BIGs『イクサラン』注目カードピックアップ!
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いつも新セット発売前に行われるBIG MAGIC所属プロ及びBIGsによるカードレビュー。
ただ、毎回同じことをやって皆が同じカードを挙げてもそれほど興味深いものにならない、というのが回数を重ねてわかった。
なので『イクサラン』編は、少々趣を変えて...各プレイヤーに担当を設定し、その範囲の中での注目カードを選んでもらうことにした。
この方が、様々なカードに対するプレイヤーの意見が集まって、読者の皆さんのお役に立てるかもしれない...んじゃないかな。
というわけで早速BIGs編行ってみよう!
BIGsには、独断と偏見で「その色っぽい」プレイヤーに、同色のカードの中で注目のTOP3をピックアップしてもらうぞ!
それでは、ご覧ください!
白/White 注目カード
青/Blue 注目カード
黒/Black 注目カード
赤/Red 注目カード
緑/Green 注目カード
マルチ/Multicolored 注目カード
土地&アーティファクト/Land&Artifact 注目カード
白/White
白担当【中道大輔】
《燻蒸》だけで対処出来なかった各種神への回答。デメリットの土地追加はそこまで気にならないと思われます。4マナ立たせるだけで迂闊に攻撃し辛くなるので、実際に使われなくても存在しているだけで脅威。
マナコストは重たいですが《反射魔道士》と同様にプレイを阻害し、同名カードの4枚積みを否定します。使い勝手が良い《排斥》と悩むとこですが、両方使われる気がします。
《覚醒の太陽の化身/Wakening Sun's Avatar》
《絶え間ない飢餓、ウラモグ》という圧倒的フィニッシャーを失った緑白ランプの、次期環境でのフィニッシャーになれるか?
比べてしまうと悲しくなります。それでもイクサラン環境でランプが強くなりそうなら使われるはず。
白担当【三宅恭平】
《アダントの先兵》や《花粉のもや》などフォグ系のカードでライフを調整し、ほんの数点のダメージだけで勝利するデッキが考えられる。
モダンでは《天使の嗜み》《呪文滑り》《ファイレクシアの非生》など相性のいいカードが豊富なのでより現実的に。
《覚醒の太陽の化身/Wakening Sun's Avatar》
エルドラージがスタンダードから去った今、ランプデッキの新たなフィニッシャーとして期待。
《吠えるイージサウルス/Bellowing Aegisaur》
《歩行バリスタ》とのコンボで+1/+1カウンターを周りのクリーチャーに無限(有限)に乗せ放題。マ
ナクリーチャーだろうが《約束の刻》のおまけのゾンビだろうが、あっという間に恐竜以上のサイズに。
「力とはパワーだ!」タキニキもそう言ってました。
青/Blue
青担当【加藤健介】
《マナ吸収》がスタンダードに帰ってきた!?...というのは言い過ぎですが、宝物という形でマナが貯められるようになったのはオリジナルよりも優れています。《富の享楽》での特殊勝利や《マリオネットの達人》での瞬殺コンボなと、相性の良いカードも多く構築意欲をそそられる面白いカードです。
ゲームを長引かせることが出来れば息切れしなくなる、コントロール待望の1枚。
青白セカンドサンのようなノンクリーチャーデッキで試してみたいですね。
両面とも伝説のカードのため、何枚デッキに入れるかは悩ましいところです。
《呪い捕らえ》に代表されるカウンター内蔵の部族クリーチャーの海賊版です。
起動にマナが必要な分、打ち消せる対象も広く確定カウンターのため頼りになります。
《強迫》や《残骸の漂着》などもプレイヤーを対象としているため打ち消せます。相手に使われた場合注意しましょう。
青担当【野稲和弘】
待望の1マナドロースペルが再録。
今回のカードの中で最もモダンに影響を与えるカードでしょう!
除去やカウンターを構えつつ動けるので、デッキによっては《血清の幻視》よりも優先されることになりそうです
そのまま使っても十分強いのに、強襲状態で使えば2マナのカードなのに手札が増えるという...すごい!
《波を司る者、コパラ/Kopala, Warden of Waves》
現状のカードプールだとスタンダードで見かけることはあまり無いかもしれませんが、モダンやレガシーのマーフォークでは頻繁に見かけることになりそうです。
《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》では防げなかった《突然の衰微》などの打ち消されない呪文にも、高い耐性を持つことができるようになります。
黒/Black
黒担当【斉田逸寛】
対コントロール用サイドボード。"宝物"を生成するカードのほとんどは、通常のスペックよりも重く作られています。
しかしこのカードは「強襲」という条件が付いていることもあり《精神腐敗》のスペックそのままにトークンを生成ことができます。
《無情な略奪》⇒宝物から黒マナ⇒ 紛争達成の《致命的な一押し》!!...という動きはコントロール相手には無いかもしれませんが、『マルドゥ機体』のようなデッキで使えばアーティファクトを生成できることがかなりメリットになるので、採用される可能性はあると思います。
対コントロール用サイドボードその2。
「手札」と「ライフ」を攻めるのは常套手段ですが、これならその2役を1枚で担ってくれます。
サイクリングに対しても2点ルーズが誘発するので、《検閲》やサイクリングランドが簡単に回らなくなるのも良さそうです。
また他にも《機知の勇者》を擁するデッキに対してもサイドインを検討できるかもしれません。
ザ・万能。4マナは重いですが、ライフ回復が付いていることで幾分か緩和されます。
追放能力も各種神に有効で、様々なデッキで数枚採用されるといったことが多そうなカードです。
黒担当【松原一郎】
《深海艦隊の船長/Fathom Fleet Captain》
新部族・海賊から、期待を込めて。
1マナで強い海賊が今後でてくれれば、能力も使い勝手がよくなりそうです。
同じく海賊を。海賊シナジー無しだと強迫でよさそうですが。
《粗暴な軍族長》でもだめでしたが、もし旧『イニストラード』ぐらい吸血鬼がたくさんでてきてデッキを組めるのであれば、使われる気がします。
赤/Red
赤担当【朴高志&光安祐樹】
今回は色ごとにチームを組んでのプレビューということで、我々は満場一致で赤いカード担当なわけですが・・・
弱めですね・・・
地味な再録が多くて、あとは既存のカードが強いために霞んでしまっているカードもあります。そんな中、僕らは2人で議論を交わしてTOP3を選出しました。
《暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidon》
高い戦闘スペックに加えて、ライフゲイン無効はかなり嬉しいですね。《領事の権限》や《選定の司祭》などをかなり牽制できます。クリーチャーが出た時のダメージ誘発はトークン全般に有効です。
《風雲船長ラネリー/Captain Lannery Storm》
伝説であることがネックですが、赤いデッキの負け筋である「4マナ5マナのカードを出せない」状況を打開できるかもしれません。
できれば選びたくなかったですが、赤スキーの皆様待望の再録!
《発射》が刷られた時はどうなるかと思いましたが、これは間違いなく使われるでしょう。
緑/Green
緑担当【田中陽】
ミラクルグロウ...ゼロックス理論......クロックパーミッション大好きおじさんの心をトキメかせる1枚です。
《巻きつき蛇》と組み合わせたりするとスゴそうですね。
《栄光をもたらすもの》や《反逆の先導者、チャンドラ》にも耐える、某サイを彷彿とさせるナイスなスタッツを持つ恐竜です。
でもどう見ても頭良さそうには見えません。
えっ!!1マナで《弱者狩り》を!?
撃てらぁ!!!!
緑担当【永井守】
4/5というサイズが対処しづらいと感じました。《歩行バリスタ》と組み合わせて使うと楽しそうです。
これ1枚でゲームに勝てる強さを持っているので、対コントロール対策としてサイドに入れておきたいです。
《イトリモクの成長儀式/Growing Rites of Itlimoc》
モダンのエルフで試してみたいカードです。
多色/Multicolored
こちらは担当2名がお互いの選出カードについてコメントするスタイル。
マルチ担当【石田龍一郎】
石田「スタンダードの恐竜デッキの屋台骨になるだろう一枚で、見た瞬間誰もが強いって思っただろうなと。《栄光をもたらすもの》とどちらが強いかは恐竜デッキの完成度にもよるのだろうけど、部族的にマナ加速などのサポートに恵まれているので安定して強いんじゃないかな?という印象です」
吉森「パーマネント2つに速攻付き、シンプルで強い。部族シナジー抜きにしてもマナレシオが非常に良く、今回のレア枠の中では押さえておきたい一枚だと思います。」
《戦場の詩人、ファートリ/Huatli, Warrior Poet》
石田「次期スタンは赤単さえ黙ればミッドレンジ系のデッキが組みやすくなるんじゃないかな?という予想なので、こういうどっしりと盤面を作れるプレインズウォーカーは強そう。あとは《選定された行進》デッキで使ってみたいなと」
吉森「赤単のカードが軒並み残るのでそこは本当に怖い所ですが、コントロール相手には強いですね。トランプルつきのトークンを量産できるのは珍しい気がします。」
《太陽の化身、ギシャス/Gishath, Sun's Avatar》
石田「デカイ!説明不要!能力も豪快そのもので、wizrads開発部が恐竜デッキを組めと言っているのがよく伝わる一枚。ランプ戦術はキーカードのエルドラージが落ちてしまうので、恐竜でド派手に攻めたら楽しそう」
吉森「一行目の能力だけでお腹一杯なこのエキスパンションを体現する一枚。宝物のお陰で条件が緩くなるため構築でも案外使用できそうですし、これを使って勝てるデッキができたらとても気持ち良いと思います」
マルチ担当【吉森奨】
《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker》
吉森「6マナと多少重いですが、忠誠値が8から始められたり汎用除去としても使えるカード。奥義も非常に強力で、コントロールでも一撃を狙うコンセプトで構築できるかもしれません。」
石田「忠誠値の高さに一言付け加えると、初期から連続で忠誠値マイナス能力が使えるのは結構使い勝手が良さそう。全ての能力が手堅く、対コントロール戦で強そう。」
吉森「一時的な除去として機能し、デッキによってはゴンティの様にも扱えそうです。サイズに不安があり、使い道がないと積極的には採用しづらいですが、宝物やトークンも対象にできるので腐ることは少なそうに見えます。カジュアル戦ではより輝きそうな一枚です。
石田「コントロールが対ビートダウン用サイドボードに使ったらいい仕事ができそう。サイドボードで相手が除去を減らしてきたらハマりそう。」
吉森「実質アンブロッカブルとも言える一枚。環境が変わって土地やキーカードが減り、色の組み合わせが多少難しそうな気もしますが、赤い火力が優秀なスタンダードでは活躍するかもしれません。」
石田「赤いアグロデッキは《稲妻の一撃》を始め、今回優良なカードに恵まれている印象ですね。今まで赤白と言えば人間カラーでしたが、ローテーションで変わりますから、新戦力としては十分。」
土地&アーティファクト/Land&Artifact
土地&アーティファクト担当【河浜貴和】
M10ランド(『基本セット2010』で初登場したことによるサイクルの通称)が帰ってきた!条件付き2色ランドとしては使いやすく、スタンダードでは『イクサラン』がローテーション落ちするまでは使われ続けるであろう土地ですので、持っていない方は早いうちに4枚揃えましょう。
現行スタンダードでは基本土地タイプを持つ『アモンケット』のサイクリングランドとの併用が検討されます。5回目の再録ですが、初の新規イラストでめちゃくちゃかっこいいので、既に持ってる人も是非!
かの《魂の洞窟》から極悪テキスト「その呪文は打ち消されない」が削られてマイルドテイストになった特殊土地。
色拘束の強い部族デッキで有用で、スタンダードでは恐竜・海賊・マーフォークデッキに、モダン以下では人間・同盟者・スリヴァーデッキ等での追加分の《魂の洞窟》として活躍が見込まれます。
《金粉の水蓮》または《水蓮の谷間》に変身する装備品。装備コストも達成条件もそこそこ重いため、通常の構築ではお呼びがかかりそうにないですが、複数対戦相手がいることが前提の統率者戦であれば、トークンを出す相手と攻撃する相手を別にして楽々変身できそうです。統率者戦のカードはFoil需要があるので、見つけたら確保しとくとよいかも。
土地&アーティファクト担当【簗瀬要】
1ターン目に《真髄の針》をキャストしたら、その後出てきた別の起動型能力を持ったパーマネントにボッコボコ...。
そんな針を上手に使えない人でも、自分のプレイングが上手になったと錯覚できるような逸品!
とりあえず、相手の手札にある起動型能力を持ったカードを指定しましょう。
スタンダードなら各種機体、各種プレインズウォーカー、砂漠を沈黙させることができるので、これらのサイドボードとして活躍するカードになりそうです。
『基本セット2010』から『基本セット2013』まで収録されていた土地。『基本セット2013』ってもう5年前のセットなんですね!
我々おじさんプレーヤーであれば4枚ずつ持っているでしょうが、最近マジックを始めたプレーヤーは持っていないのでは?
そんな新人プレーヤーの方にアドバイスすると、スタンダードで使うなら、ローテーションで去り行くバトルランドやシャドウランドよりも遥かに使いやすい土地で、友好色の2色デッキを組むならほぼ間違いなく4枚ずつ入ります。是非、4枚ずつ揃えましょう!
因みに、イラストは全て新しいものになっているので、「こっちの絵がいい!」っていうおじ様たちも是非4枚ずつ揃えてみてはいかがでしょうか?
《師範の占い独楽》や《梅澤の十手》、《真髄の針》といった神河ブロックを代表する強力なアーティファクトたち。
そんな華やかな表舞台に立つカードの影に隠れてサイドボードで出番を待つ1枚のアーティファクト、それが《旅行者の凧》でした(おじさんの昔話)。
《魔学コンパス》はそんな《旅行者の凧》と《イス卿の迷路》が合わさったカードです。
《旅行者の凧》同様、コントロール対決で威力を発揮するのはもちろん、7枚土地がある状態でこれを設置すれば勝手に変身してくれるのでコントロールがメインから1~2枚入れても後半の除去カードとして機能してくれそうです。
今回のBIGsレビューは以上!色ごとに分かれていつものようにレビューするスタイルもあれば、同じレビューチーム内で何か工夫をするスタイルもあって...全体の統一感はなかったかもしれないが、プレイヤーが多く在籍するBIGsならではのものに仕上がったんじゃないかな。これが発売前の皆さんの参考になったのであれば、これに勝る喜びはない。それじゃあ、プロ編にも期待しつつ、発売日までカウントダウン開始!
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