岡本桂多のKill them All!~『イニストラード:真紅の契り』編~
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皆さん楽しい統率者戦ライフをお過ごしでしょうか?
前回の『イニストラード:真夜中の狩り』から2ヵ月程度でもう新エキスパンションということでデッキ作成が追いつきません!
イニストラード:真紅の契りも前回同様に統率者戦をやりたくなるようなカードが盛りだくさんですね!
新ギミックは訓練、切除、《血・トークン》、そして再録ギミックの濫用です。
残念ながらどれも変身(日暮/夜明)のようなこのキーワード能力でデッキを組む!という動機にしにくいものですね。
《サイクロンの裂け目》の超過のように、ギミックそのものよりも効果が強力で統率者戦でよく使われるものもあります。今回の切除は特に超過と似たようなギミックですし、《サイクロンの裂け目》級のカードがあるかもしれません。
早速個別のカードを見ていきましょう!
目次
・各色の注目カード
・統率者デッキを強化しよう!
・各色の注目カード
・白
《招待制/By Invitation Only》
新たな白の全体除去枠。
5マナ、破壊でない全体除去という事で《神聖なる埋葬》がライバルになりそうです。
相手がよほどのトークンデッキでなければ13体以上クリーチャーが並ぶ事はないため、全体除去としての信頼性は十分。
破壊でないため《完璧な策略》のような破壊不能で耐える事を許さない点は強力です。
また、自分がトークンデッキの場合は更に強く扱えます。
適度な数字を指定して、自分は横に並べたトークンを生け贄に、対戦相手は一方的に盤面を崩壊させるというタイミングで使えるのがベストです。
白には既に《報いの時》というトークンデッキ用の全体除去があります。
トークンデッキとは言ってもトークンでないクリーチャーを一切使わない事は稀で、《巧妙な工作員、アリーラ》《キイェルドーの王、ダリアン》などのトークンを生成出来る統率者、《エドガー・マルコフ》《ブレタガルドの守護者、メイヤ》などのトークンを強化出来る統率者はトークンと共に戦場にいる必要があります。
そういったデッキでは専用カードとはいえ《報いの時》は使いづらかったのですが、今回の《招待制》であれば統率者や重要なクリーチャーを残しながら盤面を一掃する事が出来るため、このカードの出番は増えそうです。
《神聖なる憑依/Hallowed Haunting》
白によくあるエンチャントシナジーのカード。
1つ目の能力は達成条件のエンチャント7つというのが厳しいものの、そもそもエンチャントメインの《蘇りしダクソス》《収穫の手、サイシス》《日照のトゥヴァーサ》などでしか採用しないのであれば問題は無いでしょう。
飛行と警戒はシンプルながら、1人を攻撃している間に他2人に攻撃されない上に攻撃を通しやすい、多人数戦では特に強力なキーワード能力の組み合わせです。
真っ当に戦闘を行うような統率者戦においては普段以上に効力を発揮します。
《日照のトゥヴァーサ》は往々にして統率者ダメージを狙う事もありますが、回避能力を持たせられるのは非常に有用です。
2つ目の能力もエンチャントメインのデッキであれば誘発するタイミングは多く、1つ目の能力と相まってすぐに盤面を制圧できるでしょう。
特に《蘇りしダクソス》から生成されるトークンはスピリットなので2つ目の能力で生成されるトークンのサイズを上げ、エンチャントなので1つ目の能力を達成しやすい、と《蘇りしダクソス》専用カードか?と勘違いしてしまうほどのかみ合いを見せます。
《祝福された墓の僧侶/Priest of the Blessed Graf》
自分が土地カードを少なくコントロールしているとスピリットトークンを継続的に生成してくれるクリーチャー。
白には《土地税》などの土地を少なくコントロールしているとメリットがあるカードが多いため、《ギルド無しの公共地》《アゾリウスの大法官庁》などのバウンスランドを採用して戦場に出す土地の枚数を削って活用するのもアリですね。
特に今回の《祝福された墓の僧侶》は自分のターン終了時だけとはいえ継続的にトークンを生成してくれるのは強力で、《大修道士、エリシュ・ノーン》《名誉ある者、ガイージー》《黄金のたてがみのジャザル》などのトークンを強化する統率者にトークン生成カードとしての採用が考えられます。
《オリバクの救済者/Savior of Ollenbock》
訓練をからめた特徴的な能力を持つクリーチャー。
《悪鬼の狩人》系統のように対戦相手のクリーチャーを一時的に除去するカードとして使う事も可能ですが、その場合はこのカードが訓練しないといけない(=このカードと他のクリーチャーの少なくとも2体攻撃しないといけない)というのがネックになります。
《悪鬼の狩人》とは異なりカード1枚で2枚以上追放する事が出来る、というのは一応強みではありますが特に多人数戦でのテンポの悪さは無視できません。
このカードを使いたくなる、他のカードとは異なる点は自分の墓地から追放したクリーチャーを戦場に出せる点です。
《隠道のセフリス》《収穫するものテネブ》のようなデカいクリーチャーを戦場に出すためのカードとして使うのも悪くありません。
最もうまくこのカードを活用するとしたら《シガルダ教の使者、カイラー》《軍団のまとめ役、ウィノータ》のようにある程度クリーチャーを並べて攻撃するデッキで、全体除去で盤面を一掃されてもリカバリーが出来るように保険をかけておく使い方がベストです。
この場合、一つ目の追放する能力で複数枚のクリーチャーを追放出来た方がより強く使えるため、《ストリオン共鳴体》《石成エンジン》で誘発型能力をコピーするのが良いでしょう。
統率者的には《戦導者オレリア》《巨大なるカーリア》あたりはこれらのアーティファクトを使う事が多く、また訓練するためのクリーチャーも比較的多いので採用を検討してもいいでしょう。
《シガルダの召喚/Sigarda's Summons》
コストは重いものの中々派手な能力を持っているエンチャント。
数を並べたトークンに+1/+1カウンターをばら撒いて戦うデッキで最も威力が高くなります。
《エドガー・マルコフ》《胞子の教祖、ゲイヴ》《シャドリクス・シルバークイル》《豊潤の声、シャライ》等々。
統率者が+1/+1カウンターをばら撒かずともトークンデッキで《月皇ミケウス》《聖戦士の進軍》など+1/+1カウンターでの強化手段を多めに採用し、このカードを使う事でも良いでしょう。
トークンを天使にするという事で《神聖な訪問》に近いカードですが、《シガルダの召喚》はトークンを生成する前に出す必要はなく、後出しでもちゃんと仕事をするのが良いですね。
《魂の嵐/Storm of Souls》
自分の墓地から一気にクリーチャーを戦場に戻せるカード。
白は《先祖の結集》のように複数体クリーチャー戦場に戻す場合はコストなどの制限がかかってしまうのが一般的でしたが、今回はそういった制限はありません。
制限がない代わりにサイズが1/1になってしまうというデメリットがあるので、戦場に戻したクリーチャーをそのまま戦闘で活躍させるのはちょっと難しいですね。
白には《目覚ましヒバリ》や《太陽のタイタン》を絡めたクリーチャーベースの無限コンボが多数存在し、他の色も考慮に入れると一気にコンボの選択肢が広がります。
基本的にはこういった無限コンボを一気に揃えるような使い道になりそうです。
《生き埋め》を使える黒との組み合わせが一番コンボを揃えやすそうですね。
黒は他にも複数体クリーチャーを戦場に戻す呪文がいくつかあるため、その選択肢の一つとして《魂の嵐》の採用が考えられます。
《歓迎する吸血鬼/Welcoming Vampire》
《弱者の師》を彷彿とさせるドロー能力を持っています。
1ターンに1回しか誘発しないという厳しい制限がありますが、代わりにマナの追加コストを要求してきません。
《胞子の教祖、ゲイヴ》《風の憤怒、カイカ》《野生の意志、マラス》《リッチの女王、ヴァリーナ》など、ターンが回ってくるまでに何度もトークンを生成出来るデッキであれば無理なく採用出来そうです。
一方《エーテリウム造物師、ブレイヤ》《キイェルドーの王、ダリアン》《エドガー・マルコフ》のように基本的に自分ターン中しか生成出来なかったり、一度に複数体出てきてしまうデッキでは《弱者の師》の方が余ったマナを一気に注ぎ込めるので強く扱える事が多いでしょう。
・青
《飲み込む潮/Consuming Tide》
今回の全体バウンス枠のカード。
《大変動》のように1枚だけバウンスから逃れるカードを選ぶことが可能です。
それぞれのプレイヤーが一番強いものを選んで戦場に残せてしまうため、《脱出》や《壊滅的大潮》のような一時的なリセットボタンとしては使えません。
それこそ《大変動》《一騎打ち》のように統率者単体を戦場に残しつつ相手のブロッカーを削るような使い方がメインになりそうです。
《二柱に愛されしユートロピア》《死体生まれのグリムグリン》のように統率者ダメージを狙う統率者で、なおかつ装備品などにあまり頼らず+1+1カウンターで強化していくような統率者であれば自分への影響を小さくできます。
他にもそれぞれ固有のかみ合い方をする統率者がいます。
《雪花石を率いる者、ブルーナ》は手札に戻したオーラを自身の能力で出し直せるのですぐに盤面を再構築出来ますし、《大渦の放浪者》は逆に統率者を手札に戻して再度続唱を狙えます。
もちろんこのカードをメインに据えるような構築にしても強くはありませんが、ハマった時のリターンが非常に大きいカードですね。
《幽体の秘儀術師/Spectral Arcanist》
青によくある墓地の呪文を再利用するクリーチャー。
今回は呪文のコストは支払わなくても良いというメリットがあります。
その分スピリットの数を用意する必要があるので、《風の憤怒、カイカ》《眠れぬ亡霊、ミレシント》《恒久守護のラナール》などのスピリットを生成出来る統率者で使うと非常に強力です。
特にそれらのデッキは往々にして《時間のねじれ》などの追加ターン呪文を使う構成が多くなり、それを再利用出来れば一気に勝ちに近づけます。
《時間への侵入》など、解決後に追放されてしまう追加ターン呪文には注意が必要です。
《船砕きの怪物/Hullbreaker Horror》
今回の青の大型海産物は中々な能力を持っています。
誘発型能力の2つ目のモードは《潮吹きの暴君》を彷彿とさせるもので、本家同様《太陽の指輪》や《魔力の櫃》など、合計マナ総量以上のマナを生み出せるマナアーティファクト2つで無限マナを生み出せます。
土地を戻す事は出来ないので、本家のようにコピーしてそのまま無限バウンスに繋げて実質勝ちの盤面を作る事は出来ないのは欠点と言えます。
また、《潮吹きの暴君》による勝利を一直線に狙うデッキは《変身》などから出す事が多く、そういったデッキでこのカードを代用として使う場合は《船砕きの怪物》の持つ瞬速+打ち消されないの部分が効力を発揮しないのがちょっと気になりますね。
《潮吹きの暴君》に比べた時の利点は素で引いた時の打ち消し耐性の高さ、《四肢切断》されない本体スペックの高さ、一部の除去に対しては意味をなさないものの、大抵の妨害をはねのける誘発型能力の1つ目のモードがあります。
《変身》から出すだけのデッキではなく、大型クリーチャーをちゃんと扱うような《謎めいた君主、イェンネット》《願いの頂点、イルーナ》などで追加のフィニッシャーとしての採用の方が多いでしょう。
《触発された考え/Inspired Idea》
切除コストで唱えると《連絡》よりも弱いので3マナで唱える事を考えましょう。
3マナでちゃんと手札が2枚増えるカードは《苦い真理》のようにデメリットを持っているか、《黄金都市の秘密》のように達成すべき条件があります。
今回の《触発された考え》は手札の上限枚数が4枚になるというデメリット。
このデメリットは一概に軽いとはいえませんが乗り越える方法はあります。
例えば打ち消しや除去をしっかり構えながらゆっくりアドバンテージを稼いで戦う構成の《老いざる苦行者、アローロ》《パルン、ニヴ=ミゼット》《最高工匠卿、ウルザ》などのコントロール&コンボデッキではそのデメリットは重いものになります。
一方《燃えがらの風、エイデリズ》《空召喚士ターランド》《双対の声、ヴェイラン》など、インスタントやソーサリーを唱える回数が重要なデッキでは一時的にでも手札を増やせるこのカードは輝いてきます。
構造的にも《断絶》《大あわての捜索》《転換》など、手札は減るものの唱える回数は増えるような呪文を多用するため、手札を効率的に4枚以下に納める事が出来るのも強みですね。
ちょっと特殊な使い方になりますが《溺神の信奉者、リーア》《死者の王、ドラルヌ》で使う場合、手札の上限を超えて捨てざるを得なかったインスタントやソーサリーを墓地からも使えるため、実質デメリットを無視する事ができます。
青ければ必ず入るとまではいえませんが、このドローカードを強く使えるデッキは間違いなくあるでしょう。
《二重屍/Necroduality》
何やらすごそうなゾンビシナジーカード。
単純に《縫込み刃のスカーブ》《戦墓の隊長》のようなゾンビに+1/+1修整を持たせるロードが2体出てくるようになれば打点の上がり方は凄まじいですし、《肉袋の匪賊》《アスフォデルの灰色商人》のような強力な戦場に出たとき能力を持つゾンビが2体出てくるのでも非常に強力です。
色の組み合わせは大変ですが《帰ってきた刃の翼》と生け贄手段があれば無限生け贄コンボが可能です。
コピートークンが出た時にレジェンドルールでオリジナルを墓地に置くとコピートークンの能力でオリジナルを対象に取れるので、その能力が解決する前に《ゴブリンの砲撃》などでコピートークンを生け贄に捧げる事で可能になります。
『イニストラード:真夜中の狩り』から続いてきている青絡みのゾンビ推しは今回も良いカードを輩出してくれていますね。
《過充電縫合体/Overcharged Amalgam》
《不許可》を内蔵したクリーチャーカード。
ただ打ち消しのためだけなら他のインスタント、それこそ《不許可》を入れればいいのでこのカードを使うならゾンビ・クリーチャーである事を活用できるデッキで。
《幽霊のゆらめき》などの明滅カード、《死体のダンス》《ネクロマンシー》などのリアニメイトカード、《大鉈のスカーブ》《死体の収穫者》などのゾンビシナジーカード、等々相性のいいカードは多いです。
また、単なる打ち消しとは異なり起動型能力、誘発型能力を打ち消せるのは見逃せないポイントです。
《タッサの神託者》、《変幻の大男》、《孔蹄のビヒモス》などそのまま勝利に直結する誘発型能力は多く、それらを打ち消せるのは強力です。
呪文そのものを打ち消してもいいのですが、これらのクリーチャーは《魂の洞窟》経由で出てきたり《アロサウルス飼い》《夏の帳》で守られながら出てきたりする事もあるため、能力を打ち消せるに越したことはないでしょう。
コンボパーツを打ち消しから守るために使われる《激情の後見》《狼狽の嵐》《白鳥の歌》を無視して妨害出来るのもメリットの一つですね。
《洗い落とし/Wash Away》
新たな打ち消し呪文。
切除コストを使うと普通の《取り消し》なので特筆する事はありません。
統率者戦でこのカードを使う時は1マナで統率者を打ち消せるという点に尽きます。
もちろん《ボーラスの城塞》《未来予知》のようなライブラリーから唱える事、各種フラッシュバックや《ヨーグモスの意志》のような墓地から唱える事等々、1マナで使う場面も多いですが、どれだけ卓のデッキが偏っていてもとりあえず統率者は打ち消せるという事で及第点です。
もちろん終盤以降マナが余ったら《取り消し》として使えるため《拒否》のようなピンポイントすぎてプレイするタイミングに困るような打ち消しよりはデッキに採用しやすい打ち消しと言えるでしょう。
・黒
《スレイベンの大グール/Archghoul of Thraben》
強力なゾンビシナジーカード。
デッキの中がゾンビカードで溢れている場合、「ゾンビが死亡するたびに1ドロー」と同等の効果になります。
トークンでも誘発するのが非常に強力で、《腐敗の大鉈、ウィルヘルト》《グール呼びのギサ》などのゾンビトークンを大量に生成出来るデッキで採用すると生け贄手段と絡めて異様なハンドアドバンテージを稼げます。
ライブラリーの一番上が気に入らなければ墓地に置いて掘り進める事が出来る点も優秀です。
《千の目、アイゾーニ》《ゴルガリの死者の王、ジャラド》《リッチの女王、ヴァリーナ》のようにとにかく墓地を肥やしたい統率者や《スカラベの神》《ネル・トース族のメーレン》《死の頂点、ネスロイ》のような墓地利用する統率者はゾンビカードを多く採用した構成にしやすく、ライブラリーを掘り進める部分だけでも採用を検討できます。
《破滅の織り手/Doom Weaver》
6マナという重いコストに見合ったアドバンテージを獲得できる蜘蛛。
結魂のおかげで何度もドロー能力を誘発させられる事や、1/8到達という生半可な攻撃はしっかりキャッチしてくれるスペックも含めて頼りがいがあります。
組になっているクリーチャーが死亡した時にパワー分カードを引ける、という事で生け贄エンジンを無理なく採用出来るデッキで採用したいですね。
それも《胞子の教祖、ゲイヴ》《千の目、アイゾーニ》のような小さいトークンを生け贄に捧げるようなデッキよりも、《死の波のアラウミ》《グール呼びのギサ》のようなある程度生け贄に捧げるクリーチャーのサイズが大きいデッキでの採用が考えられます。
《戦慄宴の悪魔/Dreadfeast Demon》
悪魔ですがネズミ算式に増えていくクリーチャー。
自身のコストの重さ、誘発するタイミングの遅さはネックですが、一旦戦場に出してしまえばあとは生け贄を6/6飛行というスペックに作り変えていってくれます。
《ベレドロス・ウィザーブルーム》《オルゾフの御曹子、テイサ》《死の波のアラウミ》など継続的に生け贄を要求できるようなトークンデッキで採用すると強力なフィニッシャーとして運用できますね。
特に《死の波のアラウミ》で採用するとあらかじめ墓地に落としておいた《戦慄宴の悪魔》を再演で戦場に出し、ターン終了時に追放される前にそれぞれのトークンを生成する事でコストの重さというデメリットを軽減できるので、最もうまく扱える統率者と言えるでしょう。
《捕食者の刻/Predators' Hour》
最近の黒や赤が得意とする相手のライブラリーの上からカードを奪う能力を与えるソーサリー。
相手にだけ重要なコンボパーツが含まれている場合も裏向きで追放してくれるため、相手への妨害としても優秀です。
自分のクリーチャー全体がこの能力を持つ上、1点でも戦闘ダメージを与えればいいため、トークンを並べるデッキでの(不確定とはいえ)アドバンテージ獲得手段として非常に優秀です。
《胞子の教祖、ゲイヴ》《グール呼びのギサ》など黒絡みのトークンデッキは多く、採用出来るデッキは多いですね。
威迫を持たせるのも最後の押し込みとして強力で、2マナというコストの軽さの割に中盤のアドバンテージ獲得、終盤のフィニッシュ手段どちらでも活用できるこのカードは今後もよく見かける事になりそうです。
《蝕むもの、トクスリル/Toxrill, the Corrosive》
多相を除くと史上初のナメクジ統率者。
7マナというコストの重さに見合った制圧力を持っています。
各終了ステップの開始時に対戦相手のクリーチャーを1サイズずつ縮めていってくれるため、4人プレイの場合自分のターンが戻ってくる頃には対戦相手のクリーチャーはほぼ死亡している事でしょう。
《大修道士、エリシュ・ノーン》と異なり大型クリーチャーも相当弱体化させる事が出来ますし、統率者をモリモリに育てて統率者ダメージを狙うようなデッキであっても十分な制圧力を発揮してくれます。
修正値は相手のクリーチャーに乗ったスライムカウンターの数を参照するため、増殖ギミックを用いる事でより除去範囲を広げられますが、大抵の場合はオーバーキルになるのでそこまで気にする必要は無さそうです。
もし必要になった場合は《伝染病の留め金》《伝染病エンジン》など-1/-1カウンターを乗せてから増殖させるカードを用いると、-1/-1カウンターとスライムカウンター両方増殖させて本来よりも倍のスピードで弱体化させられます。
また、大型クリーチャーに関しては《肉袋の匪賊》などの生け贄要求カードを用いましょう。
大抵の場合目当ての大型クリーチャーをピンポイントで生け贄に捧げさせる事が可能です。
ナメクジトークンを生成する能力は生成されるトークンが1/1と非常に小さいため、《旗印》などを活用しない限りこれだけで勝利する事は難しいでしょう。
素直に起動型能力のコストにあててドローを進めて《蝕むもの、トクスリル》による統率者ダメージを狙ったり何かしらの無限コンボのパーツを集めるような構成になりそうです。
起動型能力に青マナを含むため固有色が2色になり、打ち消し呪文などを採用出来るようになっているのは大きいですね。
7マナという自身の重いコストを賄えるようになるまで耐える必要がありますが、一旦戦場に出せれば圧倒的な制圧力を発揮できる大器晩成型の統率者デッキが組めそうです。
《アンデッドの執事/Undead Butler》
《縫い師への供給者》とまでは言えませんが軽めのコストで墓地を肥やせるシブいゾンビ。
統率者戦で使うには一見地味すぎるように見えますが、《ギサとゲラルフ》《リッチの女王、ヴァリーナ》のように墓地利用するゾンビデッキは非常に多いためすんなりと採用出来そうです。
2つ目の能力で回収できるのがクリーチャーカードだけなので、ゾンビデッキでよく使われる《墓所這い》+《屋根の上の嵐》のコンボパーツを集めようとして《屋根の上の嵐》が墓地に落ちてしまう・・・というような事故が往々にして発生しがちです。
《意志の大魔術師》のようにクリーチャー経由で各種コンボパーツを回収できるようなカードも一緒に採用しておくと安全ですね。
・赤
《運命の改変/Change of Fortune》
《Wheel of Fortune》のようなカード。
このターン中に捨てたカードの総数をカウントするので、他に類似のカードを唱えていると引ける枚数が一気に倍増しますが、その場合は4マナというコストの重さがのしかかってきます。
《火想者ニヴ=ミゼット》《パルン、ニヴ=ミゼット》のような《Wheel of Fortune》系統のカードを片っ端から採用するようなデッキでは普通の働きに留まりますが、《エインジー・ファルケンラス》《怒れる腹音鳴らし》《戦慄衆の勇者、ネヘブ》など一度にたくさん手札を捨てられるようなデッキで使うと爆発的に手札を増やせる可能性があります。
赤いデッキならなんでも、というわけでなく非常にクセの強いカードではありますが上手く使えた時の気持ちよさはたまらない通好みのカードですね。
《印象的な高貴さ/Imposing Grandeur》
こちらも新たな《Wheel of Fortune》系統のカード。
5マナという重さで似たようなカードは《魂の再鍛》という奇跡コストで唱えられるカードぐらいしか基本的には使われていません。
今回は引けるカードの枚数が変動するという特徴をどう活かすかがポイントになってきます。
自分が引ける枚数を増やす事を考えるとやはりマナ総量が重い統率者での採用が一番わかりやすいですね。
《始祖ドラゴン》は特に優秀で、9枚もカードを引いた上に膨れ上がった手札を統率者の能力で一気に掃き出す事が可能です。この統率者のためにデザインされたかのようなかみ合い方ですね。
逆に相手が引けるカードの枚数が減らせるという強みも考えられます。
統率者戦では統率者を出し直すたびにコストが重くなっていくため、よほど強力な統率者でない限りはマナ総量が小さいものが好まれます。
そういった卓の状況でこのカードを使うと「自分だけ手札がたくさん、相手は3枚程度」のような一方的な手札枚数の差をつけられる事も可能です。
相手依存になってしまうのでこれに関してはハマればラッキー程度ですが、このカードにしか出来ない輝き方と言えます。
・緑
《墓所のうろつくもの/Cemetery Prowler》
自分が唱える呪文を軽くしてくれる狼。
《背教の主導者、エズーリ》などのエルフデッキ、《伝承の語り部、チュレイン》のようなクリーチャーベースのチェインコンボ系デッキでクリーチャーを軽くする手段が分かりやすいですね。
また、ソーサリーを追放して《不屈の自然》などの土地サーチ呪文を軽くするのもアリです。
その場合は《怒りの座、オムナス》《水底のドルイド、タトヨヴァ》などの上陸系統率者で採用する事になりそうです。
どちらのケースであっても、戦場に出た時だけでなく攻撃する事で再度追放でき、非常に使い勝手が良いクリーチャーです。
《耕作する巨躯/Cultivator Colossus》
戦場に出た時の誘発型能力が特徴的なデカブツクリーチャー。
《シミックの成長室》などのいわゆるバウンスランドで無限になるかと思いきや、それらの土地が手札に戻すのはこの誘発型能力の解決が全て終わってからなので出来ないという惜しい仕様。
土地がいっぱい出せるという事でやはり《怒りの座、オムナス》などの上陸系統率者とのかみ合いは抜群です。
引いてきた土地を出して更にドローを進める流れが重要なので、土地カードを普通のデッキよりも多く採用するような《迷える探求者、梓》などでも採用出来そうです。
《豊穣》がある状態で《耕作する巨躯》を戦場に出すとライブラリーの中の土地カードを全て戦場に出す事が出来ます。
シンプルに自身のサイズがスゴい事になりますし、上陸回数もとんでもない事になるので実質即死コンボのようになるでしょう。
すでに《豊穣》を採用しているデッキでもこのカードの採用を検討しても良いかもしれませんね。
・多色
《雑食するもの、グロルナク/Grolnok, the Omnivore》
新たな青緑の統率者候補のカエル。
1つ目の能力はそもそも統率者戦で使用に耐えうるカエルは少ないので、実質統率者が攻撃した時の能力です。
効果も3枚切削と比較的マイルドで、2つ目の能力を加味しても無理に弱いカエルをデッキに入れるほどでもないでしょう。
2つ目の能力は3つ目の能力と関連付けて運用するもので、これがこの統率者の真骨頂。
切削や《嘘か真か》《直観》などの効果で墓地に置かれたパーマネントを追放し、それらをプレイ出来るという非常に強力な能力。
パーマネント呪文に限りますが、切削したらその分手札が増えるようなものです。
ルール的に関連付けられているものではなく、蛙声カウンターという特殊なカウンターを使って区別しているため、1回出した統率者で追放したカードを2回目に出し直した統率者の能力でプレイする事が可能です。(《ウルザの後継、カーン》の銀カウンターのようなものですね)
本体のスペックや能力が攻撃的でないため、能力を使ってアドバンテージを稼ぎ、無限コンボを揃えるような構築になるでしょう。
一番わかりやすいのは(そもそも強力なカードですが)《隠遁ドルイド》を起動→基本土地を入れないでデッキを構築してライブラリーを全て墓地に置いて蛙声カウンターを乗せて追放→《タッサの神託者》で勝利という勝ち手段。
これを軸に据えて先述の《嘘か真か》などの「ライブラリーから何枚かを手札、残りを墓地に置く」ようなカードでコンボパーツを集めていくと良いでしょう。
《噓か真か》系のカードは例えば5枚見てそのうちの数枚を手札に加えられるカードですが、《雑食するもの、グロルナク》がいれば5枚とも手札に入るというトンデモカードになるのでそれらを活用していけばコントロールしきる事も不可能ではないでしょう。
コンボ・コントロールデッキとして今後はよく見かける事になりそうです。
《結ばれた者、ハラナとアレイナ/Halana and Alena, Partners》
新たな赤緑の統率者候補。
統率者のパワー分他のクリーチャーに+1/+1カウンターと速攻を持たせるという、《歓楽の神、ゼナゴス》のような能力を持っています。
決定的にそれらと異なるのは+1/+1カウンターのおかげでターンを跨いでも強化が持続し、更に重ねがけすることも出来るという点。
《歓楽の神、ゼナゴス》デッキのように《害霊》で1発即死コンボは出来ませんが、《墨蛾の生息地》などの感染クリーチャーを強化する戦略は未だに強力です。
《歓楽の神、ゼナゴス》と異なり一度強化した感染クリーチャーはその次のターンもまだ強化されたままなのでより強力にサポート出来るようになったと言えます。
《災火のドラゴン》などの攻撃が通った時のボーナス、《業火のタイタン》などの攻撃した時のボーナスがあるクリーチャーももちろん速攻を持たせる事によって即効性が増して更に強力に使えます。
《歓楽の神、ゼナゴス》の場合は《途方もない力》などの一時的に強化するカードと組み合わせる事で一時的に爆発的に強化する事が出来ましたが、今回も統率者に使う事で一時的な強化を+1/+1カウンターによる恒久的な強化に置き換える事が出来、依然として強力です。
自身を強化出来ない事や固有色から《歓楽の神、ゼナゴス》との比較ばかりになりますが、あちらとは異なり今回は統率者自身が除去耐性を持たない事が明確な欠点として考えられます。
単体除去はそもそも採用するであろう《顕在的防御》などで守る事が出来ますが、全体除去などに対しては明確に弱くなってしまっているので対策を考える必要はあります。
統率者ダメージを狙わず、ガツガツ殴るタイプの統率者として今後も活躍が期待できる統率者です。
《真紅の花嫁、オリヴィア/Olivia, Crimson Bride》
オリヴィアが3度目の収録です。
今回のオリヴィアは自分の墓地のクリーチャーを蘇らせる能力を持っています。
赤の《信仰無き物あさり》などのドロー&ディスカードを使って自分の墓地に大型クリーチャーを送り込み、統率者で戦場に戻すというやりたい事が明確な統率者ですね。
注意したいのは統率者で戦場に戻した《背くもの》などの滅殺を始めとした攻撃した時に誘発する能力が最初の1回は誘発しない点。
これを逆に悪用して《穢すものラクドス》の攻撃するたびに誘発してしまうデメリットを無視して攻撃を通す、《残虐の達人》の攻撃制限を無視して攻撃する、これらのコンボは是非採用したいところです。
《巨大なるカーリア》などでも同様のコンボは可能ですが、一旦戦場に出た《穢すものラクドス》《残虐の達人》は《移ろいの門》などの(色的に)限られたカードを使って手札に戻す必要がありましたが、《真紅の花嫁、オリヴィア》の場合は比較的用意しやすい生け贄手段を用いて墓地に戻せばいいので何度もコンボチャンスを作りやすいという点で一歩優っています。
伝説の吸血鬼がいない時に戦場に戻したクリーチャーが追放されるというデメリットもありますが、これを緩和させるためにも生け贄手段はやはり必要です(統率者がいなくなる前に生け贄に捧げて追放ではなく墓地に戻しておくため)。
《ゴブリンの砲撃》は特にコストがかからず、即座に何体でも生け贄に捧げられるのでぜひ採用したいですね。
6マナというコストの重さの割に本体が3/4という少し小さめなスペックが気になりますが、飛行と速攻のおかげで割と能力は誘発させやすく、初心者にオススメな統率者と言えます。
《恐怖の顕現、ウンブリス/Umbris, Fear Manifest》
セットブースター、コレクターブースター限定収録の青黒統率者候補。
対戦相手のカードが追放されていればされているほどサイズが大きくなる、分かりやすい統率者ダメージ狙いの統率者です。
自身の誘発型能力のおかげで自力である程度のサイズアップは可能ですが、対戦相手1人しか対象に取れないため影響力は低く、あまりこの能力に頼り切らない構成の方が良いでしょう。
《カテラン組合の首領》などの傭兵シリーズはホラーでもあるクリーチャーも多く、大体の傭兵が他の傭兵をサーチして誘発回数を稼ぐことが出来るため、傭兵に寄せた構成にしても面白そうですね。
いつどのようにして追放領域にカードが置かれたかに関しては関与しないので、他のカードの効果で追放領域のカードを増やすのが無難です。
《ターシャズ・ヒディアス・ラフター》は非常に相性のいいカードで、1回唱えるだけで21/21以上のサイズにしてくれる可能性もあるこの統率者専用のカードと言って良いものです。
《魂標ランタン》《大祖始の遺産》《虚空の力線》などの墓地対策カードも良いですね。
切削系カードと合わせると簡単にサイズを上げる事が出来ますが、そこまでこだわらなくても上記のような墓地対策カードを採用するだけで十分なサイズになるでしょう。
また、こういったカードを採用する事で自然と墓地利用統率者に対してラッキーウィンを狙えるのも見逃せないポイントです。
対戦相手を1人ずつ統率者ダメージで退場させていくと次第に統率者のサイズが縮んでいってしまう点も欠点としてあります。
退場させていく相手と残る相手の追放されているカードの枚数を把握しながら攻めていく必要があり、見た目以上に勝ち切るのが難しい玄人向けの統率者といえるでしょう。
《さまよう心/Wandering Mind》
戦場に出た時に何かしらの呪文を引っ張ってくる事が出来るクリーチャー。
手札が増えるわけでもなく、必ず手札に加えられるかどうかも安定しませんが、こういったカードを求めていたデッキは多そうです。
最悪《秘儀の印鑑》などのマナアーティファクトや《白鳥の歌》などの打ち消し呪文を手札に持ってこられるだけでも十分仕事をしてくれているでしょう。
《火想者ニヴ=ミゼット》《パルン、ニヴ=ミゼット》デッキは《好奇心》《知恵の蛇の眼》によって即死コンボが出来るので強力ですが、色の性質上エンチャントオーラをピンポイントで探す事は出来ませんでした。今回《さまよう心》のおかげで、ライブラリーの上から6枚だけとはいえ探しにいけるようになったのは大きな進歩です。
更にクリーチャーであるおかげで《幻影の像》などのコピーカードを使って更にライブラリーを掘り進められるようになっているのも高評価ですね。
その他《イズマグナスのミジックス》《星の大魔導師、ヴァドリック》デッキなどは(下準備が済んでいたら)《火想者の予見》を唱える事ですぐに即死コンボに繋げる事が出来ますが、これを探せるカードが1枚増えるだけで安定性が変わってきます。
「クリーチャーでも土地でもない」という制限だけなので、今後も固有色が許す限りはこのカードを使ってコンボパーツを探すような統率者が現れる事も容易に考えられるので、覚えておいた方が良いクリーチャーです。
・アーティファクト
《調査官の日誌/Investigator's Journal》
定期的に現れる無色のドローソース。
今回はプレイヤー(自分でも良い)がコントロールしているクリーチャーの数分ドローしてもよい(タイムラグ有)というものなので、ドローソースに乏しい白系のトークンデッキで追加のドローカードとしての採用が考えられます。
緑が入っていたら《巫師の天啓》など緑の強いドローカードに頼ればいいので固有色によるところが大きいですが、白単、白赤などドローソースを常に求めているようなデッキでは是非採用したいですね。
・土地
《死天狗茸の林間地/Deathcap Glade》
《夢根の滝/Dreamroot Cascade》
《砕かれた聖域/Shattered Sanctum》
《嵐削りの海岸/Stormcarved Coast》
《日没の道/Sundown Pass》
いわゆるスローランドと呼ばれる土地。
真夜中の狩りの時と同様、よほど高速環境でない限りはほぼ問題なくアンタップ状態で出せるため、《雲海》などのバトルボンド土地のように色が合うならとりあえず入れておいて問題はないでしょう。
・統率者デッキを強化しよう!
この項目ではイニストラード:真紅の契りから統率者戦を始めるプレイヤー向けにどういった指針で強化していけばいいのかの解説、そして最初のステップとしての簡単なIN-OUT例(大体20枚前後)を紹介していきます。
デッキリストは公式サイトからご確認いただけます。
「スピリットの戦隊」
統率者候補は《眠れぬ亡霊、ミレシント》と《霊の報復者、ローダ》+《若年の霊、ティミン》。
《霊の報復者、ローダ》+《若年の霊、ティミン》は《霊の報復者、ローダ》をどうにかして育てて統率者ダメージを狙うような構成になりますが、あまりにもサイズアップの速度が遅く、勝ち切れる構成にするのは困難です。
今回は《眠れぬ亡霊、ミレシント》統率者のデッキを考えていきます。
まず統率者自身は4/4飛行という中肉中背サイズ。
飛行という回避能力は備わっているものの統率者ダメージを狙うには少しサイズが心もとないですね。
自身のコストを軽くする能力と誘発型能力のためにもスピリットをたくさん展開する必要があるので、横並べして圧殺する構成が良いでしょう。
この時注意したいのは、統率者のコストを軽くするためにはスピリットトークンも活用できますが、誘発型能力のためにはスピリットトークンを活用できない点です。
従って《深夜の出没》などのスピリットトークンを生成するだけカードよりもスピリットクリーチャーを優先的に採用した方が良いでしょう。
統率者のコストが7マナなので、1~3ターン目に1枚ずつスピリットを展開できると4ターン目に4マナで唱える事が可能です。
1ターン目に展開できるスピリットを多くするとこのスムーズな流れを作りやすいのですが、どうしても1マナ域は貧弱なスピリットが多く、統率者の能力はそれらのスピリットを強化するわけではないため、統率者を出した後の展開が弱くなりがちです。
これは例えば吸血鬼であればなんでもいい《エドガー・マルコフ》などの部族シナジー統率者と決定的に異なる点です。
従って軽いスピリットであればなんでもいいというわけでなく、統率者の誘発型能力のためにも回避能力を持つものを最優先にして、4ターン目に統率者を唱える事にこだわり過ぎない方がいいでしょう。
《クラリオンのスピリット/Clarion Spirit》
《塩水漁り/Brine Comber》
これらはスピリットクリーチャーでありながらスピリットトークンを生成する事が出来るため、統率者のコスト軽減、誘発型能力の誘発どちらにも寄与できる優秀なクリーチャーなのでぜひ採用しましょう。
《上流階級の霊/Patrician Geist》
《伝承の語り部/Teller of Tales》
《運命の扉/Door of Destinies》
《祖先の象徴/Icon of Ancestry》
これらのスピリット・部族シナジーカードは貧弱なスペックが多いスピリットを強化させるためにも必要不可欠です。
《天穹の鷲/Empyrean Eagle》
《重力の変容/Gravitational Shift》
《強風の力、イニアス/Inniaz, the Gale Force》
《天空の刃、セファラ/Sephara, Sky's Blade》
《潮掬い/Tide Skimmer》
《天球の見張り/Watcher of the Spheres》
《空の管理者、カンジー/Kangee, Sky Warden》
青白という色の組み合わせは飛行持ちクリーチャーサポートのカードが多くあります。
ほとんどのスピリットは飛行を持っているので、これも実質的に部族シナジーカードと言って過言ではありません。
これもまた打点を上げてくれるものが多いので採用したいですね。
《沿岸の海賊行為/Coastal Piracy》
《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》
青い横並べデッキでは構築済みデッキにも採用されている《偵察任務》のようなドローカードが非常に強力です。
この2枚のカードは《偵察任》と同様、攻撃が通ったクリーチャーの枚数分カードを引けるため一気に手札を補充する事が出来ます。
似たような能力を持つカードでも、何体攻撃が通っても1枚しかカードが引けないものもあるので採用する時には注意が必要です。
《時間のねじれ/Time Warp》
《カーンの経時隔離/Karn's Temporal Sundering》
《水の帳の分離/Part the Waterveil》
《永劫での歩み/Walk the Aeons》
青いデッキでしっかり戦闘していく必要があるなら追加ターンカードは必要不可欠です。
どうしても高額なカードが多くなってしまううえ、追加ターンカードばかり引いて統率者を出すまでの展開がおろそかになってしまう事もあるので今回はこの4枚のみピックアップしました。
IN 19
《クラリオンのスピリット/Clarion Spirit》
《塩水漁り/Brine Comber》
《上流階級の霊/Patrician Geist》
《伝承の語り部/Teller of Tales》
《運命の扉/Door of Destinies》
《祖先の象徴/Icon of Ancestry》
《天穹の鷲/Empyrean Eagle》
《重力の変容/Gravitational Shift》
《強風の力、イニアス/Inniaz, the Gale Force》
《天空の刃、セファラ/Sephara, Sky's Blade》
《潮掬い/Tide Skimmer》
《天球の見張り/Watcher of the Spheres》
《空の管理者、カンジー/Kangee, Sky Warden》
《沿岸の海賊行為/Coastal Piracy》
《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》
《時間のねじれ/Time Warp》
《カーンの経時隔離/Karn's Temporal Sundering》
《水の帳の分離/Part the Waterveil》
《永劫での歩み/Walk the Aeons》
OUT 19
《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》
《ボレアスの軍馬/Boreas Charger》
《神聖なる魂の守り手/Hallowed Spiritkeeper》
《霊の報復者、ローダ/Rhoda, Geist Avenger》
《空翔ける雪花石の天使/Angel of Flight Alabaster》
《カストーディの従者/Custodi Squire》
《若年の霊、ティミン/Timin, Youthful Geist》
《天を裂くもの、央誉飛/Oyobi, Who Split the Heavens》
《憑依された図書館/Haunted Library》
《密教の天啓/Occult Epiphany》
《アゾリウスのロケット/Azorius Locket》
《真夜中の時計/Midnight Clock》
《分霊の確約/Promise of Bunrei》
《尊い捧げ物/Benevolent Offering》
《禁制品潰し/Crush Contraband》
《突然の救済/Sudden Salvation》
《涙の氾濫/Flood of Tears》
《カーターの怒り/Kirtar's Wrath》
《大判事、ドビン/Dovin, Grand Arbiter》
ここからこのデッキを更に強化していく場合、《霊廟の放浪者》などの軽くて回避能力を持っているスピリットを追加で採用していく事になりそうです。
また、追加ターンを得られるカードも種類・枚数を選別しつつ採用したいですね。
白青という色の組み合わせでここまでアグレッシブなデッキはあまりありませんが、白の全体強化、青の妨害や追加ターンを上手く組み合わせる事が出来れば貧弱な1/1スピリットの軍勢であっても対戦相手3人とも圧倒できる盤面を作る事は可能です。
どうしても盤面を構築する事、対戦相手3人を倒しきる事には時間がかかってしまうためどちらかというと玄人向けの統率者ではありますが、練り込み甲斐のある統率者と言えるでしょう。
・「吸血鬼の血統」
統率者候補は《マウアーの太祖、ストレイファン》と《陽動する者、ロリーン》+《略奪者、カンバー》。
《陽動する者、ロリーン》+《略奪者、カンバー》は《陽動する者、ロリーン》で使嗾した対戦相手のクリーチャーがうまく死亡してくれて《略奪者、カンバー》を誘発させる、《ひとつ目の暴君、カラジカール》《戦争織り、タンティス》のような無駄な戦闘を引き起こすようなデザイン。
上手く事が運んで《略奪者、カンバー》が得られるリソースが1点ライフと血トークン1個(恐らくそのまま《陽動する者、ロリーン》のコストに使われる)と非常に小さいため、残念ながらこの共闘で勝ち切るのは難しいでしょう。
今回も扉絵の統率者《マウアーの太祖、ストレイファン》を使用した構成を考えていきます。
まずは1つ目の誘発型能力。
ライフを失ったプレイヤーの人数だけを見るので、各プレイヤーや各対戦相手にダメージを与えるorライフを失うカードを探します。
《暴動の長、ラクドス》統率者デッキでも常に似たような人材を探しているため、そちらのデッキリストも参考になりそうです。
《槍播き/Spear Spewer》
《火傷吐きグレムリン/Blisterspit Gremlin》
《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》
《ヒル溜りの沼/Leechridden Swamp》
《マルドゥの影槍/Mardu Shadowspear》
《鼓動の追跡者/Pulse Tracker》
《敵意ある征服者/Vicious Conquistador》
《謎の石の断片/Cryptolith Fragment》
これらのカードはコストが非常に軽く使いやすいものです。
3マナ以上のカードに目を向けてみると《騒乱の落とし子》《硫黄投石器》など種類は多いのですが、ライフを失ったプレイヤーの人数だけを見る都合上、複数枚こういったカードを固めて引いてしまった場合に無駄になってしまう点が懸念点としてあります。
今回はとりあえずこの8種類をピックアップしますが、もし足りなさそうであれば適宜追加していきましょう。
もし普段プレイしている環境で軽いクリーチャーがたくさん出てきて困っている場合は(身内メタのようになってしまいますが)《黒死病》《紅蓮炎血》《疫病吐き》などの「すべてのクリーチャーとプレイヤーにダメージを与える」系のカードを採用しても良いでしょう。
1つ目の能力で生成した血トークンは2つ目の能力で使用していきます。
要は吸血鬼のコストを踏み倒せるというものなので、素直にマナ総量が大きくて強力な吸血鬼を採用しましょう。
《カラストリアの血の長、ドラーナ/Drana, Kalastria Bloodchief》
《影の悪鬼/Fiend of the Shadows》
《ゲトの血の長、カリタス/Kalitas, Bloodchief of Ghet》
《オリヴィアの付き人/Olivia's Attendants》
構築済みデッキに入っていない大型吸血鬼ではこの辺りが採用圏内ですね。
《巨大なるカーリア》デッキにおける《残虐の達人》のような分かりやすい即死コンボが出来るような吸血鬼がいないため、統率者をしっかり活用してデッキを組む事を考えると、大型吸血鬼を展開して盤面を制圧していくボードコントロールのようなちょっとゆったり目のデッキになりそうですね。
血トークンは統率者の2つ目の能力で使用も出来ますが、その使い方以外にも活用できる手段を入れておくと、手札に大型吸血鬼が無かった場合でも血トークンを無駄にしなくて済むのでスムーズに展開できます。
《バッグ・オヴ・ディヴァウアリング/Bag of Devouring》
《肉体彫刻家、ケスキット/Keskit, the Flesh Sculptor》
《血清の水槽/Serum Tank》
《交易所/Trading Post》
これらのカードは自分のアーティファクトをハンドアドバンテージに変換できるものです。
血トークンはそのまま使うと手札が増えないのでこういったカードでしっかりと手札を増やしていくようにしましょう。
《艱苦の伝令/Herald of Anguish》
《鼓舞する彫像/Inspiring Statuary》
即席持ちのカードはあまり多くありませんが、《鼓舞する彫像》があればほぼ全てのカードが即席を得るため、一気に展開力が増します。
《艱苦の伝令》ももちろん強力な除去能力も持っているためどちらも是非採用したいですね。
IN 17
《槍播き/Spear Spewer》
《火傷吐きグレムリン/Blisterspit Gremlin》
《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》
《ヒル溜りの沼/Leechridden Swamp》
《マルドゥの影槍/Mardu Shadowspear》
《鼓動の追跡者/Pulse Tracker》
《敵意ある征服者/Vicious Conquistador》
《謎の石の断片/Cryptolith Fragment》
《カラストリアの血の長、ドラーナ/Drana, Kalastria Bloodchief》
《影の悪鬼/Fiend of the Shadows》
《ゲトの血の長、カリタス/Kalitas, Bloodchief of Ghet》
《バッグ・オヴ・ディヴァウアリング/Bag of Devouring》
《肉体彫刻家、ケスキット/Keskit, the Flesh Sculptor》
《血清の水槽/Serum Tank》
《交易所/Trading Post》
《艱苦の伝令/Herald of Anguish》
《鼓舞する彫像/Inspiring Statuary》
OUT 17
《凶兆の廃墟/Foreboding Ruins》
《祖先の道/Path of Ancestry》
《血の芸術家/Blood Artist》
《流城の死刑囚/Stromkirk Condemned》
《陽動する者、ロリーン/Laurine, the Diversion》
《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》
《血誓いの使用人/Bloodsworn Steward》
《ファルケンラスの貴族/Falkenrath Noble》
《真紅の儀仗兵/Crimson Honor Guard》
《ラクドスの魔除け/Rakdos Charm》
《食餌の衝動/Urge to Feed》
《禍々しい協定/Damnable Pact》
《ステンシア仮面舞踏会/Stensia Masquerade》
《溶鉄の残響/Molten Echoes》
《印象的な高貴さ/Imposing Grandeur》
《不吉なワルツ/Sinister Waltz》
《群衆の掟/Mob Rule》
ここから強化していく場合、方向性を明確に定めるのが良いでしょう。
《血・トークン》(=アーティファクト)をたくさん生成出来る点に注目するのであれば《ピア・ナラーとキラン・ナラー》《カルドーサの鍛冶場主》《無謀な炎織り》などのアーティファクトシナジーのカードをより多く採用してアーティファクトメインのデッキに仕上げていく事も可能です。
吸血鬼を展開していく点に注目するのであれば、《新たな血族》などの吸血鬼シナジーのカードやシンプルに《運命の扉》などの部族シナジーのカードを採用して展開力・爆発力を上げていく事も可能です。
《血・トークン》・吸血鬼をうまく活用して吸血鬼らしいトリッキーな立ち回りを楽しめる統率者と言えますね。
今回の『イニストラード:真紅の契り』編の記事は以上で終了となります。
年末年始で久々にご友人と会って統率者戦を遊ぶ方も多いと思います。
是非真紅の契りで参入した新しいカードを使って楽しい統率者戦ライフを過ごしてください!
では次回は2022年の『神河:輝ける世界』編でお会いしましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!