2014/11/20 機械仕掛けのドラゴン - Card of the Day -今日の1枚-
タグ:Card of the Day, ミラディン, 機械仕掛けのドラゴン機械仕掛けのドラゴン/Clockwork Dragon
人類の歴史は模倣の歴史と言っても良いのではないだろうか。自然を模倣し・ある者の発見を模倣し、そうやって文化と呼べるものが出来上がった。
「模倣できる能力」はヒト以外には猿や鳥類といった、高い知能を持った種しか持っていない(ミミックオクトパスとかは除く。まああれは模倣というよりは擬態やね)。空を飛ぶ鳥を模倣した結果、今は巨大な旅客機や音速戦闘機といった極致に至ったわけだ。
しかし、一方で模倣はあくまで模倣だ。オリジナルを超えることはおろか、並ぶことすらできないものも多数存在する。
微細な生物のエネルギー獲得方法や、虫たちが織り上げる糸といったものは自然界にあるものに近付こうと日々研究者・技術者が研鑽を積んでいる。生命を機械で模倣する研究もおこなわれているが…
「人間に近い動きが出来るようになった」というニュースはよく耳にするが、それらの映像を観ると何かこう、「違う」という感情が沸き起こるものだ。
マジックの世界でも、模倣により生まれた機械生物が複数存在する。「機械仕掛け」サイクルだ。
これらは「アルファ」から「ホームランド」までの第1世代と、「ミラディン」と「時のらせん」の第2世代に分けられる。
今回紹介するのは第2世代の親玉《機械仕掛けのドラゴン》。第1と第2の世代の違いは、後にネタを置いておきたいという僕の純粋な思いから今回は触れないこととしよう。
機械仕掛け連中は一見するとコストに見合ったサイズで無色なことも考えれば割安だが、一度戦闘に参加するとその上から+1/+1が1つ取り除かれてサイズダウンしてしまうというデメリットを持っている。
例えばこのドラゴンは、どの色でも使える6/6飛行にメリット能力とくれば7マナでは割安に感じる。《ルーメングリッドのガーゴイル》と比べれば如何にお得かが分かるだろう。
しかしサイズダウンしていくことを考えると、実はドラゴンもガーゴイルも20点のダメージを与えるには5回のアタックを必要とする。1回目のアタックの前にブロックに参加していたりすると、実はガーゴイルよりも時間がかかってしまう。
これだけではレアとは…という感じだが、そこは流石レアでドラゴンなカード、3マナ支払えばいつでも+1/+1カウンターを補充可能だ。この能力に十分にマナを支払えるのであれば、機械仕掛けデメリットなど些細なものだ。
これは同じパンプ能力の元祖である《ドラゴンの血》を意識しているものと思われる。これが「ミラディン」に再録されていることからも明らかだろう。これはリミテッドでは余裕の初手、構築でも環境によってはお呼びがかかるレベルである。
しかしながら、不遇な1枚でもある。「ウルザトロン」のフィニッシャーに用いられたかと思えば《ダークスティールの巨像》にすぐさま追いやられ、「第10版」の収録カードを選ぶ企画では錚々たるドラゴン達と並んでノミネートされるも得票数は最下位というありさま。なんかかわいそうになってきたが、どっかで大逆転こないかなぁこないんだろうなぁ。