BIGs 人見将亮「みっくすは親和についてかく語りき」
タグ:BIGs, みっくすはかく語りき, モダン, 人見将亮, 親和, 読み物どうも、みっくすです。前回から少し間が空きましたがお陰様で第2回!今回もデッキの概略からマリガン基準など駆け足気味に語っていきます。今回は、僕がマジックの大会に出始めたころから存在する「親和」ですが「親和」の思い出を語りだすと僕は非常に鬱陶しいうえに長くなりますので早速、説明に移りましょう。
【親和とは】
・初手依存度の高いオールインビートダウン・0~3マナまでのアーティファクトクリーチャーを28枚前後採用で除去は2~4枚のみ ・「親和」対策の専用サイドカードがどのデッキにも採用されておりサイド後は常に向かい風 ・基本的にモダンの大会にでれば絶対対策されており過剰にサイドを用意するプレイヤーが少なくない ・スピードによりメインボード戦では有利に立ち回れる相手は多い
以上が「親和」の特徴です。ちょっとネガティブな面が多く出てしまいましたがご安心を。次は「親和」の強みを紹介します。
1.《バネ葉の太鼓》、《オパールのモックス》によるマナ加速で先手後手を入れ替えることが可能
2.全色から優良なサイドカードを採用している
3.《頭蓋囲い》&《電結の荒廃者》で「点」《鋼の監視者》、《信号の邪魔者》による「面」での受けづらい攻撃手段を持つ
4.クリーチャーの大半が回避能力持ち
特に1は重要項目です。みなさんも一度は「モダンは先手ゲーすぎる」と言ったこと言われたこと、聞いたことがあるとおもいます。
そういう側面が無いわけではないのですが、それも「親和」なら多少緩和できるわけです。
「いやいや、それは《極楽鳥》でも同じだし言うほどのことでもない」と言われることもありますが、次に説明する部分がポイントです。
・序盤はマナ加速として使用した《バネ葉の太鼓》、超軽量クリーチャーは《電結の荒廃者》の燃料になる
・同じく太鼓やクリーチャー達は《頭蓋囲い》の打点UPに寄与
加速に使用したカードたちはそこでお役御免ではなく、自然とリサイクルが可能!
「デッキ全体で戦う、無駄になるカードが1枚もない」これが《極楽鳥》などのマナクリーチャーと違うところで、意識しづらい「親和」最大の強みです。
【キープorマリガン】
「親和」のキープは超単純。 とくに相手が何のデッキか不明な1本目でチェックするところは2つだけです。
1.2ターン目に2マナ出るか。
2.《電結の荒廃者》《頭蓋囲い》《刻まれた勇者》《エーテリウムの達人》《鋼の監視者》のパワーカードはあるか。
土地2枚が無くても、土地1《バネ葉の太鼓》1や《オパールのモックス》の金属術が2ターン目に達成できる手札などもキープしてOKです。
もちろん土地5、《バネ葉の太鼓》、メムナイトのような手札はマリガンしますがそのへんは普通のMTGを行ってください。
また、1マリガン後は基準を緩めて2ターン目に2マナでない可能性があってもキープします。
【親和のセオリー】
《バネ葉の太鼓》は1マナクリーチャーより優先して1ターン目にプレイする 役に立つまでワンクッション必要な《鋼の監視者》を最序盤では《電結の荒廃者》より優先してプレイする 《オパールのモックス》を1ターン目にプレイする場合、決してクリーチャーをモックスより先に出さない 上記3つのセオリーは「より効率よく動く」「スタック除去で妨害されないようにする」ためのものなので納得行かない場合でもこのセオリーは信じてください(笑)
「親和」はゲームが長引けば長引くほど不利です。自分に与えられたターンは5ターンだとおもってプレイしてみると最大効率を出す練習にもなります。また相手に《謎めいた命令》のタップモードを使用された場合、その後に《ちらつき蛾の生息地》と《墨蛾の生息地)を起動するタイミングがあることは覚えておきましょう。
【親和の有利不利】
あくまでも僕の主観ですが、それなりに数はこなしたので大ハズレは無いと思います。
『有利』
マーフォーク
トロン
SCZ
グリクシスデルバー
グリクシスコントロール
ストーム
ランタンコントロール
護符スカウトコンボ
『不利』
発掘
ソウルシスターズ
感染
ジャンド
アドグレイス
赤緑ブリーチコンボ
トリコナヒリ
トリコ昇天
白黒トークン
ここに挙がらなかったデッキとのマッチアップは相手のアンチ「親和」カード採用枚数によって変動したりしますが、体感では五分程度です。 この中で「発掘」は一番相性が悪くマーフォークが一番相性の良い相手です。 主要デッキ相手のサイドボーディングを下記に用意しました。前回の「バーン」特集の時にミラーマッチ用のインアウトを記載しておらず何度か質問を頂いたので今回はまずミラーマッチから解説します。 今回使用するサンプルリストはサイドボードをかなり手広く作ってみました。相手に使われる可能性のあるサイドカードも少しですが併記しています。
※画像をクリックすると、MOで使用できるテキストデータをダウンロードできます。
「親和」
out:4《信号の邪魔者》、2《刻まれた勇者》
in:2《古えの遺恨》、1《ギラプールの霊気格子》、1《四肢切断》、1《摩耗/損耗》、1《呪文滑り》
《信号の邪魔者》は相手のスカージや蛾土地に対して攻めも守ることもないトンデモカードになってしまうので抜きます。
サイドを多く取っている場合は《エーテリウムの達人》を止めることしかしない《刻まれた勇者》も抜いて構いません。
相手の予想サイドカード:《古えの遺恨》、《ギラプールの霊気格子》、《四肢切断》
「バーン」
out:4《信号の邪魔者》、3《メムナイト》
in:2《鞭打ち炎》、1《呪文滑り》、1《呪文貫き》、2《刻まれた勇者》、1《摩耗/損耗》
このマッチアップは相手側がどれだけサイドを用意しているかで有利不利が決まります。《石のような静寂》はあきらめるとして、相手に1対1交換の除去であればガンガンクリーチャーに撃ってもらい、どこかで1回《頭蓋囲い》付きクリーチャーでのアタックを通すと楽になります。《呪文貫き》は撃てるタイミングがあればすぐに撃ってかまいません。《摩耗/損耗》は《石のような静寂》を破壊できずとも《大歓楽の幻霊》をやれることを忘れないように。
相手の予想サイドカード:《流刑への道》、《跳ね返す掌》、《粉々》、《破壊的な享楽》、《石のような静寂》
「感染」
out:4《信号の邪魔者》、3《メムナイト》、2《刻まれた勇者》
in:1《呪文貫き》、1《呪文滑り》、2《鞭打ち炎》、1《思考囲い》、1《四肢切断》、2《古えの遺恨》、1《ギラプールの霊気格子》
勝つときはロングゲーム、負けるときは一瞬のマッチアップ。 《信号の邪魔者》と《刻まれた勇者》は相手の《墨蛾の生息地》に対してあまりにも無力なので抜きます。相手が身動きをとれない間にタコ殴りにするイメージです。《血染めの月》を採用している場合はそれもサイドインします。
相手の予想サイドカード:《自然の要求》、《ヴィリジアンの堕落者》、《呪文滑り》、《よじれた映像》
「発掘」
out:2《エーテリウムの達人》、3《感電破》、4《信号の邪魔者》
in:2《刻まれた勇者》、2《鞭打ち炎》、1《呪文貫き》、2《トーモッドの墓所》、1《墓掘りの檻》、1《呪文滑り》
《鞭打ち炎》はかなり限定的な使用方法になりますが、《ナルコメーバ》と《臭い草のインプ》対策。《トーモッドの墓所》はアーティファクト破壊カードをたくさんサイドインする「発掘」相手に割られない墓地対策として最高の一枚。本当は《トーモッドの墓所》を3枚採用したいところですが、《墓掘りの檻》も効果的な相手が少数ですが存在するのでグっと我慢。このマッチアップは明確に「親和」側が不利ですが、2ターン目に《刻まれた勇者》さえプレイできればチャンスはあります。
相手の予想サイドカード:《古えの遺恨》、《自然の要求》、《突然の衰微》、《暗黒破》、《仕組まれた爆薬》
「バントエルドラージ」
out:2《刻まれた勇者》、3《メムナイト》
in:2《ギラプールの霊気格子》、1《四肢切断》、1《思考囲い》、1《摩耗/損耗》
エルドラージ達に何一つ抵抗できないクリーチャー達をサイドアウトし、除去をサイドイン。マナクリーチャーを除去したくても《鞭打ち炎》はとんでもない死に札になってしまいますので絶対に入れないように。
相手の予想サイドカード:《崇拝》、《石のような静寂》、《仕組まれた爆薬》、《引き裂く突風》
「SCZ」
先手out:3《メムナイト》、2《エーテリウムの達人》、1《鋼の監視者》
in:2《刻まれた勇者》、1《四肢切断》、1《呪文滑り》、1《思考囲い》、1《呪文貫き》
後手out:2《エーテリウムの達人》、4《鋼の監視者》
in:2《刻まれた勇者》、1《四肢切断》、1《呪文滑り》、1《思考囲い》、1《呪文貫き》
後手番では0マナクリーチャー&《バネ葉の太鼓》or《オパールのモックス》による高速《頭蓋囲い》アタックか《刻まれた勇者》展開が勝ち筋。《鋼の監視者》は除去されやすいうえにタイムラグがあるので全部サイドアウト。 《感電破》は《野生のナカティル》などに撃ちたい気持ちを抑えて最後のとどめにとっておくゲームプランは一番勝率が良かったと感じます。
相手の予想サイドカード:(ほぼすべて1枚ずつで)《ファイレクシアの非生》、《古えの遺恨》、《突然の衰微》、《自然のままに》、《流刑への道》、《紅蓮地獄》
「ジャンド」
out:3《メムナイト》、2《エーテリウムの達人》
in:1《呪文滑り》、1《思考囲い》、1《呪文貫き》、2《刻まれた勇者》
過去の対ジャンドでは《感電破》はサイドアウトしていましたが現在は《残忍な剥ぎ取り》、《漁る軟泥》、《タルモゴイフ》、《闇の腹心》、《ゲトの裏切り者、カリタス》と除去したいクリーチャーだらけなので残します。ゲームプランとして特筆すべき点は少ないですが、《電結の荒廃者》を守ろうと多くのパーマネントを生け贄にしても相手には大量の除去が入っており基本的に裏目を引くので素直に倒されるほうが無難です。
相手の予想サイドカード:《粉砕の嵐》、《コラガンの命令》、《古えの遺恨》、《大爆発の魔道士》、《ジャンドの魔除け》、《魂の裏切りの夜》、《滅び》、《ゴルガリの魔除け》、《仕組まれた爆薬》、《渋面の溶岩使い》
「ナヒリトリコ」
out:4《羽ばたき飛行機械》、3《感電破》
in:1《呪文滑り》、1《思考囲い》、1《呪文貫き》、2《刻まれた勇者》、1《摩耗/損耗》、1《墓掘りの檻》
昔のトリココンには《電解》が多く採用されていましたが、現在は1枚のリストが主流で、どうあがいても不利なので相手が全体除去と《石のような静寂》を引かないことに賭けます。全体除去を撃たれる前のターンに《電結の荒廃者》ですべて生け贄にささげ、《墨蛾の生息地》へ全力で+1/+1カウンターを乗せていると勝てることもあります。非常にリスキーなプレイですがじわじわ負けるのと圧敗することに差はありません。
《墓掘りの檻》はお守り程度です。
相手の予想サイドカード:《機を見た援軍》、《イゼットの静電術師》、《石のような静寂》、《神々の憤怒》、《仕組まれた爆薬》、《至高の評決》
【How to play】
最後は実際に僕がプレイしたマジックオンラインのゲームのリプレイです。前回のバーンと違い、今回は僕のしたミスに気付く。という問題ですので正解がちゃんとあります。ゲームそのものには勝利していますがミスは僕が気づいているだけで3個所。 それではまず全体の流れから見ていきましょう。「グリクシスデルバー」とのメインボード、こちらが後手の一戦。画像が多く長くなってしまいますがシーンごとに切り取ったのでご容赦ください。前半後半でゲームの流れもテキストで記載しています。 ざっと画像をみて流れも確認した後は1分で全体を思考してミスを発見してみてください。お恥ずかしい限りですがかなり簡単かつ凡ミスなのですぐ終わると思います。
正解発表
以上、3つのミスをお楽しみいただけましたでしょうか・・・
勝ったゲームでもこれだけミスしているということは普段どれだけ恵まれたドローをミスで台無しにしているのだろう...と考えてしまいますね。
今回はろくでもない下手すぎミスとなってしまいましたが、「親和」は攻撃できる回数と有利に進めることができるターンが限られているので、最序盤から《電結の荒廃者》で積極的な生け贄が必須だと僕は考えています。
故に今回のような事案も頻発してしまいますが「反省すれば次につながる」ということで、一つご容赦(笑)
終わりに
「親和」回、いかがだったでしょうか。 「自分のミスを他人に探して貰う」という、個人手的にはなかなか辛い回でしたが...長い説明と多数の画像にお付き合い頂きかつ楽しんで頂けたなら、晒した甲斐があります。次回は...「バントエルドラージ」か「赤緑タイタンブリーチ」の回にしたいな~と思ってはいますが、もしリクエストの声があれば他のデッキ編も実現するかもしれません。 最後まで読んでくれて本当にありがとうございました。
それじゃ、ばいばいっ!