【GP名古屋2016】スーパーサンデーシリーズ・スタンダード デッキテク－石田龍一郎のアブザンエルドラージ－

text by Seigo Nishikawa 『ゲートウォッチの誓い』が発売されて早や一週間。そろそろ皆様の手にもカードが届き、思い思いにデッキを構築、ゲームを楽しまれているころであろうか。想像以上に強力であったカード、以外にも見掛け倒しだった1枚、それぞれ悲喜交々な中、そろそろこう感じてくるのではないだろうか。 「他の人はどんなデッキを使っているんだろう」 今日はグランプリ、その二日目と言えば大規模イベントとして完全に定着したスーパーサンデーシリーズが開催される。今回はスタンダード、他の人が使っているデッキを眺めるチャンスである。そんな思いで会場を見回していると 「やりすぎました（笑）」 との声、何かと思って振り返るとそこにはBIGs石田龍一郎の姿、これは話を伺うしかない。

  アブザンアグロに、《先頭に立つもの、アナフェンザ》からどうにかして《難題の予見者》を積めないかなと、マナベースを調整したのが今回のデッキの基本コンセプトになっています。そこから結果的にどこまで無色のカードを積むのかとなったときに、《次元の歪曲》と《現実を砕くもの》まで入れちゃったほうが強いやとなりまして。 その関係で《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》や《アブザンの魔除け》を切っていますが、環境上そこまでは強くなさそうだったので、まずはやりたいことをやってみようと、とがった形にしてみよう判断しました。 無色マナは、ダメージランドが7枚と《崩壊する痕跡》が2枚、そして《地下墓地の選別者》を3枚を採用することでなんとか回っているかなと。正直作ったのが昨晩で、友人に見せたらダメだし食らって、そこから5時まで練り直したものなので、だいぶふらふらなデッキですね（苦笑）。まぁ今のスタンダードを煮詰めている人も少ないと思うので、今はやりたいことをやったもん勝ちだと。 先ほどの試合がアタルカレッドで、こっちがライフ１相手15、《先頭に立つもの、アナフェンザ》と《包囲サイ》（それぞれ（《ドロモカの伝令》で+1/+1））が出てる状態で、《現実を砕くもの》を出して15点ジャストと。それが「やりすぎた」の真相です。相手の方は何が起きたの？　状態でした。 まぁ《地下墓地の選別者》から4ターン目の《現実を砕くもの》といったドブンモードがあったり、《次元の歪曲》が《地下墓地の選別者》でとても打ちやすくなったので、基本的に《ドロモカの伝令》しか除去が無かった中で、その代わりに使用できるという点はものすごく使いやすかったです。カードは全般強いので、マナベースだけが課題です。調整はこれからしていく価値がありそうに感じています。次はRPTQとかもあるので、今日の結果次第ですけど、候補として考えたいですね。 現在のメタゲームがラリーとエルドラージランプで、それを受けてアタルカレッド、マルドゥが増えるかなと考えているのですが、マルドゥの打ってくる《はじける破滅》の前に、今までどおりのアブザンを持ち込むのは絶対にやってはいけないことだな、と考えたので無理やり軸をずらしてみたというのはあります。 今回のベストカードですか？　まぁトップ１のこれ（《難題の予見者》を指差しながら）は外しちゃいけないので「わかってるでしょ」枠とするとして（笑）　一週間ぐらい前でしたら《変位エルドラージ》をあげたと思いますが、使ってみたらそこまで強くなかった。だから折角なので《次元の歪曲》にしますか。 これは今まで2マナの除去が弱かったというのを緩和してくれる良カードの一つですね。これのおかげでエルドラージランプが強くなったのは間違いないので、その旨みをアブザンアグロがいただいてもいいだろうと思います。 後自分の期待枠としては《永代巡礼者、アイリ》ですかね。《永代巡礼者、アイリ》は多芸なカードなので、今はラリーのシステムに一つ加える、ぐらいの使われ方ですけど、そのサクリファイスエンジンに着目した一工夫ができるようになるんじゃないかなと。雑にアブザンアグロに入れるだけでも強そうですけどね。まぁ1位は《難題の予見者》で2位は《次元の歪曲》、3位ぐらいに《永代巡礼者、アイリ》を入れておきましょう。 いまぐらいしかやりすぎれる時が無いんで今日はやりすぎます。環境が固まってくると「お前こんなのふざけてんじゃないよ」と言われちゃうんで。 グランプリ・名古屋2016 サイドイベントカバレージページに戻る