Browse the Deck! Vol.5 「Moggcatcher」
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どうもどうもー!
先週末に行われたレガシー神挑戦者決定戦で我らがBIGsの加茂里樹選手が
見事「エルドラージストンピィ」を操り優勝しました!
モダンのみならずレガシーもついにエルドラージに染まるのか!?
というところで今回は...「いやいや!おれも負けてないぞ!エルドラージを倒すのはおれだ!」と名乗りをあげそうなデッキを紹介したいと思います!
...まずその前に、ここ最近のレガシー環境をおさらいすると『ゲートウォッチの誓い』以降は《虚空の杯》を中心に環境が定義されていると言っても過言ではないくらい、よく見るカードになりました。
今デッキを組むなら《虚空の杯》(またはそれを使用するデッキ自体)をメインから処理出来るか無視出来るようなデッキになるように意識する必要はあると思います。
元々《虚空の杯》や《血染めの月》等を使用した「ドラゴンストンピィ」のようなロックデッキは古くから存在していましたが、《虚空の杯》等でロックした後に速やかにゲームを決めるカードが無かったため、ダラダラとゲームが長引いた結果《精神を刻む者、ジェイス》1枚がぽろっと出てきてこれに負けてしまったり、《ラクドスの地獄ドラゴン》などの採用している生物が2マナの《タルモゴイフ》にサイズで負けてしまったり、《虚空の杯》や《三なる宝球》だけ処理しちゃえばあとは何とかなったり...という風に勝ち切ることが出来ないデッキでした。
しかし《難題の予見者》や《現実を砕くもの》が登場したことにより、そもそも《虚空の杯》に頼らずともそれらを連打しているだけで勝ててしまったりするほどにデッキパワーが跳ね上がりました。このデッキの流行は流石に無視出来ないな、ということで様々なデッキが対策を検討しだした矢先の、エルドラージでの神レガシー優勝!...お見事といったところでしょうか。
今もまだ進化中であり対策されだして日が浅いデッキなので、今はちょっと環境に多すぎるかなとも思いますが...これからも無視は出来ないデッキですので、しっかり対策していきましょう!
というわけでまずはエルドラージにその座を奪われそうな、元祖赤系ロックデッキからこちらを拾い読み!
まず前述したとおり、以前から勝ち切ることが出来なかった赤系のロックデッキの中でもさらに線の細いクリーチャーであるゴブリン達を使用したストンピィデッキですね...
「だったらエルドラージでいいのでは?」と思うかもしれませんが、実はこのデッキ、そのエルドラージデッキに対してメインからの《血染めの月》と《月の大魔術師》フル投入による所謂「8Moon戦略」により、完全有利とまでは言えませんが確実に五分以上の戦いが出来るのです!また、エルドラージの苦手な「Lands」のようなデッキにも《血染めの月》は効きますので、メタによっては同じストンピィ系でもエルドラージよりこちらのゴブリンの方が有利なデッキが多い場合もあるでしょう。
デッキの動き自体は、2マナ出る土地や《金属モックス》《猿人の指導霊》から序盤高速で《血染めの月》《三なる宝球》《虚空の杯》のどれかを着地させ相手の動きを妨害しながら《モグ捕り人》や《ゴブリンの熟練扇動者》に繋ぐという分かりやすいデッキです。
それではいつも通り個別にパーツを見ていきましょう。
3:《モグ捕り人/Moggcatcher》
デッキ名にもなっているキーカードです。
《稲妻》では死んでしまいますが、一応《突然の衰微》には耐性がありますね。
ゴブリンであればなんでもサーチしてこれるので、これが機能しだせば速やかにゲームが終わるでしょう。
こいつ自身はゴブリンでは無く捕獲してる人(笑)なので種族が人間・傭兵であることは魂の洞窟を使う際に要注意です。
1:《棘鞭使い/Stingscourger》
バウンス枠
対戦相手のクリーチャーしかバウンス出来ないので、除去避けのような使い方は出来ませんが...邪魔なブロッカーを排除したり《実物提示教育》に合わせて出すと《グリセルブランド》や《引き裂かれし、エムラクール》であろうと問答無用でハンドに返してしまうすごいやつ。
エコーコストが重く自身の戦闘能力は高くないので基本的に支払いたくないのですが、《モグ捕り人》がアクティブであるなら《棘鞭使い》をサーチ→次のアップキープにエコーがスタックに乗った時に《鏡割りのキキジキ》をサーチしてコピーという動きは高頻度で行うので、覚えておいて損は無いでしょう。
1:《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》
好きなところに1点飛ばせる、所謂ティム能力のゴブリンです。
自力でアンタップステップに起き上がらないデメリットを持つ代わりに、クリーチャーが墓地にいくとアンタップすることが出来るので《未練ある魂》や《若き紅蓮術士》のようなカードをこれ一枚で完封出来ます。
流行りの《僧院の導師》も、完封こそ出来ませんがかなりのけん制になるので納得の採用です。
自分の生物が死んでも能力が誘発するので、そこだけは忘れないようにしましょう。
1:《Goblin Settler》
初めて見た方もいらっしゃるかと思いますが、『スターター99』にのみ収録されている《石の雨》付きのゴブリンです。
《血染めの月》の後に出てくるこざかしい基本土地をたたき割ってもよし、《暗黒の深部》のコンボに合わせて《モグ捕り人》から持ってきてもよし、キキジキでコピーしてマナを縛り上げても良しの、地味ですが外せないゴブリンです。
1:《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》
モダンでは無限コンボでおなじみのこのカードもゴブリンですのでサーチしてくることが可能です。
その能力はタフネス2まで焼けるため、裏返った《秘密を掘り下げる者》など対象には困らないでしょう。
1:《タクタクの潰し屋/Tuktuk Scrapper》
こちらもゴブリンなのでサーチしてこれるアーティファクト破壊です。
《殴打頭蓋》とか《梅澤の十手》など叩き割っていきましょう!
1:《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》
こちらは《モグ捕り人》の2回目の起動で持ってくることが一番ありそうなゴブリンです。
特に何も書くことが無いくらい強力な能力なので、こいつが動き出してアドバンテージを獲得すると勝利は目前です。
3:《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》
スタンダードでも大暴れしたこのゴブリンはレガシーでも健在です。
処理出来ないと速やかにゲームが終わるので、「Show and Tell」などの《虚空の杯》や《血染めの月》がクリティカルな働きをしないようなコンボデッキ相手だとそのほかの妨害カードよりも優先して1ターン目にプレイしても良いカードです。
忘れがちですが自分以外のゴブリンが強制アタックになるので、キキジキなどのシステムクリーチャーがうっかり殴ってしまわないようにだけ注意しましょう。
2:《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》
《モグ捕り人》から持ってくるフィニッシャー枠です。
キキジキでコピーすればそのまま勝つでしょう。
ゴブリンを生け贄に捧げて2点を飛ばす能力は、前述した《ゴブリンの名手》と組み合わさると強力です。
この2枚が場にある状態で6マナあれば10点分好きなところに飛ばせるので、覚えておいて損は無いギミックです。
4:《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》
ほぼマナ加速用に入っていますが、ロックした後に何も引かないため場に出て殴りにいくこともまあまああります(笑)
4:《月の大魔術師/Magus of the Moon》
4:《血染めの月/Blood Moon》
デッキを支える8Moon戦略に必要不可欠なカードです。
《血染めの月》は生物ではありませんが同じ内容を書くことになるので一緒にしておきました。
メイン戦では、1ターン目にこれらの月か《虚空の杯》などの妨害カードをプレイ出来るハンドになるまでひたすらマリガンしましょう。
どちらも出せる手札なら割られにくい《血染めの月》から先に出しましょう。
4:《虚空の杯/Chalice of the Void》
4:《三なる宝球/Trinisphere》
定番の妨害カードですね。
相手のデッキが分からない場合で《血染めの月》とどちらも置ける場合どれから置いた方がいいのか?は永遠のテーマですが...
相手のデッキが前もってわかることもあったりしますし、「このデッキにはこれが一番効く」といったことを前もって理解しておくとベストな選択肢が取れるようになりますね。
とは言いましても先手1ターン目に必ず通る前提でも
「ドレッジ」「リアニメイト」→《三なる宝球》
「ANT」→《三なる宝球》
「Death and Taxes」→《虚空の杯》
「奇跡コントロール」→《虚空の杯》
「土地単」→《血染めの月》
「エルドラージ」→《血染めの月》
「感染」→《血染めの月》
「4cDelver」→《血染めの月》
「BUG Cascade」→《血染めの月》
このように相手によって有効なカードが全然違いますね(とは言え大体どのカードも効くのですが)。
割合的に若干《血染めの月》が優位のように見えますが、2ターン目以降は相手の《死儀礼のシャーマン》等によって変わってきたりもするので、一概にどれが正解かは簡単には出せません。
それに《Force of Will》のあるデッキ相手だと一旦これを切らせてから本命を通すといった考え方もありますので、その状況や相手にに応じてどれをプレイするべきかを考えましょう。
3:《金属モックス/Chrome Mox》
特に言うことも無いマナ加速ですが...割られてしまうと元も子もないので「このターン《金属モックス》から出たマナを使う」時以外には不用意にプレイしないほうがいいでしょう。
1:《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》
一枚挿しのおしゃれ枠です。
正直なんでもいいのですが疑似ドロー出来るこのカードはまぁ一枚あっても良いでしょう。
4:《古えの墳墓/Ancient Tomb》
4:《魂の洞窟/Cavern of Souls》
4:《裏切り者の都/City of Traitors》
10:《山/Mountain》
土地枠も定番で言うことは特に無いですね。
2マナランドも最終的には大体《血染めの月》で山になっていると思います(笑)
最初リストを見たときは正直めっちゃ弱そうだな、と思いました(笑)
しかし序盤に蓋をした後は正直なんでもいいので、リストで見るよりも実際はかなり強力なデッキです。
実際マジックオンラインで回したところ、エルドラージに比べて8Moon+《虚空の杯》+《三なる宝球》と相手を妨害するカードが15枚も入っているので、とにかく1ターン目にそれらのカードをプレイする手札が来るまで意識してマリガンすれば勝率はかなり安定してきました。
特にエルドラージ相手には文字通り《血染めの月》1枚だけで勝ってしまうので、今のメタなら十分に使う価値のあるデッキだなと思いました。
サイドカードはいつも通りメタによって流動するので大きく触れはしませんが、《僧院の導師》や《昆虫の逸脱者》用の《突然のショック》と、エルドラージと「Show and Tell」に同時に対処出来る《罠の橋》は必須だろうという感想です。
《槌のコス》も奇跡コントロールのような相手に欲しいので定番のサイドですね。
エルドラージを倒すならこれ!
というわけでspacegoblinさんの「Moggcatcher」でした。
《モグ捕り人》のおかげでエルドラージよりも柔軟な戦い方が出来るので、エルドラージをメタりつつも青いデッキを使いたくない!といった方にはぜひおすすめです!