2014/12/26 旅行者の護符 - Card of the Day -今日の1枚-

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旅行者の護符/Traveler's Amulet

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 「シールドは綺麗なデッキを」「シールドはとにかく勝てるカードを積む」__個々人、あるいは環境で大きく変わるが、毎年必ず1回はシールドのGP、PTQといった練習無くては乗り越えられないトーナメントがプレイヤーの前に立ちはだかる。同じ練習量を積んだプレイヤーでさえ、その意見は大きく異なる場合がある。それがなんとも面白いではないか。よく、シールドは正解はないが失敗はあると言われる。最近は、色を足してでもボム(1枚で戦況を変える爆弾のようなカード)を追加して、デッキパワーを少しでも高めるという手法がとられることが多いかな?と思う。そういう考え方が広く浸透したのだろう。強いプレイヤーが様々な解説をネット上でしてくれているしね。

そのような「チョイ足し」手法がとられるようになったのは、かつてのセットより格段にそれがやりやすくなった現在のセット構成が手伝っている部分も大きいだろう。その昔は、緑以外の色マナサポートはそのほとんどがアンコモンであり、誰でもプールの中に持っているというわけではなかった。ところがここ数年、おそらく意図的な物と思われるが、多色デッキをサポートするアーティファクトや土地がコモンに必ずと言っていいほど含まれるようになった。今日の1枚《旅行者の護符》もそうした枠を担う1枚である。

1マナのアーティファクトというお手軽な存在にして、1マナと生け贄のコストを支払うことで好きな基本土地をライブラリーからサーチ出来るというなかなかの性能。戦場に出るわけではないので、所謂マナブーストではないが、しかし手札の損失もなく、淀みなく土地を供給してくれるという存在は有難いものだ。これにより、基本土地1・2枚とその色の爆弾レア、みたいなタッチ構成も不可能ではない。ダブルシンボルを多く要求するデッキに入れたり、フラッシュバックコストが他の色の呪文も運用しやすくなる。《放浪者の小枝》の同型再版ではあるのだが、「ローウィン」のそれと「イニストラード」のこれとでは、有用性に非常に大きな差がある。カードが活きるのは環境次第、その典型的な例である。

一方で当たり前だが、良い所ばかりでもない。結局、このカードを入れるということは、デッキの枠を1つ消費していることを忘れてはいけない。初手にある時の安心感はこの上ないが、ここぞという盤面でトップした場合八つ当たりしたくなるレベルで何もしないカードである。つまり、色を足してまで有用なカードを使おうとしているのに、それをサポートするのに戦力としてカウント出来ないカードが増えるのもまたリスクなのだということだ。色を足したが、本当にデッキのパワーは上昇しているのか?その辺りを見抜けるようになれば、1つ上のレベルに行けるのだろう。行ったことがないから、推測でしかないけれど。

さて、この《旅行者の護符》。実はフレイバー的意味合いでも素晴らしいカードなのだ。旅行者が目標の土地に辿り着ける、というのもさることながら、その身を護る小物というデザインをゲーム上で体感することも出来る。呪文が唱えられなかったターンを経験すると変身し牙を剥く「狼男」。リミテッドでは彼らと遭遇することが頻繁にあるが、それら邪悪なる怪物から身を守るのに、この1マナのカードは一役買ってくれる。このターンは他の呪文を構えて終わりたいが、動かなければ変身されてしまう…そんな時に、1マナでスッとキャストできるこのカードは非常に有用。こういう細かいプレイングが、高い次元のマッチでは重要になってくる(のだと思う)。「とりあえず使う」その前に、もっと有用な使い方を見つけられるカードは沢山あるはずだ。

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