幻影の軍団/Phantasmal Forces

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/11/04

幻影の軍団/Phantasmal Forces

幻影の軍団/Phantasmal Forces

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 激しさを楽しむフェスではモッシュが発生する。押し合いへし合いてんやわんや、各々が思い思いの動きをし、ステージ上のアーティストと一体となる。この、人の波の中で、微動だにせず直立不動で己のポジションをキープし続ける人々もまた存在する。あんなもみくちゃの中で、しっかりと地に足...いやもう、根だ。根を下ろしている。横では半狂乱の若者たちが集団でグルグルと渦を巻いているのに、しっかりと自らの立ち位置を確保している人を見ると「ウォーリアー」という単語が脳裏に浮かぶ。それも一人や二人ではなく、ある程度の人数で並びフロントラインを形成している。今日はそんな仁王立ち集団が描かれたカードを紹介しようではないか。

 

 《幻影の軍団》、イラストが素晴らしいね。何せあの《極楽鳥》の担当者Mark Pooleだ。夕焼け空の雲の上、極彩色の翼を生やし黄金の鎧に身を包んだ戦士たち。フレイバーの情報によると、「夢幻境」なるところから召喚されるらしい。この幻影たちは遥か昔の英雄たちがそのモデルのようで、言うなれば立体ホログラフのようなものか。夢幻境なる記憶媒体である土地がどのようなところか、とても気になるところ。

 

 カードとしては、4マナ4/1飛行とかなり攻撃的なクリーチャーである。ここまで攻撃的なスペックのカードは、現代でもそう簡単には存在しない。クリーチャーが強くなかった黎明期ならなおのことだ。タフネス1とは言え、相手に飛行および到達持ちがいなければライフの5分の1をゴリッと持っていく打撃力は魅力的だ。

 

 青でこの攻撃的なスペックを得るのはただでは許されず、しっかりと制約がついている。アップキープに青マナを1つ支払う。幻影である彼らを維持するには、青マナの魔力が不可欠なのだ。そのまんま、水として用いているのかも。水蒸気にして、蜃気楼的な...。たった1マナではあるが、煩わしいコストであることには違いない。最近はこういうコストを持っているクリーチャーの方が少なくなったね。うっかり支払い忘れて、相手もそれに気づかずであとから発覚してもめて...みたいなことになるのを避けているのかな。旧枠時代には特によく見られたデザインである。水の力が必要だし、タフネスも1と最低限度の攻撃でかき消えてしまう。幻影、なるものをうまく表わせているのではないだろうか。

 

 かつてはその名の通り「幻影」というクリーチャータイプで、カードにもそれが印刷されている。幻影は結局5種類しか存在せず、強力なものもなく、それを参照するカードもなく。そのまま同ニュアンスであるイリュージョンへと統合された。その名の通り、掻き消えてしまったというわけだ。


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