Browse the Deck Vol.16 「モダンとレガシーに同時にデビューをするのなら(前半:モダン版ドレッジ)」

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こんにちはー!くーやんこと日下部です。

RPTQも終わり、競技マジックはモダンシーズン真っ只中のこの夏。ですが、先を見据えるとレガシーGPも迫ってきておりますね!そして来年はまたモダンのGPも控えていて・・・

この様な状況で、普段はスタンダードを中心にプレイをしているけども、GPにはフォーマット関わらずに出たい!と言う人もいるかもしれません。

「モダンもレガシーもデッキが欲しい!けど一気に2つのフォーマット分を揃えるのは難しいなぁ」と諦め気味なあなた!そんなあなたにオススメのアーキタイプがあります!


 

ゴルガリの墓トロールナルコメーバ


 

そうです、「ドレッジ」です!

 

決して安価で組めるデッキとは言えませんが、モダン/レガシー両方のフォーマットで活躍するデッキで、モダン版とレガシー版でほとんどのパーツを流用することが出来るので、どちらかを組めばもう一方にスムーズに移行することが出来ます!

 

プレイングが簡単なデッキではありませんし、墓地対策1枚で涙を呑むこともあるデッキですが...即ち弱いデッキというわけではなく、プレイヤーの習熟度で強さの変わってくるデッキなので、やり込み要素もあります。

 

どちらのフォーマットのものも、基本的な動きは墓地に発掘持ちのカードを落とし条件を満たすと墓地から直接場に戻ってくる《ナルコメーバ》や《秘蔵の縫合体》を早いターンに複数枚展開することによって相手の場が整いきる前に相手を殴り倒す、というデッキです。

また同時に墓地に落ちるカードの中には墓地から直接プレイ出来るカードも多数含まれており、墓地=手札のようなデッキなので選択試も非常に多いデッキです。

 

そんなおすすめのアーキタイプ「ドレッジ」を両フォーマットのリストを見ながら紹介していきます!


 

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まず今回は『イニストラードを覆う影(以下SOI)』発売以降に登場したモダン版「ドレッジ」の基本的な形を見ていきましょう。

 

元々モダンで「ドレッジ」はSOI発売以前はほとんど成立していないアーキタイプでした。

2015年1月の禁止改訂により《ゴルガリの墓トロール》が解禁されましたが、それでもいまいち活躍出来ずにいました。

 

しかしSOIで強力な2枚のカードを得たことによって一気にトップメタに浮上します!

《傲慢な新生子/Insolent Neonate》
傲慢な新生子

このカードの登場により、1ターン目から発掘を開始することが出来るようになりました。

ゲームスピードの速いモダンにおいて序盤の1ターンは何よりも重要な要素なので、このカードの登場により劇的にデッキの爆発力、安定性が増したといっても過言ではありません。

起動も好きなタイミングで出来るので、サイド後はいったん墓地対策を使わせてからこれを用いて再度発掘を開始する、といった動きもよく見ますね。


 

 

《秘蔵の縫合体/Prized Amalgam》
秘蔵の縫合体

前述した《傲慢な新生子》はあくまで潤滑油的な立ち位置のカードでしたが、こちらは「ドレッジ」というアーキタイプのデッキパワーを一気に押し上げることになったカードです。

発掘の落ち方によっては1ターン目の終了時から2体以上場に出ることもあり、モダンというゲームスピードの速い環境でも非常に強い動きを持つことが出来るようになりました。

現在のモダン環境は《流刑への道》のようなゲームから取り除く除去よりも《稲妻》のようなカードを多く見るので、何度も墓地から蘇ってくるこのカードは環境にも非常にマッチしていると言えるでしょう。

この手のカードにありがちなブロック不可能などの制限も特に無いのもポイント高いですね。

 

 

上記2枚を得たことによって強化された「ドレッジ」ですがさらに研究が進みリストが更新されていくにつれ、モダンならではのサポートカード達が採用されるようになりました。


 

 

《壌土からの生命/Life from the Loam》
壌土からの生命

発掘3と、ライブラリーを掘り起こすカードとしては少々心許ない数字ですが、墓地にある土地を3枚手に入れることが出来るので、確実に《恐血鬼》を場に戻すことが出来るようになります。

ある程度場が固まるとこのカードを発掘してひたすら相手のブロッカーよりも多い数の《恐血鬼》と《秘蔵の縫合体》が玉砕覚悟で突っ込んでいき、また場に戻ってくる...そんな地獄のような光景をよく見ます(笑)

またこのカードによって土地が伸び、後半《ゴルガリの墓トロール》を普通にプレイ出来るようになるので、長期戦にも対応出来るようになりました。


 

 

《燃焼/Conflagrate》
燃焼

古くはエクステンデッドの《むかつき》デッキでフィニッシュ手段として採用されていましたが、このデッキではハンドを捨てながら場に干渉出来るカードとして怒涛の活躍を見せます。

後半は前述した《壌土からの生命》によって手札を増やし、最後のひと押しとしての本体火力としても使えるので、いつ墓地にあっても強いカードです。

またX=0としてあらかじめプレイしておくことによって容易に墓地に落とすことが出来るため、初手にあっても問題無いのも良いですね。

 

 
モダンはメインから入りうる墓地に干渉出来るカードが《漁る軟泥》と一部のデッキの《大祖始の遺産》くらいなので、メイン戦はほぼ最強といっても過言ではありません。

重要なのはサイド後なので、サイドボードに採用されている物の中で注目カードにも触れておきましょう。


 

 

《暗黒破/Darkblast》
暗黒破

「感染」やカンパニー系、「ソウルシスターズ」など細かい生物を主体としたデッキがモダンには多く存在するので、それらに対して繰り返し使える除去として採用されています。


 

 

《自然の要求/Nature's Claim》
自然の要求

墓地対策である《安らかなる眠り》や《墓掘りの檻》に対抗するために4枚採用されています。

モダンはアーティファクトを使用するデッキが多いので《古えの遺恨》を採用しているレシピも多いですが、《墓掘りの檻》を相手にする場合は初手に無いと意味がないですし、「ドレッジ」の隆盛により《虚空の力線》なども見るようになってきたので、最近はこちらが優先されているように思います。

 

 
他にもミラーマッチで最強の《虚空の力線》やバーンデッキ用の《骨までの齧りつき》などが採用されていますが、サイドボードはメタによって変えることが出来るのでこのくらいにしておきます。


 

 

虚空の力線神々の憤怒

以上がモダン版ドレッジの一般的なレシピになりますが、ここ最近はモダンプレイヤー全体の研究が進んで墓地対策が増えてきたり、《恐血鬼》や《秘蔵の縫合体》をまとめて処理するために《神々の憤怒》などが採用されるようになってきたので、それらにさらに対抗するために「ドレッジ」側も変化してきています。


 

 

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最初に紹介したレシピとの一番の違いは《黄泉からの橋》と《大いなるガルガドン》の採用です。

《黄泉からの橋/Bridge from Below》
黄泉からの橋

元祖「ドレッジ」と言えばこのカード。

墓地にあることでクリーチャーが死亡するたびにゾンビを展開することが出来ます。

最初のレシピでは能動的にクリーチャーを場から墓地に落とすことが出来なかったので採用は見送られていましたが、《大いなるガルガドン》を採用したことにより任意のタイミングで生物を墓地に送ることが出来るようになったので合わせて採用されています。


 

 

《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》
大いなるガルガドン

古くから「ガルガドン・バランス」や「ジョイタイム」などのデッキで使用されてきたクリーチャーです。

《恐血鬼》や《秘蔵の縫合体》を《神々の憤怒》から守るためには「一度墓地に落としてしまおう」という発想から採用されています。

前述した《黄泉からの橋》とのシナジーもありますし、本体は墓地対策に関係無いので相手からすると相当厄介なカードでしょう。


 

 

サイドボードにも『異界月』から注目の新カードが採用されています。


 

《集団的蛮行/Collective Brutality》
集団的蛮行

「ドレッジ」があまり相性の良くなかった「バーン」デッキ系の相性を1枚でひっくり返すカードです。カードを②枚捨てることが出来てなおかつ相手の生物を除去して相手にハンデスして2点ドレインとめちゃくちゃです。こちらのレシピでは1枚に抑えられていますが、枚数を増やしても良いようなカードだと思います。


 

 

最初のレシピと比較すると《神々の憤怒》などに耐性がついた代わりに墓地に依存する《黄泉からの橋》が増えたので、相手の墓地対策自体には刺さるようになったのかなという部分と、《壌土からの生命》などが採用されていないので若干長期戦向けでは無くなったのかなという印象です。

どちらにも良い部分悪い部分があるので、メタや好みに合わせて調整してみてください!


 

というわけで今回はモダン版「ドレッジ」についてでした!

デッキパワーは間違いなくモダンでもトップクラスなのでデッキ選択に迷ってる人はぜひ一度回してみてください!


 

次回はこのモダン版を踏まえた上でレガシー版の「ドレッジ」を紹介していこうと思います!!
それではまた次回!!