2015/02/03 商人の巻物 - Card of the Day -今日の1枚-

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商人の巻物/Merchant Scroll

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 さて、節分である。もともとは文字通り「季節を分ける」という意味の言葉であり、立春・立夏・立秋・立冬の前日を指していたが、江戸時代以降は立春(2/4)の前日、2/3を指す言葉としてほぼ固定されている。この日に恵方巻きにかぶりつくという文化は元々大阪の風習であるというのは前回に記した。これを何故行うのかと言うと、無病息災や家内安全、そして商売繁盛を祈願するためである。商売となると、今日の1枚は《商人の巻物》しかあるまい。

 このカードは『ホームランド』が初出である。ストレートに言ってしまうと「しょっぱいセット」である同セット、その中で《商人の巻物》は頭1つも2つも抜けたポテンシャルの高さを誇っていた。青いインスタントしかサーチ出来ない、とは言っても手札が減らないサーチであり、青いデッキならば欲しいものはほぼインスタントとあればこれは実質青い《Demonic Tutor》だ。ゴメン言い過ぎた。まあカウンターかドローを持ってこれる、便利呪文ではあったがこれ自体がソーサリーということもあって、多少の隙を生み出しかねない。土地がズラリ並んだ終盤ならまだしもゲーム序盤では気軽に唱えることは出来ないだろう。

 確かに、所謂「フルパーミッション」系のデッキではそれが弱点にもなろう。しかしコンボにおいては、それは全く気にする必要がない取るに足らない問題だ。2ターン目にこれを唱えて《直観》を持ってきても良し、コンボを仕掛ける前のターンならば《Force of Will》を補充しておくのも良いだろう。「トリックス」では大活躍した1枚である。現在でも統率者戦では嗜みみたいなもんで、大量ドローや《Mana Drain》といった極悪呪文に繋げることが出来る優秀な1枚として愛されている。ヴィンテージでは最強インスタントの一角《Ancestral Recall》を引っ張って来れる時点でカードとしての価値がある。そのためヴィンテージでは制限カードとなっている。

 有名な話だが、『第8版』日本語版では「商人の巻物」という謎のカードタイプを持っている。「初心者は基本セットから始めよう!」の謳い文句の通りに購入すると、ルールブックに載っていない謎のカードが…という経験をされたプレイヤーが何人いたのか想像すると面白い。こんなお茶目なエラーもあって、日本語Foilは立派な高額カードとして取引されている。これをご覧になった「昔やってた勢」の皆さん、心あたりがあるならば今すぐ押し入れを漁ってみよう。

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