2015/01/23 大蛇の守護神 - Card of the Day -今日の1枚-
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「守護」に続く言葉で1位に輝くのはおそらく「神」であろう。各種スポーツでも「絶対的守護神」なんてフレーズを聞くとルールをよくわかっていなくてもその人の役割が何となくわかるというもの。マジックの世界にも、護ってくれる神が如き力を持ったものが存在する。アバターや「テーロス」にて登場した神なんかもそうだが、もっと直球に「守護神サイクル」というカード群が存在する。今日はそんな中から緑の1枚を紹介しよう。
《大蛇の守護神》は、その名の通り大蛇人・即ち蛇を護る神である。「神河謀叛」において5色それぞれの主要部族にそれを守護するスピリットが登場した。彼らは、護るだけでなく対価を求める存在でもあった…。「献身」という彼らのためだけに創られた能力。守護神は皆ヘビー級のマナコストを誇るが、彼らがそれぞれ護っている者達がその身を捧げる・即ちそれらのクリーチャーを1体生け贄に捧げることで、そのクリーチャーのマナコスト分だけコストを軽くした上にインスタント・タイミングで唱えることが可能になる。
例えばこの《大蛇の守護神》は8マナだが、《樫族の戦士》を捧げれば実に3マナで呼び出すことが可能となる。除去されそうな・あるいは当時のルールならば戦闘ダメージをスタックに乗せた後の者を媒介にして、奇襲的にキャストされた7/7はそれだけで恐ろしいものだ。この献身という能力はなかなかに面白いものだが、公式のパーマネントをコストとすることについてのコラムでは「このジャンルではキーワード能力は未だに登場していない」と、完全に空気として扱われていて少々切ない。
サイズを抜きにしても、この守護神の能力はなかなか強烈だ。1ターンに一度しか使えないという制限付きのタップ能力は、全ての緑のクリーチャーと《森》をアンタップするというもの。純粋に《森》から精製されるマナが2倍になり、緑のお家芸であるマナクリーチャー達も起き上がり倍のマナをプロデュース。直接大蛇と関係のある能力ではないが、その展開力を大いに支えることになるだろう。《大蛇の孵卵器》とのシナジーは恐ろしいの一言に尽きる。うまくクリーチャーを手札にバウンスしたり速攻を付けるシステムを形成できれば、無限マナも夢ではない。まあ、そこまでやらなくても20マナとか出ればゲームは終わるでしょう。
特殊フォーマット「モミール・ベーシック」では8マナという深淵の領域に潜む1枚であり、ちょくちょくお会いすることもある神様。これがあることを計算して、8マナ目は2枚目の森をセットする、など意識しだしたらもう立派なモミール中毒者。こっちだけマナをを伸ばすことが出来る可能性があるのは魅力的だが、対戦相手の緑のクリーチャーと《森》もアンタップされるため、無暗に起動してしまうとアタックにいけなくなったりアドバンテージをとられてしまうので気を付けよう。