残忍なクルショク/Feral Krushok
タグ:Card of the Day, Feral Krushok, MTGシングル, 残忍なクルショク, 運命再編Card of the Day -今日の1枚- 2016/09/16
残忍なクルショク/Feral Krushok
「クルショク」とかいう固有名詞がいきなり出てくるのがマジックの魅力だ。ベイロス、ガルガドンなどマジックの獣に与えられた固有名詞は独特の響きで、口にすると楽しくなってくる。クルショクはタルキール次元にて登場した大型の獣だ。巨体にゴツゴツとした表皮、鼻先に巨大な角を持ち...一見、我々の次元に住むサイにも見えるのだが...このタルキールには皆さんご存知《包囲サイ》も生息しており、呼び分けられているということでこれらは完全に別種である。クルショクは砂漠地帯から凍土まで広く生息している。主にティムール境の領土に多くの個体が確認されるようで(異なった歴史ではアタルカ氏族の領土になるが、ここではややこしいのでまとめてティムールで)、彼らの生活との関わりも深い。クルショクを手なづけてそりを引かせたり、あるいは狩猟して食することもあるようだ。確かに肉はしっかりとついているようで、大型の個体であればあの龍王の中で最も腹減りなアタルカの飢えをしばらくの間満たすことが出来ると言われている。アブザンやマルドゥでもこれを家畜として育てているようで、主に戦争に用いているようだ。
そんなクルショクをカード化したものの中で、最もシンプルなのがこの1枚。《残忍なクルショク》は《針刺しワーム》の同型再販で、5マナ5/4の能力なし、所謂バニラだ。バニラと言えども上品なものは最高に美味しいのと同じく、《針刺しワーム》もこれが収録されたリミテッドではサイズに物を言わせて暴れまわったものである。では同じスぺックのクルショクはどうかというと、これも『運命再編』のドラフトではなかなかな打撃力の持ち主として活躍。ティムールのメカニズムは"獰猛"、パワー4以上のクリーチャーをコントロールしていればボーナスを得られるカードが多数存在するので、何の細工もなしでシングルシンボルで召喚できるクルショクは頼りになる5マナ域だった。
プロツアーでも、これに《ティムールの激闘》《強大化》などを絡めて、マーティン・ミュラーがズヴィ・モーショヴィッツのライフを一撃で削り切るシーンがあった。マーティン怒りの三部作、未視聴の人は今すぐニコニコへ!
フレイバーテキストでは、ヤソヴァがこのクルショクの繁殖地をスゥルタイに寄贈するというエピソードが書かれている。この地を貰ったスゥルタイ群の面々も、繁殖でピリピリしているクルショクの群れには手が出せず、実質的に何の得も得られることは無かっただろう。恩だけ売りつけて損はなし、こんなクールな外交が出来るリーダーがいると頼もしいだろうなぁ。