バルデュヴィアの霜覚師/Balduvian Frostwaker

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Card of the Day -今日の1枚- 2016/11/10

バルデュヴィアの霜覚師/Balduvian Frostwaker

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バルデュヴィアという国はなかなかに面白い。『アイスエイジ』の舞台となった氷河期のテリシア大陸に存在した人間とオークからなる国家だ。"バルデュヴィアのステップ"なる地を住処とし、狩猟放牧生活を送っている。オーロクスと小型の恐竜(《Pygmy Allosaurus》)を飼育し、カリブーやクマなどを狩って生活している。国民が皆、武器を手に取り戦う戦士である、というのがこの国家の特徴で、故に軍隊が常備されていない。この戦士団はここの戦闘力は高いのだが、組織的な戦争を不得手とする。所謂脳みそ筋肉ってやつだね。隣国キィェルドーのような都市国家に住まう人間を見下し、長年対立していたが、リム=ドゥールの軍勢と戦う際には同盟を結んだ。

 

バルデュヴィア人は皆、厳しい自然環境の中で生活しており、カープルーザンの山脈近隣に住まう人々も存在する。この過酷な極寒の地を生き抜くことが、彼らに自信を与えている。この地を生き延びるために必要なのは、屈強な肉体...のみではない。雪積り霜で覆われた大地さえも味方にする、高い魔力もまたサバイバルを可能とする。バルデュヴィア人の宗教は主に精霊信仰だ。大地の精霊との感応を行えるシャーマンの地位は高いものだったようで...そんな大地に根付く力を具現化させる能力を持った者をクリーチャー化したカードを今日は紹介しよう(シャーマンじゃなくウィザードだけど)。

 

《バルデュヴィアの霜覚師》は一風変わった能力を持つ。3マナ2/2、青1マナとタップで氷雪土地1つを2/2飛行のエレメンタルへと変貌させる。一見土地をミシュラランド(一時的にクリーチャー化する能力を持った土地の総称)化させるクリーチャーに見えるが、注目すべきはミシュラランドのようなターン終了時までではなく、永続的にクリーチャー化させてしまうという点(勿論、墓地や手札など領域を移ればただの土地には戻るが)。この能力を用いれば、毎ターン2/2飛行を量産し続けることが出来る。なかなか強力に見える。それらは土地としての能力も持ち続けるので、重い呪文を唱えたくなっても安心。打ち消しやドローを構えながらブロッカーとして立てることも出来るぞ。

 

...まあ、構築で活躍することはなかったんだけども。やっぱりまず、重い。3マナ払って1ターン間をおいて、1マナ使って相手のエンドに2/2飛行を得て、っていう動きがそもそも強くないのだ。この2/2飛行も除去されるとただクリーチャートークンを失ったとかではなく土地という貴重な資源の喪失であり...《神の怒り》なんかで本人と土地まとめて吹き飛ばされたりするともう目も当てられない大損害。そもそもミシュラランドは起動したターンのみクリーチャー化し、対戦相手のターンではただの土地=ソーサリーやエンチャントの除去を受けないというのが強みであって、土地が永続的にクリーチャー化することはなかなかにリスキーなことなのだ。

 

「凍っていようが肥えていようが」というフレイバーテキストは英語版でも「frozen or Fertile」と似たような字面で構成されており、どちらも美しい言い回しとなっている。

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