【BMO Vol.6】BIG MAGIC Invitational 準々決勝 松本 郁弥(石川) 対 浅海 大貴(群馬)

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text by Seigo Nishikawa 全国津々浦々から集いし猛者たちもいよいよ8人に絞られた。数々の激闘を潜り抜け、ここまでの見事な戦績を重ねた8名には既に30,000円の賞金が約束されているが、ここからは一勝毎に倍々ゲーム。勝利に対する喜びと、直接的な報酬を前に多少の疲れも吹き飛んでしまうだろう。 折角ここまできたのだから、もう一つ、いや後二つの勝利を重ねたいのはどのプレイヤーも一緒だ。そしてここにいるプレイヤーはそれを実現できるだけの実力を兼ね備えているのはいまさら語るまでも無いであろう。 どの試合も注目ではあるが、まずは予選2位の石川と予選7位の浅海の一戦をお送りしたい。二人の思いが僅かばかりでも伝われば幸いである。  

BIG MAGIC Invitational SE1 松本郁弥(石川) vs 浅海大貴(群馬)

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Game1

予選2位の松本は当然の先手を宣言。松本の攻勢をいかに浅海が押しとどめるかにかかる一戦だが、それだけにこの先手・後手は非常に大きな意味を持つ。 DSC_0132 松本の第2ターン、《ドラゴンの餌》がまずは戦場を賑わせるが、浅海が返してきた1枚のカードに少し表情を曇らせる。それは《森の代言者》。タフネス3という第一の防護壁を乗り越えるための術を松本は模索していく。 まずは《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》を出して、植物トークンを生み出しそのままエンド。浅海は《森の代言者》で《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》に攻撃すると、《乱脈な気孔》をセットしターンを終了する。 松本、2匹目の植物トークンを生み出すと、《ピア・ナラーとキラン・ナラー》とつなげ、浅海のもとへとつながる道を作り上げんとする。だがそこに《神聖なる月光》が突き刺さり、肝心の飛行機械が生み出されない。 だが着々と時間を稼ぎ準備を整えた松本は、いよいよ《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》で全軍に+1/+1カウンターを乗せると、即座に手札から2枚目の《ニッサ》。当然ここからもカウンターを乗せ、先ほどまで何もできていなかった小さなクリーチャーが、一気に《森の代言者》を超える性能に膨れ上がらせ、満を持してゴブリン、《ピア・ナラーとキラン・ナラー》を攻撃に向かわせる。 しかし時間を得ていたのは浅海も同様。まずは《はじける破滅》で迎撃し、《ピア・ナラーとキラン・ナラー》と《ニッサ》を奪い取ると、さらに《ゴブリンの闇住まい》でこれを使いまわすことで松本の戦線を一気に縮小させる。 だが一度攻撃に転じた松本はその手を休めることは許されない。《鐘突きのズルゴ》を疾駆で戦場に向かわせる。これに少し考える浅海だが、《ゴブリンの闇住まい》でこの攻撃を受け止める。当然《多勢》によって《ゴブリンの闇住まい》も退場させられるのだが、一つ一つと松本の手札を奪い取っていき、着実に差をつけていく。 そしてダメを押すべく浅海から出てくるのは《炎呼び、チャンドラ》。その炎によって戦場は完全に崩壊。松本も意地で2枚目の《鐘突きのズルゴ》を疾駆させ、チャンドラにそれ以上の仕事はさせないのだが、浅海からは変異クリーチャー。勿論これは《棲み家の防御者》であり、これが《森の代言者》を回収すると、遂に浅海が《乱脈な気孔》で反撃を開始する。1ターンこそは《アタルカの命令》でライフゲインを阻止するものの、これで遂に手札を使い切ってしまった松本。 最早ここから取り返す術は残されていない 松本 0-1 浅海  

Game2

松本は《鎌豹》とまずは上々の立ち上がり。浅海は《燻る湿地》をタップインさせると、続くターンに《強迫》をキャストする。対戦相手のハンドを公開させると言う行為は、コントロールデッキにとって何においても大事な情報とつながる。 DSC_0136 その結果松本から《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》を奪い取ると、松本の手札には《ドラゴンの餌》と2枚の《焙り焼き》《森》が残される。 松本は《鎌豹》での攻撃を続け《ドラゴンの餌》でクロック数を伸ばす。勿論これをすでに知っている浅海は、まずは《乱脈な気孔》をセットすると、《焦熱の衝動》で《鎌豹》を退場させ、ライフの減少にひたすらブレーキを踏み込んでいく。 一方でアクセル全開でいきたい松本。ここでのドローが《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》! まずはゴブリンで攻撃をすると、《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》から壁を生み出す。続くターンも再び+される《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》の忠誠値。着々と場が固められ、《マキンディの滑り駆け》が追加される。 そろそろ防波堤を補修する必要がある浅海は《光輝の炎》で、場のクリーチャーを一掃。それでも《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》はいまだ健在であり、松本からは再びの《ドラゴンの餌》。状況は一瞬にして元の状態に巻き戻る。 浅海が松本の次々と繰り出す圧力を全ていなしきれるか、それとも浅海の対応力を松本が越えられるか。浅海は変異カードを繰り出す。これにはすでに見えている《焙り焼き》が当てられるも、浅海は《強迫》を回収。《光輝の炎》かと思われたが、この選択を取ったことで盤面に触る手段を浅海はまだ手札に持っているということになるか。 実のところ浅海に残っているのは《包囲サイ》。松本が後1枚《焙り焼き》を持っていることは判明しているので、これを取り除いた上で、《包囲サイ》を着地させようというプランニングだ。その考えに従い《強迫》で松本の持つ2枚の手札を確認する浅海。だがそこに提示されたのは《焙り焼き》と……《焙り焼き》。まさかの3枚目に少し息をつく浅海 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》がいよいよクリーチャーの攻撃力を挙げ始める。これだけ裁かれてもまだまだ尽きない松本のプレッシャー。浅海の最後の手札である《包囲サイ》は当然《焙り焼き》され、そして松本の《鐘突きのズルゴ》が戦場を翔る。 浅海は引き込んだ《森の代言者》を出すと、《乱脈な気孔》で攻撃。ライフを二桁へと戻すのだが、松本も《雷破の執政》を叩きつけ、そしてニッサの力により即座に5/5へと成長する。   DSC_0971 ひたすら、プレッシャーをかけつづけた松本が、ついに浅海の防波堤を突破したか。思わず頭をかかえる浅海。 この場を作り上げたのは粘り強く戦った松本と、戦線を支え続けた《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》。ニッサは最後の力を使い切って、《雷破の執政》を6/6とする。 浅海のドローは……《神聖なる月光》。これではどうにもならない。即座にそれを新鮮な一枚と交換すると、引き込まれたのは《森の代言者》。これにより《乱脈な気孔》は6/7となりライフはまたも巻き戻る。 松本は《ピア・ナラーとキラン・ナラー》。《乱脈な気孔》へのブロッカーも準備しこれで万全……かと思われた だが、浅海のライブラリートップからは《光輝の炎》! 最高の防御手段がそこに待っていた。これが打たれると、今度は松本がふぅと一息つく。そして再び6/7の《乱脈な気孔》で遂にライフが原点近くに巻き戻る。。 トップの叩き付け合いとなった松本も負けてはおらず、《ドラゴンの餌》でブロッカーを用意する。 しかし浅海、ここで引き入れるのはなんと連続、都合3枚目の   kouki   崩れかけたかのように見えた浅海の防波堤は、その実とても高くそして分厚かった。 松本「執政(※《雷破の執政》)のタイミングでいけるかな、と少し思ったんですけどね。」 よく見ると浅海の手が少し震えている。これが武者震いと言うやつだろうか、これが勝てる日というやつであろうか。《光輝の炎》で一掃した後に、続いて送り出したのはこちらも3枚目の   daigensya   《乱脈な気孔》はなんと8/9へと成長を遂げ、浅海のライフは30を超えた 松本「ここまでやって負けたなら仕方ないですね」 高い高い防波堤を見事にくみ上げた浅海に、デッキも見事に応じ、いざベスト4進出! 松本 0-2 浅海 BIG MAGIC Open特設ページに戻る