2015/01/21 オーガの歩哨 - Card of the Day -今日の1枚-

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オーガの歩哨/Ogre Sentry

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現在、赤は強力な軽量クリーチャーと一気にライフを詰める火力、アドバンテージを生み出すプレインズウォーカーと駒が揃っており、非常に安定した戦力を誇るカラーとなっている。

…嘘だろ、と現状を疑ってしまうことが時折ある。それは、僕が赤の冬の時代を知っているからである。長く遊ばれている方ならば、その時代を知っているはずだ。

『テンペスト』の頃、赤は黄金期であった。殴って焼いて転がして、そんな「スライ」の時代はいつまでも許されなかった。これまでの強さを失い、静まり返った赤。長く、冬の時代が到来した。《山》よりも使用枚数の多い他の色のカード達に飲まれて、赤は開き直って「混沌系」カードを大量に生み出し、迷走して行った。


かつての赤では、2マナ2/2デメリットなしですら許されなかった。なんらかの足枷があったものだ。2マナ2/1、能力が活きないというクリーチャーをデッキの主力として搭載した赤単が登場したりもした。そんな辛き時代を乗り越えて、徐々にクリーチャーの質も改善され、《稲妻》が再録されたりして…赤はその存在感を取り戻してゆくのだ。そんな中で2マナ3/3能力持ちが登場。こんなもん、事件やないかい!と思って冷静にテキストを読んで「あぁ、そうね」となった。そんな思い出がある1枚、《オーガの歩哨》である。


思えば2マナ3/3など、クリーチャーに最も長けた緑ですら単色では《アルビノ・トロール》くらいしか到達していない領域である。それを赤が成し遂げたのは素晴らしいが(実はコイツ以前にも他のオーガが先駆けていたりするが)、まさかの防衛持ちとはなぁ。最初にプレビューを見た時はそう思ったものだ。


『エルドラージ覚醒』がそのベールを脱ぐ。このオーガをはじめとする防衛持ちによるシナジー、レベルアップ、無色・エルドラージ呪文、反復呪文…いろいろなものが詰め込まれたこのセットを用いたドラフトの面白さは、筆舌に尽くしがたいものだった。

何度遊んでも、未知のシナジーにより苦しめられたり勝利することが出来る。のめり込むとはああいうものを前にした時に言うのだろう。様々なアーキタイプでのドラフトを経験したが、このオーガにも本当に世話になったものだ。

序盤のアタッカーであればなんでも相討ちにとってみせるそのサイズ。壁なのにパワーが3もあるので、相手も損失なしでは突破することが難しい。所謂「ジャイグロ系」の呪文を、防衛持ちが多くても強く使用できるというのも良かった。そして《戦争売りの戦車》を装備させてアタッカーに転じさせた時の信頼感…あぁ、本当に良い時代で、素晴らしい1枚であった。

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