【BMO Vol.8】BIG MAGIC Invitational vol.2 Round 2 工藤 拓紀(Bookながしま) vs 山田 拓也(カードショップはま屋松本店)

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BMInvi Vol.2 Round 2 工藤 拓紀(Bookながしま) vs 山田 拓也(カードショップはま屋松本店)


Text by 森安 元希

8月に開催された"プロツアー『カラデシュ』地域予選"にて前日予選を勝ち出場権利を取り、そのまま地域予選のベスト8にまで駒を進めたプレイヤーがいた。
山田 拓也だ。
惜しくもシングルエリミネーションでの1勝が遠くプロツアー『カラデシュ』へは手が届かなったが、プロツアー参加権利の付与されたBMInviへ雪辱を果たしにきた。

対する工藤 拓紀も地元群馬ではプロツアー予備予選などに参加する競技マジックに親しむプレイヤーのようだ。

"完全招待制"のBMInviはBMIQを含めた予選に相当する大会を勝ち抜けた者しか参加しておらず、全員が強豪だ。
参加者数54人。誰が勝ち進んでもおかしくない。

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Game 1


先手番の工藤、2T目《導路の召使い》のマナ加速スタートから《最後の望み、リリアナ》。
4T目には《地下墓地の選別者》と続けて、マナ運搬には支障ない。
デッキタイプ『緑黒昂揚』だ。
《墓後家蜘蛛、イシュカナ》を中心に、軽いマナ帯から重めのマナ域まで万弁なく採用しているクリーチャー主体のミッドレンジ。
《最後の望み、リリアナ》と《闇の掌握》の2種類の除去が効く相手には、かなりの強みを見せる。


山田も《スレイベンの検査官》から《反射魔道士》で《導路の召使い》を押し戻していく。
《最後の望み、リリアナ》のプラス能力で落ちる生物はいないのが幸いだ。
そのまま4T目《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》につなげ、お互い攻めにくい盤面だ。

山田が選んだ『青白フラッシュ』はプロツアー『カラデシュ』にて成績をハッキリと残している。
現スタンダード最強の一角にも数えられるデッキタイプだが、除去が効き、《墓後家蜘蛛、イシュカナ》でシャットアウトされやすく、緑黒昂揚は苦手な相手の1つだ。
それでも《大天使アヴァシン》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》など一方的に攻め立てうるカードもある。


後手4T目に《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を出した地点で山田はまだ《最後の望み、リリアナ》に触れていない。
火力や破壊のない青白カラーではコンバットで落とすしかなく、《最後の望み、リリアナ》が生きている限りは山田側が戦闘で若干の不利を押し付けられる。

それを承知している工藤は《導路の召使い》2体目、《残忍な剥ぎ取り》を追加して地上を固め、有利を確実なものにしていく。
この返しでようやく《密輸人の回転翼機》という航空戦力にたどり着いた山田。
固い地上を押しのけて、デッキを回していけるか―...

しかし工藤も《新緑の機械巨人》を展開。
固い地上の勢力は巨大な攻撃力と変換されて、ブロッカーたちを突き抜けてくる。
6/6トランプルへと成長した《残忍な剥ぎ取り》が忠誠値5の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を狙う。

山田は《最後の望み、リリアナ》のプラスを受け矮小化した《反射魔道士》をブロックに回しダメージを軽減させる。
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の忠誠値を1残す予定だったが、工藤が《顕在的防御》のサイズ修正を合わせて突き破った。

《石の宣告》で《残忍な剥ぎ取り》を落とすものの、2枚目の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》はトークンを生んですぐに落とされる。
更には工藤側から《密輸人の回転翼機》《ゲトの裏切り者、カリタス》と追加される。

山田も《無私の霊魂》を展開するものの、《ゲトの裏切り者、カリタス》が強烈に山田の動きを制限している。
特に、唯一の逆転手ともいえるセットランド済みの《ウェストヴェイルの修道院》の変身が難しくなっていた。
変身させて絆魂同士のダメージレースを作り上げるかどうか。

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工藤 拓紀


加えて、工藤が3T目に出した《最後の望み、リリアナ》はいまだ戦場に顕在で、機能し続けている。
やがて《墓後家蜘蛛、イシュカナ》もトークンを従えて登場し、3方向からのプレッシャーに遂に耐えきれず動いた。

山田はほぼ全ての自陣を犠牲に《ウェストヴェイルの修道院》を変身させ《不敬の皇子、オーメンダール》アタックでライフを確保する。
しかしながら変身と同時に沸いたゾンビたちを含めた工藤の総アタックを受けきれるほど、山田のライフは戻っていなかった。

工藤 1-0 山田

 


Game 2

山田の《密輸人の回転翼機》からゲームがスタート。
しかし続く3T目、生物を出さずに戦場はおだやかだ。

後手3T目にして工藤側に動きはなく、
次の動きは山田の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》だ。
「トークン出します」―...山田の宣言にスタックし、工藤が《餌食》を唱える。

未だ搭乗できない《密輸人の回転翼機》と《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》しか盤面に出ていない山田は、
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を諦めざるをえない。

しかしこの後、2回《導路の召使い》出して、2回《反射魔道士》される工藤は、このギデオンが遺したトークンに苦しめられる。

大分ライフを減らしたなか、6マナから《闇の掌握》を構えて《ゲトの裏切り者、カリタス》を着地させ巻き返したい工藤。

これを考え、3マナ立っている状態から《停滞の罠》と《呪文捕らえ》を持つ山田はリアクションを悩んだが、
ターンをもらい、6マナの状態から《停滞の罠》をメインでプレイし《ゲトの裏切り者、カリタス》を対象とした。

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山田 拓也

もちろんこれに《闇の掌握》を合わせてゾンビを生み出して盤面を守りたい工藤だが、
これを《呪文捕らえ》して、完封とした。

工藤 1-1 山田


 

Game 3

1,2Tで《節くれ木のドライアド》《残忍な剥ぎ取り》と、初めてテンポ良く動き出す工藤。
対する山田は後手2T目までに土地以外のパーマネントは何も出ていない。

《残忍な剥ぎ取り》の攻撃で《新緑の機械巨人》《墓後家蜘蛛、イシュカナ》《沼》を落とす。
《ウルヴェンワルド横断》を唱えて、ほぼ最速の昂揚達成だ。

昂揚によって3/3と4/4に急成長を遂げた工藤の2体のクリーチャーが、驚くほど速やかに山田のライフを奪いきった。


工藤 2-1 山田

工藤Win!


『緑黒昂揚』対『青白フラッシュ』。
結果を観れば下馬評通りに『緑黒昂揚』の勝利となったが、Game 1は互いに選択肢が多くどう転ぶか分からなかった。


感想戦にてGame 1の場面を切り取り取捨選択を後悔する様子も見せる山田だったが、工藤もまた自らの動きに反省点があったとしている。
こうして、勝った者も負けた者も切磋琢磨し成長していく。
その成長の先には、プロツアーがあると信じて―...