BIG MAGIC所属プロ 松本友樹「グランプリ・千葉2016 参加レポート」

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1.はじめに

 

こんにちは、松本です。

今回は様々な話題を呼んだGP千葉の調整レポート&参加レポートをお送りします。

今回のフォーマットはレガシー。

16,000種を越えるというMTGのカードを、思う存分使うことが出来るフォーマットです。

MTGは20年を越える歴史を持つだけ有り、本当に様々なカードが存在しています。

今では考えられないような強力な呪文から、今見るとなんで作ったのか疑問に思うほどニッチな呪文まで多種多様。

その中でも一際強力なものを集めた、暴力と暴力のぶつかり合いのような激しさが魅力のフォーマットです。

その凄さはヴィンテージと比べても決して見劣りしません。

レガシーにパワー9はありませんが、その代わりヴィンテージで1枚しか使う事が許されない制限カードである《渦まく知識》を4枚フル投入できるのですから。

 

さて、そんな凄いフォーマットであるレガシーですが、私は全く詳しくありません。

普段から遊んでもいませんし、大会の結果を見たり考察したりもしていません。

なので、GP出場にあたってまずは今レガシーがどんな世界か・どんなデッキが強いのかについて学んでいきました。

私が使用したデッキについて、グランプリ本戦の結果について書く前に、まずはどのようにレガシーという世界を想定していったのかについて書いていこうと思います。

 



2.環境把握とデッキ選択 ~GP2週間前~

 

GP千葉は2016年11月26日に開催されました。

この時の最新エキスパンションは『カラデシュ』です。

本来であればマジック・オンライン(MO)にもとっくのとうにリアルと同じようにカードが揃い、リアルとそん色なく練習が出来る・・・はずでした。

しかし残念ながら、今回はそうではなかったのです。

8月26日に発売された『コンスピラシー:王位争奪』のカードがなかなかMOに収録されず、現実でのゲーム環境とずれが生じてしまっていたのです!

GP千葉が間近に迫った11月16日にようやく一部のカードが収録されましたが、それまでのMOの情報はあまり参考にならないのかなぁと感じていました。

という事で私のレガシー調整は11月16日から始まったのです。

一応晴れる屋平日大会やSCGInv予選等の小規模なイベント結果などには目を通すだけは通していましたけどね。

 

という事で16日にMOにカードが収録されました。

そこからじっくりと考えたいところなのですが、さらにその3日後の11月19日に晴れる屋でレガシー神挑戦者決定戦がありました。

最大で300人が参加できるトーナメントで、GP直前のものとしては世界最大となります。

ここの情報はかなり参考になるのと共に、ここでプレイできるかどうかも本番の結果に大きく影響するでしょう。

なのでまずはざっくりと、少ない情報の中から脳内でイメージして仮のものとしての環境を想定しました。

 

Tire1:「エルドラージ」

Tire2:「デルバー」「奇跡」「オムニテル(スニークショウ)」「BUG続唱」

Tire3:その他

 

レガシーはあまりにデッキタイプが多いので、少数派は基本的に気にしない事に。

多そうなところにあたりをつけて、Tire2以上を考える事にしました。

何を使うか、どんな構成にするかはここに勝てるかどうかで決定します。

それからもう一つ、レガシーの代名詞である2枚のカードについて。

《意志の力》と《渦まく知識》ですね。

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これ2つだけは使おうと決めていました。

まとめると...

 

要素1:《意志の力》と《渦まく知識》

要素2:メインボードから「エルドラージ」に強い

要素3:「デルバー」「奇跡」「オムニテル」「BUG続唱」のうち半分以上に有利で、相性が悪いものにも戦える

 

これを満たすデッキがあるかなーと考えたとき、1枚のカードが思い浮かびました。

《石鍛冶の神秘家》

matsumotochiba 02.jpg 

かつてスタンダードで暴れすぎて禁止カードにまで設定されてしまったパワーカードです。

このカードは2マナでありながら、即座に除去できないと《殴打頭蓋》を場に出し地上を制圧します。

あらゆるエルドラージ達は、《殴打頭蓋》の前にダメージレースを仕掛ける事も困難になり容易にアタックできなくなります。

その他のクリーチャーデッキ相手にも非常に強く、中長期戦にも装備品という性質上、有利に戦えます。

石鍛冶さえ通ってしまえば、後からカウンターを撃たれないというのも強みですね。

コンボデッキ相手にも一度通してしまえばクロックを置くまでマナを構え続けることも出来ます。

という事で、《石鍛冶の神秘家》を使う事を決めました。

コンボデッキ相手に能動的な妨害手段が欲しいと考えた為、黒を相方に。

要素1の通り青が入っているので、青白黒の3色になりました。

さらに、《石鍛冶の神秘家》をより強く使う為にマナクリーチャーである《死儀礼のシャーマン》も選択します。

matsumotochiba 03.jpg

このカードはフィニッシャー兼墓地対策にもなり、レガシー環境のクリーチャー界でも随一のパワーを持っていると思うんですよね。

以下が実際に使用したデッキリストです。

 

matsumotochiba 001.png

 

余談ですが、この死儀礼入りの石鍛冶デッキを構築するために死儀礼入りのデッキリストを探したのですが、石鍛冶と死儀礼の両方を使っているリストが一個も無かったんですよね。

最高の組み合わせだと思っていたので「先駆者になってしまったかー^^」とニコニコしていたのですが、大会に出てからこの話をしたら「デスブレード」というデッキの存在を2秒で知らされて凹みました。

皆さんも慣れないフォーマットのデッキ検索の際にはご用心。

 

さて、このデッキについての結果から書きます。

レガシー神挑戦者決定戦では4-4でした。

勝ちは「エンチャントレス」「ジャンド」「マーフォーク」「スニークショー」。

負けは「ジャンド」「グリクシスデルバー」「奇跡コントロール」×2

使って思ったのは、「奇跡コントロール」が想定よりも遥かに辛いという事。

またデルバーデッキに対してもサイドボードのアーティファクト破壊で対応されやすく、フィニッシャーのクロックが低いため火力で負けてしまいそう、ということですね。

黒という色自体にも疑問を感じました。

ハンデスはコンボ相手には強い・・・とは言うものの、《渦まく知識》でキーパーツを逃されてしまいコンボを決められる恐れもあります。

前方確認という意味では強力なのですが、早い相手には唱える暇が無い状況もありました。

「デスブレード」がダメ、とまでは言いませんが、もう少し考える必要がありそうです。

 

さて、次はどうしようか・・・と考えていると、瀬畑さん(Team Cygames所属プロ・市川ユウキ氏)から突然こんな事を言われました。

 

「デスタク強いよ」

 

「デス&タックス」。

『コンスピラシー:王位簒奪』で大幅に強化を受けた白単色のソフトロックデッキです。

《霊気の薬瓶》でマナを払わずに展開し、《不毛の大地》や《リシャーダの港》で相手のマナを縛る事で、どんなデッキに対しても勝つことが出来るデッキですね。

正直、私が認識していた「デス&タックス」は青いデッキに対して真正面から戦えるような力は持っていないデッキでした。

しかし、このデッキはこのセットで膨大な恩恵を受け、デッキパワーが何段階も異なっていました。

コンボデッキ相手にもメインボードから勝てるし、多くのフェアデッキにも強いという話です。

正直その話を聞いて...その時は話半分だったのですが、とりあえず候補の一つとしておきました。

 



3.環境把握とデッキ選択 ~1週間前~

 

さて、神挑戦者決定戦が終わりました。

ここの結果に加えて、MOの情報もだいぶ揃ってきました。

これらの情報を元に、環境をしっかりと想定し直します。

 

Tire1:「エルドラージ」「デルバー」「奇跡コントロール」

Tire2:「リアニメイト」「デス&タックス」「BUG続唱」「ANT」「Show&Tell」デッキ

Tire3:その他

 

レガシー神挑戦者決定戦のトップ8は「エルドラージ」「デルバー」「奇跡コントロール」の3種類のみでした。

MOの5-0デッキを見てみても、圧倒的にこの3種が勝っています。

ということで最低でもこの3つに有利を付けるデッキを使う必要があります。

「デスブレード」は残念ながら、「奇跡コントロール」と「デルバー」に思ったほど相性がよくありませんでした。

「エルドラージ」相手には有利を付けても問題ありませんが、そこまで圧倒的という事もありません。

ここで「デスブレード」はボツとなりました。

 

そうなると次のデッキですが、瀬畑さんに教えてもらった「デス&タックス」が強いという情報。

正直この時点では半信半疑でしたが、試さずに弱いという訳には行きません。

とりあえず試してみようか、という事で、LastSun予選に参加してきました。

以下が使用デッキです。

 

matsumotochiba 002.png

 

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結果はなんと望外のTOP8。

負けた試合は「ベルチャー」の1キル×2だけです。

「奇跡コントロール」や「エルドラージ」相手にも思った以上に強く、「Show&Tell」コンボや「ANT」相手にも体感ではかなり戦えます。

特に「エルドラージ」相手には中々負けないくらい有利だと感じましたし、「BUG続唱」相手にも真正面からアドバンテージ勝負が出来ました。

Tire1である「デルバー」「エルドラージ」「奇跡コントロール」に有利を満たしつつ、その他の相手にも充分に戦えるデッキです。

確かにレガシーの代名詞たる《意志の力》と《渦まく知識》は使えませんが、このデッキはそれを補って余りあるパワーがあると感じました。

またデッキの挙動も中々に好みとくれば、これはもう使うしかない!

 

その後は情報をくれた瀬畑さんと意見交換をして、ひたすら一人回しとMOでの調整を行いました。

 

最終的なデッキリストはこちらです。

 

matsumotochiba 003.png

 

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以前のデッキリストとの1番の違いは土地の変化です。

以前のでは白マナソースが13枚でした。

メインボードでは《魂の洞窟》もありそこまで気にならない枚数なのですが、サイドボード後を見るとこれが大きく影響します。

エルズペスとギデオンが要求する白白というマナコストを支払うには、少しでも多くの白マナが必要なのです。

また土地を伸ばすという行為自体もこのデッキでは強い為、土地は多めにとって損はありません。

装備品の装備コスト・《石鍛冶の神秘家》の起動型能力・《リシャーダの港》の起動型能力に加え、《不毛の大地》は多くの場合マナソースではなく土地を壊す呪文として働きます。

それを考えれば、土地24という枚数は決して多すぎる値ではないのです。

 

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他の一般的なリストとの相違点としては、通常《ファイレクシアの破棄者》や《セラの報復者》が入っている枠に《審判官の使い魔》が入っている点が挙げられます。

これはこのデッキにおける2ターン目のアクションの強さの順番として

《スレイベンの守護者、サリア》=《石鍛冶の神秘家》>《リシャーダの港》起動>その他の2マナクリーチャー

となっている為、2マナのアクションはこれ以上必要ないと考えた為です。

そもそも《セラの報復者》は、早いターンではプレイできませんしね。

それで何故《審判官の使い魔》なのかといえば、「ANT」や「Show&Tell」デッキの先手2キル、後手1キルを防ぐ為です。

このデッキは2ターン目を迎えることさえできればあらゆるコンボデッキに対して有効な妨害が可能ですが、それまでは完全に無防備です。

それを防ぐことの出来る可能性、それがこの《審判官の使い魔》なのです。

また、このカードはクリーチャーデッキ相手にも有効に働きます。

 

飛行クリーチャー+装備品=強い

 

まるでリミテッドのような話ですが、少なくともエルドラージ相手には《ファイレクシアの破棄者》よりも遥かに機能するカードとなっているのです。

ちなみにこのアイディアは高橋さん(晴れる屋Pros・高橋優太氏)のものだったりします。

 

 



4.GP直前

 

さて、いよいよグランプリ・・・という段階になって、また瀬畑さんから新しい情報がやってきました。

 

瀬畑さん「触ってみて」

 

Aさんデッキ.jpg

 

これは...カナディアン・スレッショルド...?

瀬畑太郎と言えば、レガシー選手権で「カナディアン・スレッショルド」を使って優勝した実績のあるプレイヤーです。

僕の目には、彼はカナスレの幻影を追っているようにしか見えませんでした。

とはいえ、使わずにどうこう言う訳にはいきません。

とりあえずMOで回してみました。

 

 

結果は2-3、3-2と平々凡々。

とはいえデッキに光るものは感じます。

感じますが...難しい。

このデッキは常に選択の連続です。

先手1ターン目はマシですが、後手1ターン目からもう選択肢が3つ4つ出てきます。

そしてどれもが勝敗に直結するレベルのもの。

結果は決して良くなかったものの、もしプレイヤーが瀬畑太郎なら4-1、5-0となっていたかもしれません。

そのくらいプレイが結果に反映されるデッキであり、そして独特の難しさを持っていたのです。

結果、使用を断念しました。

もしこのデッキが1週間前にあれば、何度も回して練習した上で使用を検討したと思います。

しかし、このデッキはあまりにも繊細すぎて、グランプリ直前というタイミングで手に取って使うという気はおきませんでした。

そもそも僕が《秘密を掘り下げる者》をまともに使ったことが無いというのも影響しているとは思いますが。

 

という事で特に使用デッキは変更せず、「デス&タックス」で臨みました。

 



5.GP本戦

 

私はプロプレイヤークラブ・シルバーレベルなので2Byeを所持しています。

という事で3回戦目からスタート。

目標は当然TOP8...ではありますが、レガシーに対する自信は皆無。

2点くらいプロポイントを持って帰りたいな~と思っていました。

それでは以下から本戦の結果です。

 

3回戦目:オムニテル ◯◯
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このマッチはうまく《審判官の使い魔》《スレイベンの守護者、サリア》と展開できてコンボを阻害。《リシャーダの港》と《不毛の大地》で何もさせずに殴りきれました。

開幕ツイてましたね。

 



4回戦目:ANT ☓◯☓
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1戦目はまさかの先手1キル。

《ギタクシア派の調査》から長考されて、何だ何だ?と思っているうちにマナ加速マナ加速《冥府の教示者》から《むかつき》。

土地を置く間もなく負けてしまいました。

2戦目はこちらが先手で、《スレイベンの守護者、サリア》が間に合い何とか勝利できました。

そして3戦目...またもや先手1キル!

《ギタクシア派の調査》から《ライオンの瞳のダイヤモンド》×2、マナ加速からの《冥府の教示者》からの《むかつき》。

完璧にやられてしまいました。

先手1ターンキルに対しては、やっぱり《意志の力》が無いと対応が出来ないんですよね。

こればっかりは仕方ないと割り切るしかありません。

ちなみにこの方、このGPのTOP8に入られています。

流石にノリノリでしたね。



5回戦目:BUG続唱 ☓☓
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この方もノリノリでした。

まず1枚目の《断片無き工作員》からいきなりの《祖先の幻視》(《渦まく知識》等での積み込み無し)

こちらのクリーチャーに《火と氷の剣》が付いてこのまま勝ちそうな状況、からのトップ《断片無き工作員》...からの《突然の衰微》。

そしてもう一回《断片無き工作員》から《タルモゴイフ》。

そんな感じであっという間にやられてしまいました。

対デスタク用のサイドボードもかなり取られていたようで、サイドボード後も良いようにやられてしまいました。

相性が良いと感じていたマッチアップだけに、これは残念でしたね。



6回戦目:マーフォーク ◯☓◯
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こちらは幸運に恵まれぎりぎりで勝てました。

1本目、2本目は《真の名の宿敵》が出てこなかったのですが、3本目で満を持しての登場。

それも《梅澤の十手》を伴ってです。

「デス&タックス」は《真の名の宿敵》を処理する手段がほぼ無いので、3ターン目に唱えられるだけでも本当に辛いのです。

ですが次のターンに負ける...!というところで《議会の採決》をトップデック。

処理することが出来て辛うじて勝利です。



7回戦目:ANT ☓◯◯
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1本目は相手がダブルマリガンながらも、こちらの痛恨のミスで敗北。

相手がフェッチランドから《Volcanic Island》を持ってきて《思案》。

その段階で「スニークショーだな?」と、しめしめと思いました。

その時場には《審判官の使い魔》。手札には《聖域の僧院長》と《リシャーダの港》、そして《魂の洞窟》がありました。

ほぼ確実に3ターン目まで耐えて、《聖域の僧院長》を唱えることが出来る状態です。

そしてその通りになりました。

内心ドヤ顔で《聖域の僧院長》、指定は3で!と力強く宣言。

途端に相手の顔が一瞬困惑げに歪みました。

そして返しのターン。

 

相手「フェッチランド起動してアンシー持ってきます。黒マナ出して《暗黒の儀式》。もう1枚《暗黒の儀式》。《ライオンの瞳のダイアモンド》置いて《冥府の教示者》唱えます。スタックで《ライオンの瞳のダイアモンド》で黒マナ3つ生みます。《むかつき》唱えます。」

 

はい、正解は「ANT」でした。

圧倒的な恥ずかしさと共に負け。

でもその後は何とか勝てました。

いやほんと勝てて良かったです。



8回戦目:ドラゴンストンピィ ◯☓◯
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なんとここでマッチングしたのは大学時代の友人です。

凄い偶然にお互いにびっくり。

和やかなムードで対戦が始まりました。

が、いきなりマナ加速から出てきたのは《月の大魔術師》。

幸い《平地》を沢山持っていたので問題はありませんでしたが、展開によっては詰んでました。恐ろしい...。

2本目は1ターン目《虚空の杯》から2ターン目に《三なる宝球》でロックされて一瞬で負けました。

そして3本目は特にロックされず、《殴打頭蓋》が無双して勝てました。

恐ろしい相手でしたね。

 



9回戦目:オムニテル ◯☓◯
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初日最後の試合です。

ところでこのマッチアップですが、個人的にはかなり有利だと感じています。

《聖域の僧院長》が通るとメインボード、サイドボード含めて「オムニテル」は一切対応出来ません。

《紅蓮地獄》だった除去枠が《コジレックの帰還》になった事で、《聖域の僧院長》で3を指定すると《実物提示教育》や《狡猾な願い》といった勝ち手段に加えて、《聖域の僧院長》を除去するカードも唱えられなくなるのです。

また《スレイベンの守護者、サリア》や《審判官の使い魔》も本当に強力です。

実際、1本目は使い魔とサリアに加えて、《不毛の大地》《リシャーダの港》でひたすら動きを止めて勝ちました。

2本目はギリギリまで追い詰めたものの《実物提示教育》が唱えられてしまい負け。

そして3本目は、《聖域の僧院長》が《魂の洞窟》のバックアップを受け登場し、勝利です。

 

 



初日は2敗で終わり、2日目へ。

  



10回戦目:奇跡 ☓☓
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このマッチアップは言わずと知れた殿堂、なべさん(Team Cygames所属プロ・渡辺雄也氏)と練習をさせて貰っていました。

その結果、特にメインボードは「デス&タックス」側が勝率良いね、という結論に至ったのです。

至ったのですが...ちょっと噛み合わない事が多く、普通に負けてしまいました。

1ターン目に《霊気の薬瓶》を置けたのでこれはもう勝ったかなー^^とニコニコしたところ、返しに即座に《仕組まれた爆薬》を設置され対処。

その後は良いようにコントロールされてしまいました。

2本目もなんとも微妙なハンドをキープしたところ、キレイに捌かれてしまって負けです。

残念ですね。

この時点で3敗。

TOP8の目が0%になりました。

 

 



11回戦目:デス&タックス ◯☓☓
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1本目は相手がダブルマリガンしつつ、さらにこちらが1ターン目薬瓶で勝ちました。

2本目・3本目は相手だけ薬瓶を置いた状態でゲームが進んでしまい、あえなく敗北。

「デス&タックス」は《霊気の薬瓶》の有無で強さが2段階くらい変わります。

常に薬瓶がある状態なら最強デッキと言っても過言ではないくらい強いのですが、同型になるとその差がはっきりとわかりますね。

こちらももう少しマリガンして強い手札を探しに行くべきだったかな、と振り返ってみて反省しました。

 

 



12回戦目:BUGデルバー ◯◯
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どちらも1ターン目薬瓶からスタートできました。

2試合とも対処されてしまったはものの、その隙を上手く活用出来てマウントを取ることが出来ました。

《石鍛冶の神秘家》が本当に強いマッチアップですね。

 



13回戦目:赤単ブリーチ ☓☓
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先手1ターン目《反逆の先導者、チャンドラ》。

2ターン目《裂け目の突破》から《グリセルブランド》。ありがとございました。

2本目、1ターン目突破から《世界棘のワーム》。ありがとうございました。

 

《意志の力》が喉から手が出るほど欲しかったです。

ほんとに。

 



14回戦目:感染 ◯☓☓
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1本目は相手の動きがあまり強くなかったのも有り、ゆっくりとしたゲーム展開になり勝てました。

が、2本目3本目はそうは行きませんでした。

特に3本目。

相手は1ターン目に《ぎらつかせのエルフ》をキャスト。

こちらは返すターン、《魂の洞窟》と《平地》を持っている状態で、とりあえず《平地》から《審判官の使い魔》を唱えました。

そして相手は迷った末、それを《意志の力》。

どういうことかというと、つまりそういう事。

2ターン目に《激励》&《狂暴化》できっちりフィニッシュです。

《魂の洞窟》から「鳥!」と力強く宣言していれば負けは無かったのですが、それを選択する事は出来ませんでした。

次また同じシーンになったとして、それを選択できるかというと多分出来ないと思うのですが、耐えることの出来る可能性があったと思うと残念ですね。

 

そしてここで6敗目。

次勝つことが出来ても1点もプロポイントを得る事ができなくなりました。

いつもならここでドロップするのですが、せっかくなので最後までやろうということで続行。

次で最後ですしね。

 

 



15回戦目:エルドラージ ☓◯☓
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最終戦です。

もう本当になにもないのでかなりカジュアルな感じに。

とはいえ負けたくないのできちんとやりました。

その結果普通に負け。

3本目はかなり良い動きをされてしまいました。

基本的に有利なマッチアップだと言いましたが、それでも負ける時はあります。

そういう時に多いのは2つのパターンです。

1つが超長期戦になり、相手が《ウギンの目》から《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を持ってくる事。

2つ目が《エルドラージのミミック》を絡めて超高速でビートダウンしてくる事です。

エルドラージデッキの最高の動きといえば、1ターン目にミミックか《虚空の杯》です。

「デス&タックス」には《虚空の杯》はあまり有効では無いのですが、ミミックは非常に有効。

ミミック→《難題の予見者》→《現実を砕くもの》のお馴染みといえばお馴染みの動きが1番の負けパターンなのです。

そしてそれを見事に決められて負けました。

 

 



いやぁ、負けました。

こんなに負けたのは久しぶりだなぁと思うくらい見事に負けてしまいましたね。

Byeを除くと何と6-7。負け越しです。

残念。

 



 

6.GPを振り返って

 

私が使った「デス&タックス」は負け越しという大変残念な結果でしたが、果たしてデッキ選択が間違っていたのでしょうか?

私はそうは思いません。

TOP8を見れば、「デス&タックス」が1名入っていますね。

TOP64を見てみても6名もの方が入賞しています。

これは2日目進出者の比率を考えるとかなりの数となっています。

明確な勝ち組、と言うほどは勝っていませんでしたが、ベターな選択にはなっていたのかな、と思います。

とはいえ、決してベストではありませんでした。

 

このGPで問題だったのは、私の認識でした。

今回、1番の勝ち組は間違いなく「スニークショー」でした。

このデッキは(レガシーの知識を少しでも持っている方なら常識ですが)同じShow&Tell系であっても「オムニテル」とは全く異なったデッキです。

しかし、私はこの2つのデッキタイプを完全に混同していました。

「オムニテル」と「スニークショー」を違うデッキだと認識していなかったのです。

 

 matsumotochiba 21.jpg

 

「オムニテル」は今回の負け組の1つでした。

《時を越えた探索》の禁止はあまりに大きく、今に至るまでその損失を補填することができませんでした。

そこは私の認識とズレてはいませんでした。

しかし「スニークショー」はそうではありません。

《実物提示教育》と《騙し討ち》、《引き裂かれし永劫、エムラクール》と《グリセルブランド》...それぞれ2種類のコンボパーツを備え、充分な量のドローサポートで安定したデッキだったのです。

メタゲームブレイクダウンを見ると、2日目に進出した「スニークショー」は10人。

そのうち2人がTOP8に入り、さらに2人がTOP32に入っているのです。

私が同じだと思っていたデッキが、全く180度異なった結果になったのです!

もし、私が「スニークショー」と「オムニテル」を分けて考え、これの使用を検討していたら、もしかしたらこのデッキを選べていたかもしれません。

そうしたら、きっと私はもっと良い結果を得られたと思います。

 

次に私がレガシーを真剣に調整するのは、日本でまたレガシーグランプリが開かれるまで無いでしょう。

その時は今回の反省を活かさなければなりません。

MTGで勝つ最も効率の良い方法は、デッキで勝つことです。

その為には事前の情報収集と環境の把握が大事。

今回はそこがおざなりになっていました。

普段やらないフォーマットだからこそ、きっちりと準備して臨みたいですね。

 

 

 

以上、GP千葉のレポートでした。

次のイベントはプロツアー『霊気紛争』です。

今度は良い結果をご報告出来るよう、頑張っていきます。

それでは、また次回がありましたら!