2014/09/10 狙い澄ましの航海士 - Card of the Day -今日の1枚-

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狙い澄ましの航海士/Deadeye Navigator

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 カード名に夜と書かれているわけではないが、そのイラストが夜更けを舞台にしているため、この「ナイト・ウィーク」で紹介することにした1枚。

半透明の(マントの部分が)スピリットが、船頭として舟を漕ぎ、夜更けの水面を進む。その小舟に乗せられた・あるいは自分の意志で乗ったのか、男は何処へ連れられて行くのだろうか…

日本で言う「船幽霊」のようなものなのだろうか。物語性が非常に強いイラストはそれだけで見ていて楽しいものだ。


クリーチャーとしては6マナ5/5と、青にしては戦闘力の高い体躯を誇る。しかし、このカードの真価はその特異な能力にある。

「アヴァシンの帰還」にて登場した「結魂」。これの青のレア担当であるこのスピリットは、自身とそのパートナーとに「明滅」能力を付与する。

明滅とは、自身のパーマネントのみを対象とした瞬間的な追放を行う能力の事である。それまで白に多く登場した、対戦相手のカードも追放することが出来るものよりは範囲が狭くなるが、追放領域から戻ってくるパーマネントは、そのオーナーではなく自分のコントロール下に帰ってくるのがそれの独自性を高めている能力だ。

《狙い澄ましの航海士》は起動型の明滅能力を共有する。これで、お互いが単体除去では沈むことがなくなる。また、より生き延びさせたいクリーチャーを後から展開した場合、航海士自身を明滅させてそのクリーチャーと結魂し直すことが出来るのも良い。

しかしまあ最大の利点・このカードの神髄は、「CiP」の連打にある。クリーチャーが戦場に出た時に誘発する能力を2マナにつき1回引き起こすことが出来る。

例えば《なだれ乗り》や《再利用の賢者》がいれば特定のパーマネントを根こそぎ持っていくことが出来る。《オーラの破片》《侵入警報》といった形の誘発型能力もトリガーをガチャガチャ引きまくって連射に次ぐ連射。この一連の誘発の中に、マナを生み出すエンジンを仕込むことが出来れば、無限マナを生み出すことも夢ではない。

《酸のスライム》《戦嵐のうねり》と相性の良いカードは枚挙にいとまがない。その中でも、特筆すべき相性を誇るのが「アヴァシンの帰還」の同期である《士気溢れる徴収兵》だ。彼女を明滅させることで対戦相手のパーマネントを奪うことが出来る。

これでもしクリーチャーを奪ったのならば、そのまま航海士も明滅させて奪ったクリーチャーと結魂、そして奪ったものを明滅させれば…それはあなたのものとして戦場へとやってくる。マナはかかるが根こそぎ奪い尽くすことが出来るのは恐ろしい。

そして何より、そのコンビに《金粉の水蓮》のような好きなマナを3つ以上生み出せるもの(と言っても他には《水蓮の谷間》くらいか)が加わると、それだけで無限マナ達成、即ち、対戦相手がコントロールする全てのパーマネントを1つ残らず、ペンペン草すら残らないレベルの空っぽにすることが出来る。勝ちだよ勝ち。統率者戦でも度々見る光景である。

名前がずっと不思議な1枚。何を「狙い澄まし」ているのだろうか。イラストにもそういった様子は見受けられず、能力からもそういったフレーバーは感じられない。英名の「Deadeye」は訳すると狙撃種=狙い澄ましともう1つ、「三つ目滑車」という意味がある。三つ目滑車…とは?帆船の部品であるらしい。余計に???となっただけである。うーんどういったニュアンスでのネーミングなのか、生みの親に聴きに行きたいぞ。

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