周到な計画/Well-Laid Plans
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Well-Laid Plans, インベイジョン, 周到な計画, 岩SHOWCard of the Day -今日の1枚- 2017/1/13
周到な計画/Well-Laid Plans
ウルザは歴代でも屈指の力を持った旧世代プレインズウォーカーである。同時に、彼は狂気により道を踏み外した者でもある。弟であるミシュラとの兄弟戦争の決着は、弟がファイレクシア人により人ならざるものへと変貌していることを知り、怒り・憎しみ・悲しみを文字通り爆発させて弟もろともアルゴスの森を吹き飛ばす。プレインズウォーカーに目覚めたウルザは、実の弟を殺めたこと・不老不死により親しい人間と死別を繰り返しても自分だけは生き続けるという孤独感により、正気を蝕まれる。彼の眼球の代わりに頭蓋骨に収まった2つのパワーストーンから、声が聞こえる。「悪いのはファイレクシアだ」と...この暗示によりウルザはファイレクシアを憎み、それを滅ぼさんと旅に出る。並の力では太刀打ちできないファイレクシアを消滅させるため、彼は千年を超える準備を行った。そしてAR4205年、その時が来た。ファイレクシアによるドミナリアへの次元侵略。ウルザはこの時を待ちに待っていたのだ。
ファイレクシア人の襲来を受けてのウルザの様子は《周到な計画》のフレイバーテキストに見ることが出来る。
"「こういう日が来ることはわかっていた」とウルザは言った。破壊し尽くされたあたりを見回して、バリンはため息をついて言った。「喜ぶことはないでしょう」"
ウルザは用意周到に計画を進めていた。そして、それが為される時が来たのだ。《周到な計画》は少々青っぽくないカードだ。クリーチャーが同一の色を持つ場合、それらはお互いにダメージを与えあわなくなる。プロテクションなどとはまたちょっと異なるが、お互いのクリーチャーがダメージを受けない=どんな攻撃もブロックして受け止めることが出来る、という防御的なエンチャントだ。ダメージ軽減はどうしても白のイメージを受けるが、当時の青の役目であったパーマネントや呪文の色を変更するという能力とは噛み合っている。『インベイジョン』は多色推奨セットであり、こうした単色のカードでも自分が複数の色で構成されたデッキを使っていればボーナスを得られるというカードが多数収録されていた。まあ、単色のデッキで使うと弱いのはご愛敬。
ファイレクシアとは異なるが、近年の多元宇宙の脅威であるエルドラージに対しては無力だ。まあウルザならば、何か別の案で無色のクリーチャーにも対処しそうだが。このカードは、対戦相手と同じ色になることでそれに対抗する、というデザインがされている。当時のファイレクシア人は、軒並み黒いクリーチャーである。これは、黒いファイレクシアに対抗するために、人造人間や血統実験といった人の道を踏み外したウルザも黒い=同様の悪しきものであるというメッセージが込められているのだろうか。深読みな気もするが、この後のストーリー展開的にはあながち的外れでもないんだなこれが。