子馬乗り部隊/Ponyback Brigade
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Ponyback Brigade, タルキール覇王譚, 子馬乗り部隊, 岩SHOWCard of the Day -今日の1枚- 2016/05/10
子馬乗り部隊/Ponyback Brigade
「Backウィーク」ということで改めてBackという英単語の意味を調べてみる。人や動物の背中・背面。転じて背後。奥の方という意味もあり、奥歯はback toothとなる。動詞になると後退する・帰宅する。よく英語圏の人と野球をやってバックホームを指示すると帰宅してしまうとかいう冗談が言われるアレね。on the backで「背に乗る」となり、本日紹介するカードはそんな意のbackをカード名に持つ1枚。Ponybackで子馬乗りと訳された、《子馬乗り部隊》だ。
まずイラストが最高にかわいい。子馬というかポニーというか、足の短い馬にタルキールのアジアンなゴブリンがワラワラと...1・2・3・4体も。これ、見るからに鞍・鐙はワンセットしかつけられていないよな。自らの腕や足の力で子馬にしがみついているその姿は愛らしくもあり。それぞれに長槍・手斧・短弓・刀剣を手にして、戦争に向かう気満々だ。刀剣と短弓を手にする個体は何やら王冠のようなものをかぶって鞍に乗っかっており、彼(《足首裂き》が女性の世界なので彼女の可能性もある)がこの部隊のリーダー格であることがわかる。彼らが所属する氏族はマルドゥだが、マルドゥの他の構成要員である人間やオークは、基本的にゴブリンのことを相手にしていないらしい。なんか勝手に一員のようになって一緒に戦っているヤツら、くらいの感覚なのだろうか。故に、一人に馬一頭を与えられることもなく、適当に子馬に定員オーバーな騎乗をしているのだろうと思われる。
このかわいらしいゴブリンたちは、所属するマルドゥの赤黒白の3色にして6マナと、ゴブリンの中でもヘビー級の部類になる。それでいて、あくまで子馬に複数乗れるサイズなので本体は2/2だ。ただし、お供としてイラスト通り、3体のゴブリントークンを引き連れてくる。これらは1/1なので、実質6マナ5/5。同系列のゴブリンとしては赤単色の《包囲攻撃の司令官》が5マナで同じサイズ・トークン数の1枚だったが、これと比べるのはレアリティの差があるので酷というものだ。
この部隊は変異クリーチャーでもある。3マナで唱えて裏向きの2/2として戦場に出し、マルドゥ3色含む5マナで表向きに。正体を明かしても本体のサイズは変わらないが、表向きで戦場に出た時と同様に1/1トークンを3体ばら撒くので、奇襲性はなかなか。特にドラフトでは、マナカーブに沿ってこれを唱えて表にして、《ラッパの一吹き》《戦場での猛進》でパンプして大ダメージ!というのがお手軽で強力なコンボであった。これを決めたくて、よくマルドゥ決め打ちを狙ったのも良い思い出。
砂塵を巻き上げながら突撃してきたものが実は子馬一頭で、油断していると戦闘要員がワラワラっと飛び出すというカードデザインは、変異というメカニズムとタルキールの世界観を上手く表現してあり、個人的には同ブロックでも随一の好みのカードであった。かわいいしね。