2014/07/18 支配されざる横行 - Card of the Day -今日の1枚-
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以下、我が新聞社に投函されていた「激浪計画関係者の手記」より引用
「そもそも《グラクシプロン》すら完全にコントロールすることは困難だった。後付けになってしまうかもしれないが、私はこの計画には賛同的ではなかった。
彼らスリヴァーは、「群体生物」である。群れそのものが一つの生物として行動するには、高次元の統率者は不可欠である。
彼らの生体の中心には、明らかにそれを司る「王」ないし「女王」のようなものが存在したはずである。
しかし、我々研究者の大半は、その生態の根底よりも彼らの共有能力にばかり注目し研究を進めてしまった。
我々が彼らの遺伝情報を操作し、彼らがそれを群れで共有する。完全な生物の誕生をまさにこの手で行っていた我々は一種の狂乱病にも似た倒錯の真っただ中にあった。
我々は自身の手で生み出した怪物に、喉元を食い破られることとなった。スリヴァー達は脱出し、このオタリア大陸全土へと爆発的に増殖し、既存の生態系を破壊し尽くした。勿論、それには人類・セファリッドといった高等生物も含まれていたのだ…。
彼らは土地という土地を破壊して回る。各地で魔術師が、彼らに対処しようと特別な土地・聖地からマナを引き出すたびに、彼らはその波長に吸い寄せられ、徹底的な破壊を繰り返す。
都市文明がこれへの防備を構えれば、それに応えるかのように彼らは街を蹂躙する。全ては間違いだったのだ。我々は神ではない。叡智が辿り着いた先は、これ以上ない愚かさだったとは何という皮肉だ。
今まさに彼らはその襲撃の矛先を、彼らの生まれ故郷であるこの《激浪の研究室》へと向けている。
…私が対抗策を研究し始めたことを、奴らは感知したのだ。もう、ここも徹底的に破壊されることだろう。
さらに皮肉なことに、この大陸で安全な場所は《森》や《平地》といった超自然な土地のみだ。それ以外の人為的空間は、すべて彼らの《支配されざる横行》の餌食と化すであろう。」