2014/11/19 クラーク族の鉄工所 - Card of the Day -今日の1枚-
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ここまで「使える」カードの紹介も随分と久しぶりな気もする。基本的に、プロプレイヤー達がまず触れないようなカードにスポットを当てている風潮があるので「あ、それなら知ってるよ」と万人が認識しているカードは書きにくいというか、アラが出ちゃうと言うか…まあ、頑張ってみますよ。
《クラーク族の鉄工所》は、様々なカードの一文をアーティファクトに置き換えたリメイクが溢れる初代ミラディン・ブロックのそれらの内の1枚であり、最も成功したカードである。
これは《アシュノッドの供犠台》のリメイクで、アーティファクトを1つ生け贄に捧げることで2マナを生み出す。アーティファクト・土地が存在する分、クリーチャーよりも簡単に生け贄とする種を用意できるノガウリで、それ故に《アシュノッドの供犠台》よりも1マナ重くなっている。
出したターンにアーティファクトを2つ注いでも元が取れないような設計となっているのは調整の証と言えるかもしれない。
こういったカードは、何も考えずにデッキに入れりゃ良いってもんでもない。全くないと言っても良い。時折現れる「専用のデッキを組んでナンボなアンコモン」である。
そして、しっかりと使いこなせばこの手のカードはその熱意に応えてくれるものだ。
これを中心に据えた「アイアンワークス」は、上記のアーティファクト・土地やマナ・アーティファクトをバラ撒き、それらからマナを出しつつこの鉄工所に放り込み、大量のマナから《マイアの保育器》でマイアを山ほど生み出し、またそれをマナにして《ゴブリンの大砲》をポンポン撃ちこんだり極大《火の玉》投げたり、あるいは土地がなくなったライブラリーを《ゴブリンの放火砲》の弾にしても良い。
というより普通にマイアで殴っても勝てる。日本ではマイアが保育器から沢山出てくる様に例えて「ベビーシッター」とも呼ばれていたね。勝ちパターンが多くあるデッキなので、様々な妨害手段に強いのがウリ!と思わせて、実はこの鉄工所をピンで抜かれると詰むという、そんな素敵なデッキの心臓部がこのカードだった。
今でも愛好家は多く、《テラリオン》や《蔵の解放》と言った当時は存在しなかった相棒を手に入れてモダンなどで活躍を続けている。「モダンマスターズ」に収録されているのも納得だ。
「Workウィーク」ということで紹介したこのカード、「Ironworks」とは製鉄所や鉄鋼所。もっと言うならWorksとは工場の意味だ。
日本語だとどうしても「働く」という意味で最初に教えるので変な感じがするが…英語では「作業」や「作品」などの意味も持つ、非常に幅の広い言葉だ。自身を生け贄にしてもマナが出てくるが、その光景を想像すると面白い。ゴブリン達が一生懸命自身の作業場の壁や窓をはがしてポイポイ炉に投げこむ姿は、昔のアニメのような滑稽さに溢れている。