【BMO Vol.6】BMO/BMInvi クイックインタビュー
タグ:BIG MAGIC Invitational, BIG MAGIC Open Vol.6, BMInvi, BMO Vol.6, カバレージ
by Tatsuo Sekimoto
BMO.vol6に集ったプロプレイヤーたち。
今回はTaem Cygames所属プロ4名とBICMAGICプロ3名にお話を伺った。
Taem Cygames
山本 賢太郎
PTサンディエゴ2007準優勝(双頭巨人戦)、PT「テーロス」TOP8、PT「マジック・オリジン」TOP8、世界選手2014TOP4、GPメルボルン2016TOP8、GPストラスブール2014TOP4など他多数。プラチナレベル・プロ。
・「イニストラードを覆う影」で期待のカードは?
《先駆ける者、ナヒリ》、《死の宿敵、ソリン》、《秘密の解明者、ジェイス》、《アーリン・コード》。プレインズウォーカーは全部強い。その中でも《先駆ける者、ナヒリ》が飛びぬけている。+2能力が強いだけでなく、-2も対象が広くて使いやすい。他のプレインズウォーカーに比べてナヒリだけ用途が広い。
・「タルキール覇王譚」「運命再編」がスタンダードを去りますが…
①これらのセット、スタンダード的にはどうでしたか?
過去歴代ベスト3に入るくらいカードパワーが強いセットでした。ゼンディカーの新しいカードがあまり活躍していないのもタルキールブロックの影響が強いと思います。多色土地と強力な3色マルチカードが落ちた後の環境はかなり変わると予想しています。
具体的には、今後は2色のコンパクトなデッキが増えると考えています。
②思い入れのあるデッキ、カードがあれば
《包囲サイ》です。市川さんにもらったデッキの中でも飛びぬけて強かったです。《包囲サイ》は自分が出しても相手が出しても強い。
覚前 輝也
GPオークランド2015優勝、GPグランプリ神戸2014優勝、日本選手権2004TOP8。ゴールドレベル・プロ。
・「イニストラードを覆う影」で期待のカードは?
《銀毛の援護者》。悪さが出来そう。アドバンテージが取れる。
・「タルキール覇王譚」「運命再編」がスタンダードを去りますが…
①これらのセット、スタンダード的にはどうでしたか?
《包囲サイ》が使い得だった。今後はフェッチランドが落ちてどうなるかが楽しみ。
②思い入れのあるデッキ、カードがあれば
《僧院の速槍》は好きだった。出来ればもう少し使いたかった。
市川ユウキ
PT「マジック2015」TOP8、PT「ニクスへの旅」TOP4、GPメルボルン2016TOP4、GP北京2015準優勝(チーム戦)、グランプリ上海2015優勝など他多数。ゴールドレベル・プロ。ニコニコ動画では「瀬畑」の名義で活動している。
・「イニストラードを覆う影」で期待のカードは?
(山本に)《先駆ける者、ナヒリ》を言われっちゃったから…。
でもナヒリで。+2から入るPWが弱いわけがない。公開された4人のプレインズウォーカーの中では《死の宿敵、ソリン》が一番未知数。使ってみないとわからない。残りの《秘密の解明者、ジェイス》と《アーリン・コード》は好みではない。
・「タルキール覇王譚」「運命再編」がスタンダードを去りますが…
①これらのセット、スタンダード的にはどうでしたか?
3色のカードが強いのでみんな使った。3色、4色当たり前の環境って中々珍しいことだと思う。テーロスが落ちるまでは単色デッキもあったけど、落ちてから多色化がより顕著になった。
(個人的には)フェッチランドは二度と再録して欲しくない。シャッフルで時間がかかるし、ライフが(互いの認識と)ずれる原因になる。今回はバトルランドもあったので持ってくる土地を考えないといけない。そのため余計に時間が消費されていた。
②思い入れのあるデッキ、カードがあれば
《包囲サイ》。誰が使っても強い。
渡辺 雄也
PT「タルキール覇王譚」TOP8、PT「ラヴニカへの回帰」準優勝、PTオースティン2009TOP8、世界選手権2008TOP4 (団体戦)、グランプリ北京2015準優勝(チーム戦)、GPクリーブランド2015TOP8、GPワシントンDC2014準優勝、グランプリ北京2014優勝など他多数。 プラチナレベル・プロ。
「ナベ」の愛称で親しまれる。「MTGで最強のプレイヤーは?」という議論で氏の名前があがらないことはない。今年2月よりTaem Cygamesに加入。
・「イニストラードを覆う影」で期待のカードは?
《大天使アヴァシン》と《アーリン・コード》はとても強いと思います。「イニストラードを覆う影」のトップレアだと思います。
それ以外では特に《戦争に向かう者、オリヴィア》と《癇しゃく》が強いと考えています。
《癇しゃく》は再録カードですが、昔以上に使える環境だと思う。手札を捨てる手段が豊富なので1マナ3点火力として活躍する場面も多いのではないでしょうか。
またセット見る限り、赤黒吸血鬼を使わせようとしているのを感じます。開発部の赤黒推しのメッセージに期待しています。
・「タルキール覇王譚」「運命再編」がスタンダードを去りますが…
①これらのセット、スタンダード的にはどうでしたか?
フェッチランドの与える影響が大きかった環境だと思います。《包囲サイ》や《カマキリの乗り手》が強いというのは勿論ありますが、それらを支える土地がとにかく強かった。強いパワーカードを強いマナ基盤が支える環境なので爽快感は凄くありました。相手が強力なカードを出しても、こちらも強力なカードでやり返せるのが楽しかった。
また環境後期はラリーなど色々な4色デッキが出てきて凄く幅広い環境でした。とにかくいろんなことが出来たのでエクテンやモダン並みの自由度を感じました。
ただ、個人的に少しマナベースが強すぎるように感じました。バトルランドとフェッチランドの組み合わせは流石に強すぎだと思います。それ以外は良い環境でした。
②思い入れのあるデッキ、カードがあれば
ジェスカイトークン。世界選手権に出た思い入れのあるデッキです。カードは《カマキリの乗り手》。ジェスカイカラーは思い出深いです。
BIGMAGIC契約プロ
瀧村 和幸
PT「戦乱のゼンディカー」優勝、GP北京2015ベスト4(チーム戦)、GP台北2014TOP8。
「チーム豚小屋」のメンバー。同じく墓地利用がテーマの「イニストラード」では人間リアニメイトを使用していた彼だが、今回注目するキーワードとカードとは?
・「イニストラードを覆う影」で期待のカードは?
《アーリン・コード》が面白そう。ガチャガチャ出来るのが楽しそう。赤緑ランプがサイドボードにつめれば強いんじゃないかな。あと赤緑マルチは色合いが綺麗。赤緑の枠に金色のグラデーションのテキスト欄は映える。《高原の狩りの達人》とか好き。
・「タルキール覇王譚」「運命再編」がスタンダードを去りますが…
①これらのセット、スタンダード的にはどうでしたか?
一言で言うと《包囲サイ》。非常にカードパワーが高いセットで多色が特に強い。多色のパワーカードとそれを支えた多色土地が失われた次の環境はゲーム的に緩やかな環境になると思う。まっすぐなデッキが増えると予想。
②思い入れのあるデッキ、カードがあれば
(プロツアーで)優勝した立役者は《包囲サイ》ですが、ラリーが好きなので《先祖の結集》。
松本 友樹
GP2015千葉優勝、GP2015静岡TOP8。2015-2016シルバーレベル・プロ。「A」、「ハーレー」のあだ名で親しまれる。「松本ハーレー」(エスパーメンター)の製作者。構築が大好きという彼のお眼鏡にかなったカードはなんだろうか?
・「イニストラードを覆う影」で期待のカードは?
《先駆ける者、ナヒリ》。ルーティングが好きなので期待しています。+2が強い上に、-2も用途が多い。世間で言われているほど弱いプレインズ・ウォーカーではないと思います。
・「タルキール覇王譚」「運命再編」がスタンダードを去りますが…
①これらのセット、スタンダード的にはどうでしたか?
(カードパワー的には)《包囲サイ》が特に強かったのですが、《包囲サイ》に限らず3色の呪文が強かったです。さらにそれを支えるマナベースも強かったです。
次の環境は3色すら怪しくて全く違う環境になると思います。攻めるデッキが増えるのでは。
②思い入れのあるデッキ、カードがあれば
《凶暴な拳刃》。全然活躍できませんでしたが(笑)あとは《血の暴君、シディシ》は好きでした。
和田 寛也
現スタンダード神(2015年3月時点)、PT「タルキール龍紀伝」入賞。シルバーレベル・プロ。2016年より、BIGMAGICとプロ契約を結んだ。カードの選択には開発部の意図まで読み込んで強弱を見極めるとのこと。
・「イニストラードを覆う影」で期待のカードは?
《ウェストヴェイルの修道院》。
エルドラージランプの新しいフィニッシャーとして注目を浴びるのではないでしょうか。エルドラージの落とし子と噛み合うし、マナが潤沢に使えるデッキでは強い。土地なので対処されずらいのも利点です。
《氷の中の存在》
レガシーやモダンでも活躍できる可能性があります。
ここ最近の強いカードには共通点があって、それは複数の機能があるカードです。例えば《精霊龍、ウギン》は単体除去として使えるし、全体除去カードとしても機能する。こういったカードがあるとデッキのスロットを節約に繋がります。
《氷の中の存在》はフィニッシャーであり壁になれる。《稲妻》が耐えれて、終盤は詰めに使える。そういったカードはスタンダード問わず活躍できる。
バウンスも能力もあるので、壁・ラス・フィニッシャーの一人3役ですね。
・「タルキール覇王譚」「運命再編」がスタンダードを去りますが…
①これらのセット、スタンダード的にはどうでしたか?
フェッチランドや《包囲サイ》など非常にカードパワーが高いセットだと思いますが、それ以上に特筆すべきはストーリーが上手く反映されている。各部族の特徴や運命再編のストーリーが《命運の核心》などで表現されている。
そしてカードの効果もストーリーに即しているため、ストーリーが芳醇に感じられる良いセットでした。
②思い入れのあるデッキ、カードがあれば
オジュタイバント。とは言っても《龍王オジュタイ》は入っていない形です。《オジュタイの命令》だけ入っていて、相手の《包囲サイ》を消して《羊毛鬣のライオン》を出して殴るという動きをするデッキです。また5マナがある状態で変異を出しながら《軽蔑的な一撃》を構えるという動きもあります。
当時は《龍王オジュタイ》を入れるのが普通でしたが、敢えて抜いてオリジナルデッキに仕上げました。
PPTQで準優勝することもできて手ごたえは感じました。グランプリでは初日7-1、二日目1-5とかでしたが(笑)推し引きを選べる要素を入れた思い入れのあるデッキでした。
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