Backdraft
タグ：Backdraft, Card of the Day, MTGシングル, レジェンド, 岩SHOWCard of the Day -今日の1枚- 2016/05/14
Backdraft
「バック・ドラフト」というフォーマットをご存じだろうか。ドラフトと名がつくだけあって、普通のブースタードラフト同様、市販のパックを用いてドラフトを行う。今やるならば『イニストラードを覆う影』×3を用いるのが良い。8人...あるいは6人そろえて、さあ準備はできたか？ならばパックを剥いて、カードを1枚とって左へ回す。これをカードがなくなるまで続けたら2パック目。今度は右回し。それが終わったら3パック目、左回しだ。すべてのカードをピックし終えたら、さあデッキを...組まない。先に対戦相手を決定し、通常の対戦のように席に着く。デッキはないよ？と焦らずともOK。これから作るのだ。さあ、自分がピックしたカードの束を対戦相手に渡して...自分も相手のカードを貰って、デッキ構築開始ッ！そう、このドラフトは、相手に使わせるカードをピックする、という通常とは真逆のゲームだ。即ち、如何に強いカードを流し、弱いカードをかき集められるのか？デッキにならないように色を散らせるのか？という通常のドラフトと全く真逆のベクトルへと突き進んでいくことになる。《大天使アヴァシン》なんて絶対に取りたくないし、昂揚カードを取ったら墓地を肥やすカードを1枚も取ってはいけないしその逆もまた然り。これが簡単に見えて、案外難しい。コモンの弱小クリーチャーやアンコモンのニッチ過ぎるカードを取ってりゃ良いが、段々とカードが強くなってくると...自分のピックしているカードと色は合わないが強力なレア、色もシナジーも噛み合ってしまうアンコモンの二択なんかで何を取るか？なかなかに難しい。3試合すべてそのデッキと対決することになるのだから...これも他のフォーマットには見られない面白さと言えるだろう。是非、一度遊んで見て欲しい。
そんなフォーマットと同名の1枚が「Backウィーク」のトリを務める《Backdraft》だ。とりあえず古いカードで英語版しかないので、現在の日本語のテキストをまとめておこう。「このターン、１つ以上のソーサリー呪文を唱えたプレイヤー１人を選ぶ。Backdraftはそのプレイヤーに、このターンにそれらのソーサリー呪文のうち１つによって与えられたダメージの端数を切り捨てた半分に等しい点数のダメージを与える。」
...おう。平たく言えば、「お前がぶっ放したソーサリーのダメージを返すぜ！...半分だけなッ！」という、なんとも控えめな報復カードだ。本来、こういうダメージ報復・反射系のカードって白の領分だろう。無理して赤で作るから、こういう「なんやコレ」カードになったりするのだ。ハッキリ言って、ソーサリーでダメージを与えてくるカードなんてそんなにデッキには入らないし、相手がそれをぶっ放してきたってことはX点火力で、それを受けた君は即死しているのでこんな呪文構え損だ。
数少ない、このカードが火を噴くシチュエーションは...《地震》を撃ってきた相手に対して使用した時だ。《地震》はX点を全体にばらまく。プレイヤーと、クリーチャーの合計値×X点のダメージを与える。即ち、合計50点与えていたので25点跳ね返す！なんていうスーパーショットもあり得るわけだ！...うん、そんだけクリーチャー展開出来てれば勝てそう。如何に受動的なカードが強くないのかがわかる、良いケースである。