Prepare For FNM 「2017年3月 第2~3週」号

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グランプリ静岡・2017春が開催された先週末となった。
同時に地球の裏側、ブラジルのポルトアレグレでもスタンダードのグランプリが開催された。

マルドゥバリスタ・4色コピーキャットのツートップに加え、
緑黒《巻きつき蛇》の代わりにティムール《電招の塔》とティムール《霊気池の驚異》がシェア率を高めてきているなか、
それぞれのグランプリではどのような結果となったのだろうか。

ポルトアレグレのTOP 8は4色コピーキャット*3 マルドゥバリスタ*2 ティムール《電招の塔》*1 緑黒《巻きつき蛇》*1 緑黒昂揚*1と、
おおむねメタの比率通りという配分となったようだ。

優勝はVictor Fernando Silvaのティムール《電招の塔》。
昨年10月のGPサンティアゴで4位入賞したことでトーナメントシーンに名前を見せるようになった新鋭だ。

決勝トーナメントでトップメタ3種類のデッキと当たり、それらを蹴散らす地力の高さを見せつけた。

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コジレックの帰還.jpg

構成的には《コジレックの帰還》がメインに3枚採用され、《つむじ風の巨匠》や機体の横並びを強く意識している点が特徴的だろうか。
《電招の塔》はリアクションデッキということもあり、まだまだリストも固まっておらず様々なアプローチが試されている最中だ。

グランプリ静岡・2017春でもまた、シンデレラストーリーが展開された。
マジック暦1年未満の桐野 亮平が、GP初参加にして初優勝を収めた。
使用デッキはマルドゥバリスタだ。

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こちらのGPは偏りをみせ、TOP8にはマルドゥバリスタ*6 ティムール《電招の塔》*1 ジャンド・スマッシャー*1となった。
"ブラマス"の名で知られる伊藤 大明のジャンド・スマッシャーはどういったデッキなのかについては、リストを見た方が早いだろう。

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現実を砕くものA.jpg

緑黒アグロを軸に、《屑鉄場のたかり屋》や《キランの真意号》を採用し《霊気拠点》と《産業の塔》でマナベースを補強している。
更に《無許可の分解》と《現実を砕くもの》を採用している形だ。

《現実を砕くもの》は前週のグランプリバルセロナで
遊々亭所属 高尾 翔太、BIG MAGIC所属プロ 井上 徹が共同で『赤黒エルドラージ』という新デッキをデビューさせたことでにわかに注目を浴びている。

今後のキーカードとして動向を見守ってゆくべきだろう。

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オラン=リーフの廃墟.jpg

《オラン=リーフの廃墟》がとにかく強烈だ。

2枚も並べば《歩行バリスタ》は実質倍速で成長し、《ピア・ナラー》の飛行機械トークンはドラゴン並のサイズを誇る。

無限に沸いてでてくる5/4サイズの《屑鉄場のたかり屋》があらゆる地上クリーチャーを薙ぎ払ってゆく。

この使用感にほれ込んだプレイヤーも多く、現在進行中で急増しているデッキタイプだ。

なおそのGPバルセロナはHareruya Pros のPetr Sochurekが4色コピーキャットで優勝している。

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歩行バリスタ.jpg

この時点でPetrのサイドに《歩行バリスタ》*3が採用されているように、
ミラーマッチを含めた4色コピーキャットへの注目度は非常に高いものとなっていたようだ。

GPバルセロナと同日開催のGPニュージャージーでも4色コピーキャットが優勝しており、フェリダー包囲網が世界各地にひかれた。
ポルトアレグレと静岡(春)の結果は、そこを受けているというのも大きいようだ。

スタンダードGPが2周4回と、密度の高い開催頻度によって急速に進化を迎えたメタゲームだったが、ここから4月28日『アモンケット』発売までは少しペースが落ち着くだろうか。


代わりにリミテッドグランプリのシーズンが開始する。
5月7日の3箇所同時リミテッドGPを含め、向こう6回のうち5回がリミテッドGPだ。

国内GPとしては次回、5月26-28日開催のGP神戸がモダンということもあり、モダンシーズンの到来の気配も出てきている。

次回からGPに限らずモダンの大会についてもみてゆこう。

『モダンマスターズ 2017年版』にも採録されている《死の影》が強すぎるという話も出ているようだが―...?