RPTQ ROUND3からBigs同士の対決をピックアップ。
共にユニホーム契約のBIGMAGICシャツを着てのマッチアップです。
井上 徹選手のデッキはグリクシスツイン。
モダンのなかでも特に勝率が高く安定している《欠片の双子》デッキは、
《ヴリンの神童、ジェイス》を得てどのように形を変えたのでしょうか。
石田 龍一郎選手のデッキは親和。
ツイン同様、高いメイン勝率によって支持されてるデッキタイプです。
仁見選手が親和で優勝したグランプリ・シンガポール以降の新カードとしては
《搭載歩行機械》や《ギラプールの霊気格子》などが採用実績があります。
Game 1
先手は石田選手。
《物読み》、《電結の荒廃者》、《頭蓋囲い》、《羽ばたき飛行機械》、
《ちらつき蛾の生息地》、《墨蛾の生息地》という絶好にも近いハンドからスタートです。
《コジレックの審問》で《頭蓋囲い》さえ落とされるものの、
《電結の荒廃者》、《羽ばたき飛行機械》、《鋼の監視者》からの
《物読み》でハンドを回復と順調に展開します。
《コジレックの審問》から《ヴリンの神童、ジェイス》と繋げた井上選手、
グリクシスカラーのコントロールデッキであることを強く印象づけたところで、
《物読み》のフルタップ・ターンエンドに合わせて《詐欺師の総督》をフラッシュでプレイします。
4ターン目、4マナ目の土地を《欠片の双子》と突き付けての、コンボ完成。
唐突なまでのゲームエンドとなりました。
石田選手 0-1 井上選手
Game 2
石田選手、《バネ葉の太鼓》《大霊堂のスカージ》から《思考囲い》のロケットスタート。
井上選手の《コラガンの命令》《終止》《ヴリンの神童、ジェイス》から
直接的に1:2をもぎ取ってくる《コラガンの命令》を選択。
《電結の荒廃者》、《大霊堂のスカージ》2体目を追加していきます。
井上選手も《ヴリンの神童、ジェイス》プレイ、起動まで繋げます。
起動した3枚のフェッチとルーティングの1枚、そして捨てられた《コラガンの命令》と合わせて
1度目で《束縛なきテレパス、ジェイス》への変身にまで至りました。
プラス能力によって《電結の荒廃者》のパワーを下げつつ、親和の猛攻打線を牽制します。
石田選手は《束縛なきテレパス、ジェイス》によって一気に打点を落とすなか、
《タルモゴイフ》というアーティファクト破壊の効かない強烈なプレッシャーをプレイ。
グランプリ神戸で後藤祐征選手が使用して強烈なデビューを飾った。
『ハサミタルモ親和バーン』
(《アーティファクトの魂込め》型親和を軸に《タルモゴイフ》を採用、《爆片破》で止めを刺すデッキ)
にて、親和デッキの《タルモゴイフ》は緑軸デッキでのメインクロックのような採用ではなく、
サイド戦の優秀な戦力としてカウントされています。
事実、現地点でも《束縛なきテレパス、ジェイス》+《コラガンの命令》という
ゲームを決めかねない組み合わせを乗り越えています。
石田選手は翌ターンにも《タルモゴイフ》をプレイ。
アーティファクトの助力を得て5/6というサイズに膨れ上がった2マナの暴力が、
井上選手の《呪文滑り》では止まらない進撃を続けます。
井上選手、《タルモゴイフ》1体こそ《終止》で対処するものの、
《束縛なきテレパス、ジェイス》が落ち、《呪文滑り》は壊され、
頼みの《汚損破》超過は《頑固な否認》獰猛で打ち消されます。
《大霊堂のスカージ》2体と《タルモゴイフ》の前に、既にライフは2にまで追い込まれました。
ラスト・ドローともえるところで引いたのが―…《仕組まれた爆薬》。
戦場を一掃して一気に井上選手に情勢が傾くかと思いきや、
ノーハンドであった石田選手のトップも《搭載歩行機械》からの《電結の荒廃者》という素晴らしいもの。
井上選手が《搭載歩行機械》のアタックを《詐欺師の総督》で受けたところで
石田選手は《電結の荒廃者》で一気に4/4にまで成長させ、《詐欺師の総督》を打ち取る。
ライフが限界で、この4/4というサイズを対処したい井上選手、
毎ターンブロッカーを差し出すのではなく、《汚損破》の対象を《搭載歩行機械》へ向けます。
「じゃあ、(飛行機械トークン)4体」
石田選手の誘発の宣言に、井上選手、完全に失念しての痛恨のミスプレイだったことが発覚。
3体止める手段はなく、悲しみのゲームエンドを宣言しました。
石田選手 1-1 井上選手
Game 3
《コジレックの審問》から《ヴリンの神童、ジェイス》とスムーズにゲームに入る井上選手。
1マリガンにハンデスを合わせられた石田選手も
捨てられた《大霊堂のスカージ》を翌ターンには持ってきてマナ・ファクトを並べていきます。
そのまま《思考囲い》で《コラガンの命令》を、
《急送》で《ヴリンの神童、ジェイス》を対処して井上選手の選択肢を絞っていきます。
その代償は大きく、《思考囲い》《急送》のダブルアクションで石田選手のハンドは0。
《ちらつき蛾の生息地》が《終止》されると明確に攻め手に欠き、
トップした《タルモゴイフ》も《瞬唱の魔道士》からの《終止》でいなされました。
しかしお互いハンドを枯らし合った為、打開策の限られる消耗戦へともつれこみます。
《瞬唱の魔道士》と《大霊堂のスカージ》の殴り合いは数ターンにもわたり、
お互い1点ずつじりじりと失っているなか、
石田選手が先に《刻まれた勇者》へと辿りつきました。
合わせて《頭蓋囲い》か《電結の荒廃者》を引ければ
ゲームを一瞬にして終わらせられるカードです。
しかしタイミングが合ったのは井上選手もでした。
《刻まれた勇者》の返しに、《ピア・ナラーとキラン・ナラー》をプレイ。
《刻まれた勇者》のプロテクションに影響されないクリーチャーを
1度に2体も用意しつつ盤面を制圧する、親和殺しの1枚です。
この枚数差が響き、お互いにクリーチャーを追加し合うものの、
石田選手の《刻まれた勇者》はアタックにも行けずフライヤーも止められず、
井上選手が一方的に損なくアタックできる状態が続き、
延長ターン2ターン目、じりじりと、かつ確実に毎ターン減り続けていた
石田選手のライフがついに限界の悲鳴を挙げました。
石田選手 1-2 井上選手
井上選手 Win!
ツインであることを悟らせずにGame 1を取った井上選手。
また石田選手の親和は、対ツインではなく対コントロールであれば
フルタップでも《物読み》を通すのは後のちに大きく響くため
優先度の高い行動であり、単純にミスプレイと呼べる類の行動でもありませんでした。
Game 2、Game 3もロングゲームの消耗戦でどちらに転んでもおかしくない展開でしたが、
ここのひとえの差が井上選手にマッチ勝利をもたらしたのも事実です。
マッチアップの相性的にもツイン対親和では親和側に不利はつくものの、
トップデッキとプレイングで幾度となく窮地を耐えた石田選手は、
残るスイスラウンドをより一層の緊張感で挑みます。
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