岡本桂多のKill them All!~『サンダー・ジャンクションの無法者』編・前編~
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皆さん楽しい統率者戦ライフをお過ごしでしょうか?
僕は前回のカルロフ邸殺人事件では
《地震土竜、アンズラグ/Anzrag, the Quake-Mole》
《深海の調査員、モルヴォ/Marvo, Deep Operative》
《嗅ぎ回る探偵、ソフィア/Sophia, Dogged Detective》
《光輝の調停者、フェザー/Feather, Radiant Arbiter》
この4つのデッキを組んで遊んでいました。
《地震土竜、アンズラグ》は言わずもがなスピード感がクセになりますし、ブロックを強要させるカードも普段使わないカードばかりなので新鮮なプレイ体験ができました。
《深海の調査員、モルヴォ》はデッキの構造上ライブラリー操作が多く、スムーズにデッキを動かす事が出来るストレスフリーなデッキになりました。
総じてどれもパワーを感じられる良い統率者でした!皆さんはどんな統率者を組みましたか?
さて、今回の『サンダー・ジャンクションの無法者』は新たな次元が舞台。
とはいえ過去にチラッとお目見えした《小物泥棒、チビボネ》や、各種フォーマットで暴れ回った《王冠泥棒、オーコ》など見覚えのあるキャラクターが多く集結しているようです。
新ギミックはいくつかありますが、統率者戦に影響がありそうなのは計画でしょうか。
計画コストを支払うと追放され、後の自分ターン中にマナコストを支払う事なく唱えられるというもの。
待機に似ていますがこちらは1ターン待てば後はいつ唱えるか自分で調節できる柔軟性の高さがウリ。
また、計画された状態で追放する効果も多く存在するため、思っている以上に今後見かけるシーンが多くなるかもしれません。
追放領域から唱えるので《秘本に縛られし者、プロスパー》《戦時大統領、ラシロン》《模造品乗り、ミジックス》《12代目ドクター》などなど、最近増えてきた追放領域も活用できる統率者は強化されるでしょう。
計画状態から唱える時はマナコストを支払わなくていいというのももちろん強力。
《語りの神、ビルギ》《ウラブラスク》《伝承の語り部、チュレイン》《ジン=ギタクシアス》など1ターン中に連続して呪文を唱える事で恩恵を受ける統率者で、計画状態のカードをため込んでおいて一気に唱える動きは中々爽快感がありそうです。
それではいつも通り新セットの中身を見ていきましょう!
目次
・注目カード5選
・注目統率者ピックアップ
・統率者デッキを強化しよう!(後編にて掲載)
5位《エイヴンの阻む者/Aven Interrupter》
一時的に呪文の解決を先延ばしにする能力を持つクリーチャー。
白2マナを含む3マナを構えておかないといけないため、自分の展開の阻害になりやすい点は気になります。
計画されたカードはそのターンは唱え直す事が出来ないので、確実に1ターン稼ぐことは可能です。
1ターン稼ぐ意味合いの方が強いので、(唱え直しは2マナになりますが)《確実性の欠落》と似たような使い方になるでしょう。
同一ターン中に複数回行動したり、対戦相手がコンボを仕掛けてくるタイミングなどに差し込む事ができれば確実に相手のテンポを崩せます。
また、対戦相手から使われた打ち消し呪文に対してこれを使えば今後その打ち消し呪文は一切の意味をもたなくなります(計画されたカードはソーサリータイミングでしか唱えられない=スタック上に打ち消したい呪文があっても唱えられないため)。
常在型能力に関しては対戦相手にしか制限がかからないという事もあり、いわゆるヘイトベアとしての性能もそこまで悪くありません。
墓地から唱えるタイプの墓地利用デッキや続唱デッキなど、一部のデッキにとっては2マナコストが重くなるのは相当な痛手となりますね。
《ジェスカの意志》などの衝動的ドローに対しても作用するため、地味に引っかかるデッキ/カードは多いでしょう。
他のヘイトベアに比べると少し制限が緩めなのでヘイトベアをとにかく採用したいデッキで追加採用すると良いでしょう。
4位《大規模な列車強盗/Great Train Heist》
新たな追加戦闘フェイズカード。
今回は珍しくメインフェイズではなく戦闘フェイズ中に唱える事で追加の戦闘フェイズが行えるデザイン。
追加戦闘フェイズだけで見ると合計4マナと《連続突撃》と同じコストになります。
《原初の嵐、エターリ》《ネファリアの災い、ジェリーヴァ》《ヴェロマカス・ロアホールド》など、戦闘フェイズ中にマナコストを踏み倒して呪文をプレイ出来るカードは今までは追加戦闘フェイズカードをあまり枚数取る事が出来ませんでしたが今回久々の追加になります。
マナコストを踏み倒して唱える場合、放題の追加コストは支払う必要はありますが、そもそも今まで唱えられるものが少なかったので枚数が増えるだけでも十分ありがたいですね。
また、マナ総量自体は1マナなので《カパロクティ・サンボーン》《バラルとカーリ・ゼヴ》などマナ総量に制限があるコスト踏み倒しカードにも対応してくれます。
これらもやはりマナコストを踏み倒して唱えているので、放題の追加コストは支払う必要はありますが、更に戦略に幅をもたせられますね。
放題の2つ目と3つ目の能力はそこまで強力なものではないので、マナが余っていたら使うかな、程度に考えておいていいでしょう。
3位《宝物庫の鍵/The Key to the Vault》
修正は入らないものの、戦闘ダメージをプレイヤーに与えた時に誘発する能力を付与してくれる装備品。
青を含む攻撃的な統率者で使い、《時間のねじれ》などの追加ターン呪文を探しにいく使い方が分かりやすく強力です。
この能力で唱えるカードはマナコストを支払わなくていいので、追加ターン呪文がめくれなくとも十分強力です。
唱えられなかったカードは追放されたりせずちゃんとライブラリーに戻ってくれるので、今「必要ではないが後程必要になるコンボパーツ」などがめくれてしまっても安心です。
《秘密売り、ティヴィット》《大渦の放浪者》のような大型の統率者でもいいですし、《鋭い目の航海士、マルコム》《浄火の戦術家、デリーヴィー》のような小型ながらも攻撃を通しやすい統率者で使って細かくリソースを増やしていくのもいいでしょう。
他にもある程度攻撃しやすい統率者であれば特別なサポートを考えなくとも採用してしまってもいい、非常に強力なカードです。
2位《潜入者、悟/Satoru, the Infiltrator》
新たな《梅澤悟》は2マナ2/3威迫と大人しめのサイズ。
能力は、クリーチャーを唱えずに戦場に出すorマナを支払わずに戦場に出す事で1ドローできるという誘発型能力。
これを誘発させるタイミングは結構あります。
まずは《本質の変転》のような明滅カード。
《儚い存在》《永遠王、ブレイゴ》擁する白も含められると一気にバリエーションが増えますが、青だけでも《ブラー》《狙い澄ましの航海士》《相変位》《ディスプレイサーの仔猫》《幽霊のゆらめき》《幻術師の謀》等々他にも多数存在します。
これらの明滅カードを自然とデッキに採用しやすい《偉大なる統一者、アトラクサ》《暗闇の君主、ベ=ラコール》《深海の破滅、ジャイルーダ》などにこのカードを忍ばせておくとどんどんドローできますね。
テキストの書き方から、《幽霊のゆらめき》のような複数体を一度に戦場に戻すカードでは1枚しかカードが引けない点は残念ですがそれでも十分なドローが見込めます。
続いてフレイバー通り忍術を持つカード。
有名な《虎の影、百合子》デッキや《梅澤悟》デッキであれば忍術を行う回数も多く、忍術するたびに1ドローが付いてくると考えると破格の性能ですね。
本人が威迫を持っているので忍術のためのアタッカーにも出来ますが、このカードを手札に戻してしまうとドローが出来ないので、忍術を行うべきかは状況を見て判断しましょう。
本人も忍者たなめ《虎の影、百合子》の能力誘発もちゃんと出来るので、そのまま戦闘ダメージを通した方がいいケースが多いでしょう。
黒お得意の《再活性》系の墓地利用、通称リアニメイトも誘発させるチャンスですね。
《沈まぬ者、鉄面提督》《ンガスロッド船長》《偏執的な理論家、ミルコ》《裏切り者の王、セドリス》《隠道のセフリス》《トリックスター、ザレス・サン》など、固有色青黒を含む統率者で墓地利用がメインのカードは多くあります。
リアニメイト自体が基本的に強い動きですが、そこに更に1ドローもオマケで付いてくるととんでもないリソースの稼ぎ方になりますね。
この中では《裏切り者の王、セドリス》統率者デッキでの運用が特にオススメです。
《裏切り者の王、セドリス》が付与する蘇生コストはどんな大型クリーチャーでも黒含む3マナ固定と大分軽めなので《潜入者、悟》の能力を誘発させやすいです。
蘇生はターン終了時or戦場から他の領域に移動する場合代わりに追放されるというデメリットを持っていますが、これは明滅カードを使うと追放領域に移動し(蘇生による追放ではない)、戦場に戻ってきたときには蘇生によって戦場に出たという情報がなくまっさらな状態で戻って来ます。
従って《裏切り者の王、セドリス》デッキに明滅カードを入れる事が多く、蘇生でも明滅でもドローが誘発する《潜入者、悟》はデッキの動きにピッタリというわけですね。
また、自力で墓地から戻ってくるクリーチャーも歴史上多数存在します。
《恐血鬼》《血に染まりし勇者》《大釜の使い魔》《冥界の裏切り者》《屍賊の貪り食い》《ポクスウォーカー》《組み直しの骸骨》などはある程度条件があるものの唱えずに戦場に戻ってこれるカード。
《血の暴君、シディシ》《ジモーンとダイナ》などの統率者で、《狂気の祭壇》などの生け贄&切削手段と合わせて墓地を肥やしつつリソースを確保するデッキでの採用が考えられますね。
自力で戻るといえば《小型マスティコア》のような頑強持ちや《ゲラルフの伝書使》のような不死持ち、また似たような能力を付与する《まだ死んでいない》などの黒のインスタント。
黒には《不浄なる者、ミケウス》という強力なクリーチャーもいますし、クリーチャー絡みの無限コンボをデッキに組み込みつつ《潜入者、悟》のドローを狙っていくのもアリですね。
マナが支払われていなければ、唱えて戦場に出しても良いというのも見逃せない誘発タイミング。
ただ、《全知》や《アミナトゥの占い》などそもそもそういったコスト踏み倒しカード自体は唱える事が難しい代わりにリターンが大きく、そこに《潜入者、悟》によって1ドローが追加されてもオーバーキル気味になってしまう事が多いでしょう。
《バラルの巧技/Baral's Expertise》
《鏡に願いを/Beseech the Mirror》
《対抗激/Counterlash》
《捜査員、ジェイコブ・ハーキン/Jacob Hauken, Inspector》
《風への放流/Release to the Wind》
《呪文乗っ取り/Spelljack》
・・・比較的軽いコストでコストを踏み倒せるカード。
どれも一癖あるカードばかりで手放しで使いやすいと言えるのは《バラルの巧技》ぐらいでしょうか。
他にも続唱や発見でクリーチャーカードがめくれればそれでもドローが誘発しますが、不確定要素が強くそこまでオススメできません。
《潜入者、悟》は伝説なので統率者にする事も可能です。
リターン自体は1ドローと強力ではありますが、これだけでゲームに勝てるかというと怪しい部分があるため、統率者にする場合は明確な勝ち手段を決めておく必要があります。
今まで紹介した方法(明滅、忍術、リアニメイトなど)でドローはしやすいのですが、ドローをするだけで別にゲームを決めていないと他のプレイヤーから「なにか分からんがヤバそう」とヘイトを買ってしまい無駄に攻撃や妨害をされてしまう危険性があります。
統率者としての活躍よりも他のデッキに入れた時の働きで注目されそうなカードですね。
1位《鉄道の喧嘩屋/Railway Brawler》
今回僕が個人的に一番注目している、使ってみたいのはこちらの後続のクリーチャーに+1/+1カウンターを乗せてくれるクリーチャー。
自身が5マナとシステムクリーチャーとして扱うには少しコストの重さが気になりますが、計画コストが4マナと1マナ軽くなります。
すぐに5/5のブロッカーが必要でなく、能力をしっかりと活用したいのであれば一旦計画しておくのが良いでしょう。
ソーサリータイミングの全体除去などからこのカードを守る事ができ、必要になった時に唱える→すぐに後続のクリーチャーを戦場に出す事で「仕事をする前にシステムクリーチャーが処理されてしまう」という状況を回避する事ができます。
+1/+1カウンターを乗せてくれるので、《小型マスティコア》などの頑強持ちのクリーチャーと《爆破基地》などの生け贄手段が揃うと、頑強による-1/-1カウンターを+1/+1カウンターで相殺させる無限頑強コンボが出来ます。
こういった+1/+1カウンターを乗せてくれるカードは着々と数が増えてきているので、頑強持ちと合わせてそれぞれ複数枚採用して無限コンボを安定させられます。
乗せてくれる+1/+1カウンターの量も後続のクリーチャー次第で多くできるため、シンプルにクリーチャー強化カードとしての活躍も可能です。
《希望の紡ぎ手、アルウェン》《結ばれた者、ハラナとアレイナ》《ターナジール・クアンドリクス》《究極のハイブリッド恐竜、インドラプトル》《首席議長ゼガーナ》のように統率者自身のサイズアップをしたいデッキ、《魂浸し、ダイナ》《ゴルガリの死者の王、ジャラド》《焼却するもの、ジアトラ》のように統率者ではなく生け贄に捧げるクリーチャーのサイズアップをしたいデッキでの活躍が見込めます。
また、《魂を呼び覚ます者、煌拳》《胞子の教祖、ゲイヴ》《スカイクレイブの荒廃者、グラークマウ》《最後のアブザン、レイハン》《シャライとハラー》などの+1/+1カウンターを活用する統率者デッキでも活躍できそうですね。
ここまで紹介した統率者の中ではドロー量を倍に出来る上に《鉄道の喧嘩屋》のサイズが頼もしい《首席議長ゼガーナ》、生け贄手段や頑強持ちを採用しやすい《胞子の教祖、ゲイヴ》で特に活躍できそうです。
・注目統率者ピックアップ
《厄介者、ギサ/Gisa, the Hellraiser》
単体でカード化するのは3回目となる《グール呼びのギサ》は今回もゾンビの群れを扱う統率者候補。
除去耐性の護法は2マナと2点ライフの支払い。
2マナは比較的重く、大抵は自分の動きを1ターンぐらい我慢しないと単体除去を使えなくなるので、大分場持ちが良くなります。
1つ目の能力はスケルトンやゾンビに+1/+1修整と威迫を付与するという常在型能力。
ただの修整だけでなく威迫も付与してくれるのはゾンビの群れで攻撃していくコンセプトに非常にマッチしています。
ゾンビシナジーのカードは非常に多くあるためすべてを紹介する事はできませんが、いくつかピックアップしていきましょう。
《スレイベンの大グール/Archghoul of Thraben》
《墓地を刈り取るもの/Cemetery Reaper》
《滅びし者の勇者/Champion of the Perished》
《死体の収穫者/Corpse Harvester》
《墓所破り/Cryptbreaker》
《闇の救済/Dark Salvation》
《死の男爵/Death Baron》
《ミルクルの死の僧侶/Death-Priest of Myrkul》
《終わり無き死者の列/Endless Ranks of the Dead》
《宝石の手の汚染者/Gempalm Polluter》
《墓生まれの詩神/Graveborn Muse》
《墓所這い/Gravecrawler》
《墓地生まれの君主/Gravespawn Sovereign》
《無情な死者/Relentless Dead》
《アンデッドの占い師/Undead Augur》
《アンデッドの戦長/Undead Warchief》
《ワンド・オヴ・オルクス/Wand of Orcus》
・・・相性の良さそうなゾンビシナジーカード。
《死の男爵》は数あるゾンビ強化クリーチャーの1枚ですが、接死を持たせる部分が強力です。
統率者のおかげで威迫を持つので2体以上のブロックを強要しますが、更に接死も持っているとほぼ確実に1対2交換を要求できるようになります。
単純にゾンビを強化するだけの全体修整カードは他にもいくつかあるので、打点に不安が残る場合は《ウルドのオベリスク》や《リリアナの支配》などを追加していくと良いでしょう。
2つ目の能力は今回の新ギミックである「悪事を働く」たびに誘発する能力。
タップ状態、毎ターン1回という制約があるものの2/2のゾンビトークンを2体も生成できます。
2/2とはいえ1つ目の能力のおかげで少なくとも3/3威迫、他にゾンビを強化できるカードがあれば更にサイズアップさせる事も容易です。
この2つ目の能力を活用してゾンビトークンの群れを生み出して圧殺するのが分かりやすい勝ち手段となるでしょう。
悪事を働くカードは普通の統率者で使われるものでは《致命的なはしゃぎ回り》などの単体除去や《再活性》《ネクロマンシー》などの墓地利用カード、特殊な所では《法務官の掌握》のような対戦相手のライブラリーからカードを奪うカードなどがメインになります。
これだけでは到底足りないので、継続的に、かつ少ないコストで悪事を働けるカードを探してみましょう。
《呪詛の寄生虫/Hex Parasite》
《ゾンビの先駆者/Zombie Trailblazer》
《スランの医師、ヨーグモス/Yawgmoth, Thran Physician》
《深淵の大魔術師/Magus of the Abyss》
《歯牙収集家/Tooth Collector》
《不朽処理者の道具/Embalmer's Tools》
《終末を招くもの/Endbringer》
《メロウの骨かじり/Merrow Bonegnawer》
《筆写かじり/Scrib Nibblers》
《爆破基地/Blasting Station》
《ハグラへの撤退/Retreat to Hagra》
《薄煙の信徒/Smolder Initiate》
・・・追加のマナをかけずに悪事を働けるカード。
《深淵の大魔術師》は対戦相手のクリーチャーを毎ターン対象に取りつつ破壊するという非常に《厄介者、ギサ》と相性の良いクリーチャー。
盤面を制圧しつつ自分はゾンビトークンを破壊すればいいので、すぐにこちらに有利な盤面にひっくり返す事が出来るでしょう。
《Soldevi Sentry》
《疫病媒体/Plaguebearer》
《病に倒れたルサルカ/Plagued Rusalka》
《思考抜きの魔女/Thoughtpicker Witch》
《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》
《銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem》
《救われぬ者、クラヴ/Krav, the Unredeemed》
《Krovikan Horror》
・・・1マナ必要なものの悪事を働くカード。
クリーチャーを生け贄に捧げる追加コストがあるものが多いですが、自分はゾンビトークンが潤沢に用意出来ているはずなので問題になることはないでしょう。
《Soldevi Sentry》はニッチなカードですが、今のオラクルでは1マナで対戦相手を対象に取るだけで何も起きないカードなので今回のデッキコンセプトにはピッタリですね。
《原初の死、テジマク/Tetzimoc, Primal Death》
《精神創傷/Mind Slash》
《鼠の骨読み/Nezumi Bone-Reader》
《サディストの催眠術師/Sadistic Hypnotist》
《卑劣な拷問者、ブリッツウィング/Blitzwing, Cruel Tormentor》
《ロークスワインの宮廷/Court of Locthwain》
《墓所の嵐/Gravestorm》
《略奪者の痕跡/Raiders' Wake》
《深淵からの魂刈り/Reaper from the Abyss》
《下水王、駆け抜け侯/Lord Skitter, Sewer King》
《アーボーグの掃除屋/Urborg Scavengers》
・・・基本的に自分のターン中だけにはなりますが、軽いコストで継続的に悪事を働くカード。
《サディストの催眠術師》は黒絡みのトークンデッキでは定番ともいえるハンデスクリーチャー。
今回はサイズが割と優秀なので少しもったいないですが、ゾンビトークンを並べる事は出来るのですぐに対戦相手の手札を空に出来ます。
《血の芸術家/Blood Artist》
《ファルケンラスの貴族/Falkenrath Noble》
《サングィナリー・プリースト/Sanguinary Priest》
《絞り取る悪魔/Extractor Demon》
《血管切り裂き魔/Vein Ripper》
《棘噛みの杖/Thornbite Staff》
《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》
・・・条件付きで悪事を働くカード。
《血の芸術家》などはクリーチャーの死亡によって誘発するので、《ファイレクシアの供犠台》など何かしらの生け贄手段を採用しておくとより能動的に悪事を働けます。
ゾンビデッキであれば《墓所這い》+《ファイレクシアの供犠台》+《血の芸術家》等で無限ドレインコンボが出来、それぞれ単体でも役割を持てるので忍ばせておくと良いですね。
《インプのあざけり/Imps' Taunt》
《屠殺/Slaughter》
・・・バイバックを持っているインスタント。
4マナや5マナなのでターンが一周するたびに何度も使えるわけではありませんが、それでも継続的に悪事を働けるこれらのカードはこの統率者ならではのカードといえますね。
《厄介者、ギサ》は新ギミックも駆使できる黒単ゾンビデッキが作れそうです。
トークンの生成回数は1ターンに1回と少し不安な点も残りますが、一度に2体生成できる生成速度は中々に強力ですし、自身がゾンビを強化できる点も優秀です。
ゾンビデッキを使っていた方、これからゾンビデッキを組んでみたい方はこの統率者でデッキを組んでみると面白いかもしれませんね。
《秒刻みのオベカ/Obeka, Splitter of Seconds》
二度目の登場となる《粗暴な年代学者、オベカ》は今回も中々特徴的な能力を持っています。
4マナ2/5威迫と比較的戦闘ダメージを与えやすいスペックをしていますが、統率者ダメージを狙うにはこのままだと少し打点不足になりそうです。
持っている誘発型能力は、戦闘ダメージを与えたらその点数分追加のアップキープステップが得られるという今までにない能力。
アップキープは何かしらの能力がない限りは追加されても何も起きません。
普段あまり注目する事のないアップキープステップに関連するものを探していきましょう。
《祖先の幻視/Ancestral Vision》
《鼓舞のリフレイン/Inspiring Refrain》
《ギトゥのジョイラ/Jhoira of the Ghitu》
《不敬な教示者/Profane Tutor》
《現実のストロボ/Reality Strobe》
《熱狂のリフレイン/Rousing Refrain》
《わかれ道/The Parting of the Ways》
《10代目ドクター/The Tenth Doctor》
・・・まずは待機関連のカード。
《鼓舞のリフレイン》のような一度唱えた後また待機されるカードは本来であれば悠長すぎるので採用される事はありませんが、《秒刻みのオベカ》なら頻繁に唱える事が出来るので一気に強力カードに化けます。
《予言により/As Foretold》
《妖術の達人ブレイズ/Braids, Conjurer Adept》
《クロノゾア/Chronozoa》
《エンバレスの宮廷/Court of Embereth》
《死胞子のサリッド/Deathspore Thallid》
《戦慄衆の侵略/Dreadhorde Invasion》
《壮麗な複製/Extravagant Replication》
《追われる足跡/Followed Footsteps》
《鏡の間のミミック/Mirrorhall Mimic》
《機械化製法/Mechanized Production》
《飛行機械の諜報網/Thopter Spy Network》
《執念の徳目/Virtue of Persistence》
あ
・・・トークンを出したり、様々な展開をサポートしてくれるカード。
この中では《機械化製法》はコピートークン生成スピードが異様に早くなりますが、そのまま特殊勝利も十分狙えるようになっています。
他の特殊勝利系カードも自分のアップキープ開始時に条件を満たしているかチェックするものが多いですが、《秒刻みのオベカ》なら戦闘フェイズが終わったらすぐにチェックしてくれるのでタイムラグなく特殊勝利できるのでオススメですね。
《血の贈与の悪魔/Bloodgift Demon》
《指輪の誘い/Call of the Ring》
《墓生まれの詩神/Graveborn Muse》
《風見の本殿/Honden of Seeing Winds》
《クメーナの覚醒/Kumena's Awakening》
《真夜中の時計/Midnight Clock》
《解放された精神/Mind Unbound》
《ネズリルのパズル房/Netherese Puzzle-Ward》
《前哨地の包囲/Outpost Siege》
《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》
《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
《ニンの杖/Staff of Nin》
《シディシの手、テイガム/Taigam, Sidisi's Hand》
《タミヨウの日誌/Tamiyo's Journal》
《酒場流喧嘩殺法/Tavern Brawler》
《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》
《黄昏の預言者/Twilight Prophet》
《撒けない追っ手/Unshakable Tail》
《異端の法務官、ウラブラスク/Urabrask, Heretic Praetor》
《ヴァンスの爆破砲/Vance's Blasting Cannons》
《ファイレクシアの幻視/Visions of Phyrexia》
《ワイルドウェイストランド/Wild Wasteland》
・・・ドロー、ドロー操作などのカード。
赤は特に衝動的ドローがアップキープに誘発するものが多いですね。
《秒刻みのオベカ》で追加されたアップキープの後にちゃんと第二メインフェイズが入るのでプレイするタイミングがちゃんとあるので安心です。
ただ、衝動的ドローが多すぎるとコンボパーツをプレイしきれなかった場合に追放されっぱなしになってしまう点には注意が必要です。
《底無しの縦穴/Bottomless Vault》
《アヴェルヌスへの下降/Descent into Avernus》
《ドワーフの砦/Dwarven Hold》
《砂のサイロ/Sand Silos》
《際限無き成長の祭殿/Shrine of Boundless Growth》
・・・あまり多くはありませんがマナに関連するカード。
《底無しの縦穴》などのいわゆる貯蔵ランドは本来であればほとんど使われる事のないカードですが、《秒刻みのオベカ》がいれば貯蔵するスピードを加速させられるので一気にマナを伸ばす事が可能になります。
《激憤の宮廷/Court of Ire》
《野望の宮廷/Court of Ambition》
《忍び寄る驚怖/Creeping Dread》
《狡猾な忘術士/Cunning Lethemancer》
《激憤の本殿/Honden of Infinite Rage》
《夜陰の本殿/Honden of Night's Reach》
《変節/Recantation》
《水位の上昇/Rising Waters》
《力増す轟き/Rumbling Crescendo》
《不快な鎮魂歌/Vile Requiem》
・・・除去や手札破壊などの妨害系のカード。
《水位の上昇》は昔プレイしていた人には懐かしいカードですね。
《秒刻みのオベカ》の戦闘ダメージを通せれば自分だけアンタップできる土地の枚数が増えるので他のプレイヤーの行動を制限しつつ自分だけ展開していく事が可能になります。
《骨集めのドラコサウルス/Bonehoard Dracosaur》
《ロークスワインの宮廷/Court of Locthwain》
《ヴァントレスの宮廷/Court of Vantress》
《忠義の天主/Dominus of Fealty》
《寛大な拷問者/Indulgent Tormentor》
《表現の学部長、ナサーリ/Nassari, Dean of Expression》
《宮殿の包囲/Palace Siege》
《プラーグとナサーリ/Plargg and Nassari》
《ファイレクシアへの門/Portal to Phyrexia》
《イーヴォ島の指輪/Ring of Evos Isle》
《ヴァルカスの指輪/Ring of Valkas》
《影族/Shadow Kin》
《囁く者、シェオルドレッド/Sheoldred, Whispering One》
《潮力/Tidal Force》
《十三恐怖症/Triskaidekaphobia》
・・・その他、複数役割を持っていたりするカード。
この辺りは個人の趣味趣向が現れるかと思います。
個人的には《十三恐怖症》がオススメ。
特殊敗北も当然視野に入りますが、アップキープが何度も行えるならライフを失う事を何度も行うだけでも相当なプレッシャーになりますし、ダメージレースになった場合はライフを得る事を何度も行って自分は他のカードでアドバンテージを獲得していけるので、見た目以上にやっかいな存在になりそうです。
アップキープ関連のカードを詰め込んだ後はちゃんとアップキープを増やせるように《秒刻みのオベカ》の攻撃をサポートできるカードを採用しましょう。
戦闘ダメージを与えたらその分だけアップキープが増えるので、回避能力、打点サポート、追加戦闘フェイズを行えるカードなど、特に拘らずともアップキープを増やしてくれますね。
アップキープ関連のカードは非常に多岐に渡るため紹介しきれなかったものもありそうです。
アップキープを増やすという一風変わった戦い方が好きな方に是非オススメしたい統率者です!
《荒野の鏡、ギレッド/Ghired, Mirror of the Wilds》
こちらも二度目の登場となる《議事会の流刑者、ギレッド》。
今回もトークンに関する能力を備えていますね。
能力は、「このターンに戦場に出たトークン1つのコピートークンを生成する」起動型能力を、トークンでないクリーチャーに付与するという常在型能力。
もちろん自身も能力を持ちますし、速攻を持っているのですぐに能力が使えるのは優秀ですね。
ビーストトークンやドラゴントークンなど大型のトークンを増やしても十分強力ですが、クリーチャーのコピートークンを更にコピー出来ると中々悪さができそうです。
過去に《太陽の先兵、ネヤリ》で統率者デッキを考える記事をアップロードしましたが、そこで採用されているカードや構築方法が流用できそうです。
白赤のカードに関しては一旦この記事に丸投げさせていただいて、今回は緑絡みのトークンサポートカードを見ていきます。
《棘茨の君主/Bramble Sovereign》
《荒々しい三つ子/Gruff Triplets》
《災厄の末裔/Scion of Calamity》
《永久の証人/Timeless Witness》
・・・コピートークンを生成出来るカード。
《荒々しい三つ子》は生け贄手段も含めて採用するとすぐに凄まじいサイズの軍団を作りあげる事が出来るでしょう。
《死の都/City of Death》
《ドルイドの講話/Druid's Deliverance》
《エシカの戦車/Esika's Chariot》
《議事会の流刑者、ギレッド/Ghired, Conclave Exile》
《兵士の育成/Growing Ranks》
《贖われし者、ライズ/Rhys the Redeemed》
《再度の収穫/Second Harvest》
《セレズニアの賛美者/Selesnya Eulogist》
《隔離する成長/Sundering Growth》
《セレズニアの声、トロスターニ/Trostani, Selesnya's Voice》
《ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士/Vitu-Ghazi Guildmage》
・・・居住などのトークンを更に増やせるカード。
統率者の能力で増やせるのは「このターンに戦場に出たトークン」でないといけないので、ある程度任意にトークンを生成できるこういったカードも必要になりますね。
《倍増の季節/Doubling Season》
《野生の活力/Primal Vigor》
《似通った生命/Parallel Lives》
・・・緑でトークンといえばこのカードたち。
+1/+1カウンターは使わないので、《似通った生命》だけでも十分活躍してくれるでしょう。
《太陽の先兵、ネヤリ》の記事でも触れていましたが、《鏡割りのキキジキ》や《双つ身の炎》を使った無限コンボも採用できます。
《荒野の鏡、ギレッド》特有のコンボだと、《士気溢れる徴集兵》など戦場に出た時にクリーチャーをアンタップ出来るクリーチャーをコピーできれば、そのターン中は統率者の能力によって自分のトークンでないクリーチャーが全て《鏡割りのキキジキ》代わりになるので、クリーチャーのコピートークンを無限に生成する事ができます。
注意したい点として、《双つ身の炎》などの「ターン終了時に生け贄に捧げる」という部分はコピートークンには適用されませんが、「速攻を持つ」部分も同様に適用されない点。
このままだと召喚酔いした無限体のトークンが生成されるだけなので、すぐに勝利する事ができません。
予め《鍛冶の神、パーフォロス》《衝撃の震え》を置いておく、《パーフォロスの槌》《隠れしウラブラスク》《憤怒》で速攻を付与する、《ゴブリンの砲撃》《爆破基地》などの生け贄手段を用意するなどの工夫が必要になります。
コンボパーツとして《大樫の守護者》を用いる場合、無限トークンと同時に無限修整も入るため、クリーチャーの頭数が揃っていればそのままフィニッシュすることも可能です。
《威圧する吸血鬼/Dominating Vampire》
《大樫の守護者/Great Oak Guardian》
《ハイラックス塔の斥候/Hyrax Tower Scout》
《演習ミイラ/Sparring Mummy》
《村の鐘鳴らし/Village Bell-Ringer》
《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》
《守護フェリダー/Felidar Guardian》
《アイスウィンドの重鎮/Icewind Stalwart》
《修復の天使/Restoration Angel》
《たなびき織りの天使/Wispweaver Angel》
・・・コンボパーツになり得るカード。
《威圧する吸血鬼》はマナ総量が吸血鬼の数以下のクリーチャーしかアンタップできませんが、少なくとも自身+コピートークンで2枚は吸血鬼を確保できているので、《ラノワールのエルフ》などのマナクリーチャーで簡単に達成できます。
《守護フェリダー》以降の4枚は、速攻を持つトークンでないクリーチャーでないと無限トークンにはなりませんが、統率者が速攻を持っていてくれるのでこれも問題ありません。
コンボパーツではありますが、これらのコピートークンを一度生成しないといけないことから、これらのカードばかりを採用すると事故を起こす可能性があるので採用バランスには注意が必要です。
トークン関連のカードはここまで紹介したもので十二分にありますが、あくまでも統率者の能力はトークンでないクリーチャーに付与されます。
トークンばかり戦場に並んでいて肝心の能力を起動できるクリーチャーが統率者しかいない、というような状況を避けるためにある程度クリーチャーカードも採用したいですね。
《戦導者オレリア/Aurelia, the Warleader》
《火傷吐きグレムリン/Blisterspit Gremlin》
《銅角笛の斥候/Copperhorn Scout》
《鼓音轟かせ/Drumbellower》
《終末を招くもの/Endbringer》
《港を滅ぼす者/Port Razer》
《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》
《千の月の歩兵/Thousand Moons Infantry》
《物騒なカタパルト/Unruly Catapult》
《白羽山の冒険者/White Plume Adventurer》
・・・条件つきでクリーチャーをアンタップ出来るクリーチャー。
《火傷吐きグレムリン》や《熱錬金術師》など赤はこういったクリーチャーが多いのですが、デッキの構成をある程度偏らせる必要があるため応相談。
《戦導者オレリア》は戦闘前に他のクリーチャーでトークン生成→戦闘フェイズに自身の能力で全員アンタップ→その後更にトークン生成という動きが可能ですし、その後クリーチャートークンの軍勢で攻撃する際にも大きな助けになるので重要なパーツと言えるでしょう。
今回は無限コンボを組み込んだ構築例を紹介しましたが、シンプルにクリーチャートークンを増やせるのは強力なため、緑お得意のクリーチャー強化カードを使ってガッツリライフを攻めに行く構築も可能です。
また、コピー出来るのはクリーチャートークンとは限らないため、宝物トークンやパワーストーントークン、手掛かりトークンなどをコピーしてリソースを増やしていくプレイングも有効です。
クリーチャートークンとは異なり盤面を支えてくれるものではありませんが、《息詰まる徴税》などを使っていて特に何もやる事がないクリーチャーがいたらトークンを増やす事を忘れないようにしましょう。
《荒野の鏡、ギレッド》は今回もクリーチャートークンを活用した強力な統率者デッキが組めそうです。
一点だけ、コピートークンをたくさん生成する構成にする場合は盤面のトークンの管理が非常に煩雑になる点には注意が必要です!
(後編へ続く)