空中生成エルドラージ/Eldrazi Skyspawner
タグ:Card of the Day, Eldrazi Skyspawner, MTGシングル, 岩SHOW, 戦乱のゼンディカー, 空中生成エルドラージCard of the Day -今日の1枚- 2016/05/18
空中生成エルドラージ/Eldrazi Skyspawner
空から攻める。『アルファ』の時代から青に与えられたミッションであり、変わらない色としての在り方だ。クリーチャーのサイズでは劣るが、飛行という回避能力で接触することなくプレイヤーをチクチクと攻める。強い能力ではあるが、強すぎるという訳でもない。そもそも青い飛行クリーチャーのスペックが抑えめというのもあるだろう。大体基準になるのは《風のドレイク》か。しばらくはこのカードがベストバランスで、青のコモンのこれを基に他のレアリティや色の飛行クリーチャーがデザインされていたように思える。この《風のドレイク》から20年も経って、全体的なカードパワーは向上。遂にはドレイク自身のスペックも引き上げとなった。《空中生成エルドラージ》の登場である。
ドレイクと同じ青のコモンで、3マナ2/1飛行。往々にしてメリットとなる、色を持たないという能力"欠色"を有している。『戦乱のゼンディカー』はこの色を持たぬことを前提としてシナジーを形成するカードが複数存在しており、このカードもそれらエルドラージと並ぶことでオイシイ思いをすることが出来る。それを抜きにしても、プロテクションや色対策が通用しないというのは強力である。
これだけの対価を《風のドレイク》からタフネスを1下げることで得られるのかと思いきや、それだけでなくなんと1/1のエルドラージ・末裔トークンまで1体ついてくるという。純粋に3マナで3点分の打点だ。トークンも一緒に殴って良し、地上をチャンプブロックして良しと青のリミテッドの基本「地上を固めて空から殴りダメージレースを征する」を1枚で体現するカードとなっている。また、この末裔トークンは生け贄に捧げてマナにすることが出来、一時的なマナ加速として計算することさえ出来てしまう。
ちょっと考えてみて欲しい。果たして、このカードは本当にコモンなのか?そんじょそこらのレアでは足元に及ばない性能だったりするぞ。実際リミテッドではめちゃくちゃ強くて『戦乱のゼンディカー』ドラフトにおける青を最強色へ押し上げる要因の1つであったことは間違いない。
スタンダードでは飛行クリーチャー兼マナ加速として、4ターン目に《風番いのロック》が強襲状態で戦場に出るのを助け、モダンでは《ウギンの目》から1マナで飛び出て、《変位エルドラージ》にブリンクされてトークンを増やしまくったものだ。もうしばらくスタンダード環境に居座り続けるので、今後の活躍も楽しみな1枚である。