怒涛の突進/Barreling Attack
タグ:Barreling Attack, Card of the Day, MTGシングル, ミラージュ, 岩SHOW, 怒涛の突進Card of the Day -今日の1枚- 2015/11/02
怒涛の突進/Barreling Attack
1週間、休暇をいただいておりました。カリフォルニアへ某フェスに遊びに...いやぁ、楽しかった。初めて本場のモッシュを体感したが、勝手にワイルドで荒々しいものをイメージしていたが...思っていたよりも優しいものだった。日本よりも、全体で1つの盛り上がりをなしているので、デカいやつらが激しい動きをしていても意味もなく苦しい思いをせずに済んだのは良かったね。音楽に合わせて暴れた、という気持ち良さだけがキッチリ残った。いやぁ本当に楽しかった。まあ、優しい世界とは言ってもサークルピットなどの激しさは日本の比ではなく、いかついヤツらがゴリゴリ暴れまわる姿は何も知らない人から見たら恐怖の光景なのだろう。今週は、群れ・軍団・乱戦...そういったモッシュなカードを紹介してみよう。「モッシュ・ウィーク」、bring it on!
一発目は《怒涛の突進》。フレイバーによると、トロール達の「押して倒して」という遊びがもとで生まれた戦術とのこと。押して倒して、まんまモッシュじゃないか。小さなトロールやゴブリン達がボンボンとドラムを叩き、その調子に合わせて巨大なトロール達がおしくらまんじゅうを行うのだろうか。暑苦しい!イラストも押し合いへし合いを1体のトロール的存在が支配している光景である。Ian Millerの作品は迫力に満ちていて、最高だなぁ。
イラストの通り、群れるブロッカーを押しのける呪文である。4マナのインスタントでクリーチャー1体にトランプルを付与。さらにブロッカー1体につきそのクリーチャーのサイズが+1/+1上昇。多くにブロックされればされるほど、危険な存在と化す。"ランページ"っぽい能力を与えてくれるわけだ。これで相手のブロッカーが山ほどいても安心だ。相討ちも取らせず、プレイヤー本体に抜けるダメージを増すことさえあるだろう。
赤や緑によくあるサイズアップ系の呪文で、この手の呪文によくある突然死を...ん?ちょっと冷静に、今一度カードテキストを見てみよう。
「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時までトランプルを得る。このターン、そのクリーチャーがブロックされたとき、それはターン終了時までそれをブロックしているクリーチャー1体につき+1/+1の修整を受ける。」
...「ブロックされたとき」????ブロックしているクリーチャーの数だけサイズが上がるが、それはこの呪文が撃たれたタイミングでは決まらない。この呪文の恩恵を受けたクリーチャーが、ブロックされてからようやく誘発してサイズを上げるのだ。つまり、ブロッククリーチャー指定前に唱えなければならない。通常この手の呪文は、相手がブロックを指定した後に使用することで裏をかけるのが強みであり、故に「コンバットトリック」と呼ばれるのである。トリックでもなんでもなく「俺に触れると火傷するぜー!」と正面切って突っ込んでくるクリーチャーを、誰がブロックするというのか。THE脳味噌筋肉!恩恵を受けるには、《寄せ餌》を使用したりその能力を持つクリーチャーで使用しなければならない。かつてはブロッククリーチャー指定後にしか使用できず、その時ブロックしているクリーチャーの数だけ修正を受けるというテキストであったが、これでも4マナでこれだけの効果しか得られない強くない呪文だったので、現状のテキストではもはや...。
まあ、弱くても勢いはマジック界でもトップクラス!クリーチャーでない呪文は昔の方が強力だったといわれることが多いが、コンバットトリック系に限っては今の方が遥かに強力だよという事実の、証人的カードであるということで。