2014/12/25 異教徒の罰 - Card of the Day -今日の1枚-

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異教徒の罰/Heretic's Punishment

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 構築でもドラフトでも見ることがない・活躍することが難しいレアが、一転して猛威を振るうこともある。カードに秘められた可能性が、爆発する余地がある。なんと素晴らしい事か。「こんなん使わんよな」で終わっては、あまりにも勿体ないからね。そういった点でシールドは、是非とも遊んでいただきたいフォーマットなのだ。「重すぎる」の一言で切り捨てられる面々の安住の地が、そこにはある。

 《異教徒の罰》も、それ自体は5マナと、軽くもないが決して重すぎるわけではないカードだが…それが効力を発揮するのに、さらに起動の4マナが必要になることで実質9マナの呪文に換算される。そりゃ、重いよ。5マナで設置して次のターンを迎える…というのも、悠長に感じられる。結果、ドラフトでもデッキを選び、構築においては見向きもされなかった1枚であった。まあ、よくある話だ。

 しかしシールドにおいては…これはまさに異教徒に与えられた罰であった。というか、こんな罰与えられたら死んでしまう。過激派にもほどがあろうて。「イニストラード」プレリリースにおいて、僕はこのカード1枚で数多の勝利をもぎ取った。「エンド前、残りライフは?11?ペラペラペラじゃあ5点。アンタップアップキープドロー、起動ペラペラペラ4点。セットランドでもう一回…3点!」二桁ライフを一瞬で溶かすなんて、酷い話だがこれが現実。一番エクストリームな動きを見せたのは、7マナしかないから2発撃てないなぁなんて思いながら起動して墓地に落とされた中に《農民の結集》がコンニチワして、フラッシュバックから一気にライフをもぎ取った時。マナフラッド(土地ばかり引いて溢れ返る様)を起こせば起こすほど「ここで異教徒引いたら勝てる…勝てる!」と変な期待が高まっていたのを覚えている。

 「ヘレティックズ・パニッシュメント」という英名も実にメタル感があって良い。マジックの長い歴史においても、この「Heretic」という単語を「異教徒」と訳されたのはこれが唯一の例である。それまでの同単語は「異端者」というように訳されていた…まあ、ナチュラルで宗教色の薄いカードが多かったから自然とそうなったのと、しばしば問題となった宗教色の強いカードの封印(デーモン関係など。詳しくは当コラムの《Infernal Spawn of Evil》参照)などもあっての配慮かと思われる。そして、まあ時代も進み幾分おおらかになったところで、より作品の世界観にあった「異教徒」という言葉が用いられた、そうとらえるのが正しいのかなと。そう思っていたら続く「闇の隆盛」では「異端者」に訳されていたり。どうも、広い範囲を指す単語のようだ。

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