寺 0-2 寺脇
寺脇 win
参加者41人のコンプリートモダンを制し、BFZfoilコンプリートセットを手にしたのは寺脇功士選手!