村の食人者/Village Cannibals

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Card of the Day -今日の1枚- 2016/07/07

村の食人者/Village Cannibals

村の食人者/Village Cannibals

不気味な戯れ児/Grim Poppet

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何度かこのコラムでも書いたような記憶もあるが、「悪魔のいけにえ(原題:The Texas Chain Saw Massacre)」はホラー映画の金字塔だ。あの映画の良さは一言では語りつくせない。むせかえるような夏の空気、直接的なスプラッターシーンを強く描いているわけではないのに忘れられない強烈なシーンの数々、スタントではなくマジ当てで箒でシバかれる女優...映画全体が、どうしようもない狂気に満ちている。この映画のマスターフィルムは、その芸術性を評価され「MoMA」のデッキ名の元であるニューヨーク近代美術館に保管されている。何が面白いかって、やっぱりあのテキサスの田舎に暮らす食人一家の不気味さやね。静動織り交ぜた狂人ファミリーの挙動が面白すぎる。このファミリー、文字通り人間を喰らう食人の風習を持つ連中なんだけども、マジックでもこれと同じえげつない食事を摂る連中がいるようだ。

 

《村の食人者》ってもう言ってしまっているではないか。イニストラードという次元は作中時間で1年前も現在も、まさしく暗黒時代と呼ぶべき状況にある。人を狩る怪物を復活した天使たちが抑え込んだと思ったら、今度はその天使が刃を向けてきて、それも落ち着いたと思ったら今度はすべての者を取り込んで一つにしようとするエムラクールの魔の手が...キリがない!こんな状況にあって、怪物達と戦うために人の道を捨てる者も現れたそうな。そんな連中がこの《村の食人者》なのだろう。文字通り、人を喰らう狂気の集団だ。他の人間が死亡する度に、自身はその死体を喰らってパワーアップ、+1/+1カウンターを1つ得るのである。3マナ2/2で人間が死亡する度に自身が強化される、同じ『イニストラード』に収録されている《教区の勇者》とは真逆の能力を持っている。3マナと、勇者に比べると随分と重いが...先に自身が戦場にいることが前提な勇者と違って、ある程度人間を展開した後半に引いてきても使い道があるのが嬉しいところ。リミテッドではこれを出して、後は適当に人間を突っ込ませていけば勝手に大きくなる。コイツらの良いところは、自身のコントロールする人間でなくても死亡すればサイズが上がる点。自身の人間と相手の人間が相討ちすれば、それだけで4/4になる。3マナでこのサイズなら合格だ。

 個人的には《肉屋の包丁》をつけたいクリーチャーナンバー1.フレイバー的な意味でもね。イラストには食人の連中がかなり怪しげに描かれている。彼らに寝転がされた、これから餌食になるであろう人の目線から見上げる形で描かれているイラストがもーなんともたまらない。マジック界の『悪魔のいけにえ』カードはこれだ!マローもこのイラストは『イニストラード』で一番怖いイラストのカードとして取り上げていたね。

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