僧院の導師/Monastery Mentor
タグ:Card of the Day, Monastery Mentor, MTGシングル, 僧院の導師, 岩SHOW, 運命再編Card of the Day -今日の1枚- 2015/12/04
僧院の導師/Monastery Mentor
「師/Mentorウィーク」でこのカードを紹介しないわけにはいかない。個人的には、皆が知っていて強さをとっくにわかっているカードを取り上げるのはあまり気が進まないのだが、今回はこのカードが旬真っ盛りと言うのもあって取り上げさせてもらおう。
あまりにも強力カードが多く、パックを剥けば当たりが飛び出すためマジックをプレイしていない人々もパックを剥くという、ちょーっとした社会現象を巻き起こした『タルキール覇王譚』。このインパクト満点なセットの後に続く『運命再編』にとってハードルが上がりきっている中でプレビューで発表されたのがこのカード、《僧院の導師》。皆がまず気にする神話レア、その1枚が公開されたのがおよそ1年前。当時、皆がどういった感想を抱いていたのか。強い派と、そうでない派に分かれてはいたが...概ね好印象だったのではないだろうか。タルキールで初出となったキーワード能力"果敢"を有するクリーチャー達の親玉的な1枚。果敢という能力は実際にカードがプレイされるまでは侮られていた印象を受けたが、ふたを開けてみると《僧院の速槍》《道の探究者》といった軽くて果敢を持つクリーチャーがアタッカーとして活躍しまくった。それ故、このカードにも注目は集まった。この導師はクリーチャーでない呪文を唱えることで、自身が果敢でサイズを上昇させるのと共に、1/1のモンクトークンを生み出す。これも果敢を持っているのが最大の特徴。クリーチャーでない呪文を唱えれば唱えるほどクリーチャーが増え打点が上がっていくという不思議な状況を作り出せる。
能力だけ見れば強力に見える。果敢の前例と、呪文を唱えるとトークンを生み出す《若き紅蓮術士》という似たカードが強力であったという事実。しかし、それらの強みであった1、2ターン目に出せるカードであるのに対し、導師は3マナ。3ターン目に2/2を出して生きて帰ってくるのを願うというのは都合が良すぎるのではないだろうか?という意見も少なくなかった。実際、『運命再編』発売直後はあまり使われることはなかった。除去耐性が皆無、先出しされたクリーチャーに乗り越えられる...と、3ターン目に2/2を出すことのデメリットの方が目立ったのだ。
しかしレガシーでは登場と同時に「《師範の占い独楽》を2枚クルクル回していればトークンが生まれて打点が膨れて勝ち」という前評判通り、「青白奇跡」のサイドボードに・時としてメインから、大車輪の活躍。遅れてモダンでは通称"松本ハーレー"こと「エスパーメンター」というこれを主軸にしたデッキが登場し話題に。広いカードプールを擁する環境で、カードとしての地力の高さは証明する。
そして『戦乱のゼンディカー』登場、環境が大きく変化したことでこのカードも遂にそのポテンシャルを発揮。「エスパードラゴン」のサイドボード後の同型などに対するフィニッシャーとして、そしてGP神戸でも強力なデッキとして日本のプロプレイヤー達に注目され、TOP8にも勝ち残ったスタンダード版「エスパーメンター」というデッキの中軸も担い、今までにも増して注目されるカードとなった。
スタンダード、モダン、レガシーとくれば次はヴィンテージ...マジックの深淵とも言えるPower9飛び交う環境でも、このカードは素晴らしいフィニッシャーである。《Black Lotus》と各種Moxにより1ターン目に戦場に出て、《Ancestral Recall》《噴出》を連打しトークンを並べたら《Time Walk》でフィニッシュ!えげつねぇ!これからも長きにわたり、強力なクリーチャーとして輝きを放ち続けることだろう。