トローキンの祝祭/Festival of Trokin
タグ:Card of the Day, Festival of Trokin, MTGシングル, トローキンの祝祭, ポータル2Card of the Day -今日の1枚- 2016/08/26
トローキンの祝祭/Festival of Trokin
昔のマジックには味わい深いイラストのものが多い。現在はCGを駆使したアーティスト達がリアリティーとファンタジーを共存させたかっこいいイラストを多数寄贈して、プレイヤーの気持ちを高めることに成功している。正直なところはずれカードなのに、イラストはカッコイイ!なんてことも多数。それに比べると、黎明期のマジックのイラストはなんというか、かわいらしいものが多い。CGとは趣を異にする優しいタッチの油絵などだ。それらはこの2010年代の価値観で見ると、カッコイイとは言えないものの...何とも言えない味わいがある。例えばこの《トローキンの祝祭》なんて味わいの塊だ。
トローキンとはアラボーンという王国の首都だ。これは『ポータル・セカンドエイジ』の背景世界に登場する地名である。白を担当するアラボーンは人間の王国で、多数の騎士と兵士たちが侵略者からこの国を護っている。そんな守護されし都では、時に祝祭が行われている。この祝祭には各商店で大売出しが行われ...テントが居並び、住人たちがお目当ての品を手に入れて歓喜する。そんなシーンが切り取られたこのカードのイラストが、なんともかわいくて大好きなのである。
カードとしては、実は悪くない性能。白1マナのソーサリーで、自身がコントロールするクリーチャー1体につき2点のライフを回復する。うん、額面は悪くない。1マナで6点回復なんてできれば、十分なもの。10点とかになれば赤いデッキは悲鳴をあげることだろう。白は軽量のクリーチャーを並べるのが得意な色なので、これの回復値も平均的に高いものとなるだろう。初心者向けセットである『ポータル・セカンドエイジ』にはインスタントが存在しないので、これにスタックで除去が飛んできて回復量を見誤る、なんてこともないだろう。
これがコモンというのも珍しい。同型再販である《桃園の誓い》はアンコモンだったことを考えれば、意外な話である。とはいえ、ポータル系内での構築における性能の話で、これが使用可能な現在のエターナルフォーマットでどうかと問われれば、もっと強いカードを使おうと提案せざるを得ない。すべてはタイミング。マジックの本当の黎明期のスタンダード環境にあったりしたら、白ウィニーが同系に対するサイドカードとして使ったりしたかもね。