吹雪の精霊/Blizzard Elemental

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/12/10

吹雪の精霊/Blizzard Elemental

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《アカデミーの事務局長、レイン》というカードをご存じだろうか。名前は知っているという方が圧倒的に多いかな。『ウルザズ・ディスティニー』構築済みデッキ「エンチャント使い」にも収録され、パッケージを飾ったので彼女の顔を知る人も多いことだろう。かの大魔術師バリンの妻で、ウェザーライト号のクルーであるハナの母親である。トレイリアのアカデミーに招かれた学者グループの一員であり、ここでバリンと出会った。彼女はアカデミー内でメキメキと頭角を現し、事務局長という立場を得ながらもアカデミーの生みの親、ウルザの計画にしばしば反対していたようだ。その様子を伝えるフレイバーテキストが「レインとウルザが口論しているのを目撃した生徒たちは、彼女が彼をもっと暖かい人物に見えるように、比較のためにそいつを呼び出したのだと確信した。」というもの。これが書かれているカードが、今日の1枚《吹雪の精霊》だ。

 

ウルザに人としての暖かさを感じるために、より冷酷なものをと呼び出された《吹雪の精霊》。そんな、メインストーリーには全く絡んでこない存在がカードになっているというのが、この頃のマジックの良いところだと思うし、そこに僕も惹かれて人生の半分以上の時間をこのゲームと共に過ごしている。

 

カードとしては、7マナ5/5飛行という重量級。今見ると、このマナコストでこのサイズは寂しすぎるが、当時はまだ青のクリーチャーが弱く設定されていた頃(《変異種》は除く)。それでも飛行クリーチャーとしてはマナコストに見合う方であった(《変異種》は、除いてね)。起動型能力は4マナでアンタップ...いや、《変異種》の名前はもう出さないぞ。とにかく、既に強すぎる先輩がいたので構築で使われることはなかった。この時代のクリーチャー達の前に立ちはだかっていたハードルは、クリーチャーの質がゴリゴリにインフレを起こしている今よりも高かったと言って良いだろう。本当にごく一部のクリーチャーにしか戦う権利が与えられていなかった。リミテッドとなるとまた話は変わって、クリーチャーが弱いからこそ5/5飛行というずば抜けた戦闘力が武器に。軽いクリーチャーも軒並み強くなかったので、7マナでも十分に間に合ったのだ。

 

『第7版』が作られる際、青の大型フライヤー枠としてこの《吹雪の精霊》が候補に選ばれた。が...「皆により人気なカードを再録しよう」と、《マハモティ・ジン》が選出され涙をのむことに。後にギフトボックスシリーズ第3弾『ビートダウン』には、そのマハモティと共に青黒デッキの航空戦力として採用されていたのも感慨深いものだ。


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