Browse the Deck Vol.17 「モダンとレガシーに同時にデビューをするのなら(後半:レガシー版ドレッジ)」
タグ:Browse the Deck!, MTG, くーやん, デッキリスト, デッキ紹介, モダン, レガシー, 日下部恭平, 読み物どうもどうも~前回を見ていない方はぜひ前半にも目を通してから読んでいただければと思います。
今回はモダン版を組んだ方はそのまますんなりレガシー版にも移行出来るぞ!ということだったので、それではそれを踏まえてレガシー版の「ドレッジ」を見ていきましょう。
これを見て最初に抱いたイメージは「いやいや確かに大部分がモダンから流用出来るけど、《ライオンの瞳のダイアモンド》入ってるやん!!??流石に高いんやが!!???」
だと思います(笑)
そうなるだろうと思ってもあえて紹介しましたが...こちらがレガシープレイヤーのイメージする一般的な「ドレッジ」デッキとほぼ同じ構成ということは間違い無いです。
「え・・・じゃあ流石にレガシー参入は難しいやん・・・」と思ったあなた!
実は今、レガシーで勝っているタイプのドレッジは高額カードである《ライオンの瞳のダイアモンド》を使用していない、ということはご存知ですか?
前回の記事を参考にモダン版を組んだ方にお勧めしたい構成はこちらのタイプになります!
なんとデッキに土地0枚!
「マナレス・ドレッジ/Manaless Dredge」というアーキタイプです。
恐らく《ライオンの瞳のダイモンド》1枚分以下のお値段でモダン版をレガシー版にアップデート出来ます。
同じ「ドレッジ」でも差があるんだな...といっても、デッキのお値段=強さとは必ずしも言えないのがマジックだということは皆さんお分かりの通りかと思います。
最初に紹介したレシピと比べても、この「マナレス・ドレッジ」は遜色ないデッキパワーを持っていますので、こちらをぜひ回してみて欲しいですね。
モダン版とくらべても、発掘持ちカードで墓地に大量にカードを落としそれらで早いターンに勝ちにいくのを目指すというのは変わりません。
一度発掘が始まると土地0枚で構成されているとは思えないほどの爆発力を持っているので、レシピから想像出来ないかもしれませんが2ターン目に相手を倒すことも出来ます。
発掘を始めるためにディスカードする手段が「手札を8枚以上にしてターンを終了し、ディスカードする」以外にないので、先手後手を決めるダイスに勝つと必ず後手を選ぶという特徴があります。
それではパーツごとに見ていきましょう!
発掘持ちカード
モダン版と同じく重要な発掘持ちカードです。発掘出来る数が多いカードから順番に多い枚数採用されています。
墓地から戦場に出てくるカード
モダン版と比べて土地が採用されていないので、《恐血鬼》が抜けた代わりに2種類のカードが採用されています。
《冥界の影/Nether Shadow》
マジック最古のセットアルファから存在する、条件を満たすとアップキープに墓地から場に出てくるクリーチャーです。
古いカードですが『第5版』まで再録され続けたので、比較的お安く買えるカードになっております。
レガシーはルールで墓地の順番を入れ替えることは禁止されておりますが、デッキの構成上簡単にこのカードの帰還条件を満たすことが出来るので、特に意識しなくても運用出来ます。
本体は1/1と貧弱なので、基本的にはこれ単体で殴る用ではなく《陰謀団式療法》や《戦慄の復活》のコスト用・《秘蔵の縫合体》の条件を満たす用のカードとしてとして採用されています。
《イチョリッド/Ichorid》
こちらは古くからレガシーのドレッジを支えてきたカードです。
『エターナルマスターズ』で再録されましたので、こちらもお安く手に入れることが出来ます。
墓地から戻ってくる条件も容易に達成出来ますし、3/1速攻という殴るのに良いサイズです。ターン終了時に勝手に墓地に落ちて《黄泉からの橋》でゾンビが出てくるのも良いところですね。
基本的にはレガシーの「ドレッジ」は上記の発掘持ちと墓地から戻ってくる生物に《黄泉からの橋》を加えることによって成り立っていますが、脇を固める妨害カードやサポートカード、フィニッシャーを見ていきましょう。
《変幻影魔/Phantasmagorian》
墓地にある時に手札からカードを3枚捨てることによって手札に返ってくる能力を持っているカードです。
一度墓地に置く必要こそありますが、3枚のカードはこの能力のコストで捨てるので、各種打消し呪文で妨害されることもなく、マナを使わずに3枚も捨てられるので非常に重要なサポートカードです。
手札が6枚以上あるならば、1回目の能力を解決する前にさらにもう一度能力を起動することで、合計6枚手札を捨てることが出来るのは覚えておくべきテクニックです。
《欄干のスパイ/Balustrade Spy》
土地が1枚も入っていないため《戦慄の復活》で釣り上げて誘発型能力の対象を自分にすれば、デッキすべてを墓地に送ることが出来ます。
そのまま勝つことももちろん出来るので、スキがあれば釣り上げたい生物です。
《炎の血族の盲信者/Flame-Kin Zealot》
フィニッシャーその1
レガシーの「ドレッジ」では定番のフィニッシャーです。
例えばですが《黄泉からの橋》が2枚墓地にある状態でトークン以外の生物を3体生贄に捧げて《戦慄の復活》を唱えてこいつを墓地から出すと、まず2/2のゾンビトークンが6体出てそれらと自身に速攻と+1/+1修正が入ります。自身を含めて21点で勝ちです。
というように、いきなり打点を上げながら全体に速攻を与えられるカードはこいつくらいしかいないので、古くから採用され続けています。
《憎悪縛りの剥ぎ取り/Flayer of the Hatebound》
フィニッシャーその2
《罠の橋》や《プロパガンダ》系のエンチャントを張られて戦闘で相手を倒すことが難しそうな場合は、こいつの出番です。
墓地から巨大な《ゴルガリの墓トロール》を釣って、一撃で相手を倒すことが出来ます。
リムーブ除去には弱いですが、自身の不死能力により《稲妻》には一発耐性があるのも強みですね。
いざという時はクリーチャー除去にもなってくれます。
《通りの悪霊/Street Wraith》
《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
どちらもほとんどカードを引くためだけの目的で採用されています。
とは言っても《通りの悪霊》は《イチョリッド》のコストになりますし、もしかしたら《沼》を渡るために釣ることがあるかもしれません(笑)
《ギタクシア派の調査》も定番の《陰謀団式療法》との組み合わせがあるので、なくてはならない存在ですね。
《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
クリーチャーを生け贄に捧げることが出来てなおかつ相手の脅威を取り除けるかもしれないカードです。
使うときは、明確に落としたい物をイメージして《思考囲い》を撃つつもりでプレイしましょう。
《戦慄の復活/Dread Return》
基本的にはフィニッシャーや《欄干のスパイ》を墓地から場に出すためのカードですが、状況に応じて対象が変わるためどういった状況でどれを場に戻すのかは反復練習して身につけておきましょう。
それこそ極端な話ですが、状況によっては《イチョリッド》を対象にとることもあります。
以上が「マナレス・ドレッジ」のメインカードになります。
各々のカードがシナジーしあっていて、一人回しで研究のし甲斐があるデッキだと思うのでぜひ回してみて下さい。
「サイド後墓地対策で地獄なんでしょう?マナが使えないから何も対策出来ないんじゃぁ・・・」と思ったあなた・・・地獄には違いありませんが(笑)レガシーのカードプールは広大なので、マナを使わずに相手の対抗策に対抗出来るカードがいくつかあります!
というわけでサイドボードも紹介していきますね!
《不快な群れ/Sickening Shoal》
《Contagion》
どちらもスタンダードやエクステンデッド等で過去に活躍したカードですね。
《封じ込める僧侶》や《死儀礼のシャーマン》などの厄介な生物をマナを支払うことなく処理出来る上に、そのほかの生物主体のデッキにインすることが出来るため合計8枚体制になっております。
《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》
「ANT」や「ベルチャー」などの自分より早い、あるいは同スピードのデッキに対してのサイドカードです。
《別館の大長/Chancellor of the Annex》
相手がどんな対策カードを持っていても、これさえゲーム前に公開しておけばほぼ確実に1ターン遅らせることが出来ます!
その1ターンで場を作り上げたり《陰謀団式療法》に繋いだり出来るかもしれないので、サイド後はどんなデッキ相手でもほぼ確実にインします。
というわけで、マナを払わずとも相手の対策に対しての回答はあります!
ぜひこの尖りまくった「マナレス・ドレッジ」を組んで回してみてください!
ただしたった1枚だけ本当にどうしようもないカードはあります。
《虚空の力線/Leyline of the Void》
まぁレガシー環境でそこまで貼られることは無いので、出されたら運が悪かったくらいに思ってあきらめましょう!これの上から勝つ手段はありません(笑)
ということで後編もこの辺で終了です!
モダンとレガシーに同時にデビューしたい、あるいはどちらかのデッキを持っている人はぜひとも「ドレッジ」で二つのフォーマットを股に掛けてみてください!
それではまた次回お会いしましょう!
Let's Dredge!