2014/12/16 ハズダーの盾兵 - Card of the Day -今日の1枚-

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ハズダーの盾兵/Haazda Shield Mate

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 盾にまつわるカードを紹介してゆく一週間が始まった訳だが、ここで改めて「盾」という存在がなんなのか、再認識したい。

 古くは紀元前5世紀から使用されていた記録が残っている、身を護るための道具である。中国では漆が塗られたものが発見され、ヨーロッパでは古代ギリシアで丸盾が使用されていたのが確認されている。その後、木製から革製、青銅、鉄と材質を変えたり、用途の変化によって形状を大きく変えている。現在の盾は機動隊が暴動鎮圧時に使用するポリカーボネートなどで作られた視認性も軽さもばっちりなものが用いられるが、かつては馬に乗りながら全身を覆い隠せる鉄の盾を片手で扱ったりしていたのだから恐れ入る。冷静に考えて、片手に常に5キロの負担がかかっている状態というだけでも十分に大変だ。その状態でもう片方の手ではこれまた重い鉄拳を振り回したりしなければならない。昔の人ってすごいわ。

 そんな盾を片手で軽々扱う豪傑の一人がマジックの世界にも居る。《ハズダーの盾兵》は、自身の体躯と変わらぬ巨大な盾を扱う、見るからに誇り高き兵士といった風格を漂わせている。こりゃ戦闘バリバリこなすやつやで!と思って冷静にカードを見ると、3マナ1/1。意外にも、肉弾戦にはめっぽう弱い。盾と同じくらいデカい剣もかざしているが、彼の本質は攻撃することに非ず。あくまで、盾兵である。もしかしたら儀式的な要素を持つ宝剣の類かもしれない。いやそれにしても無茶苦茶強そうなんだけどなぁ。

 盾兵の名が示す通り、その能力は盾をかざして護るためのものである。ただし、自身ではなくその主、あなたを護るものだ。指定した発生源からのダメージを軽減して0にする。対象をとらないため、ありとあらゆる発生源からあなたを護ることが出来る、所謂「防御円」系能力だ。起動に白マナが必要だが、あらゆる攻撃を完封する可能性がある。となればアグレッシブなダメージの色、赤に対して劇的に効きそうではあるが…前述したように、自身をダメージを護ることは出来ない。《ショック》で簡単に撃ち落とされてしまう。なまじ発生源を選ぶ能力だけに、除去されるのにスタックで適当に軽減を起動してこのターンのダメージを防ぐ…というのも、盤面に出ているカード以外は指定しづらいので使いづらい。自身へのダメージも軽減できれば活躍のチャンスも訪れたであろうに…ただただ、純粋な、生き方すらも「盾」であるが故の悲劇である。優し過ぎて不器用説。

 しかし強そうなイラストが本当に気になる。これは本当に盾持ちとして依頼されたイラストなのか?盾はデカいが、攻める気満々ではないか。実は全く別の、騎士のイラストとして依頼したものを流用した説を推すことにしよう。

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