2015/02/04 ファイレクシアの憤怒鬼 - Card of the Day -今日の1枚-

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ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager

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 「節分ウィーク」3日目は鬼のターンである。手下悪鬼に続いて紹介するのは、憤怒鬼。「ふんぬき」なんて言葉はこのカード以外で見たことも聴いたこともない。ちなみに英語では「Rager」と表記する。「Rage」はそのまま「憤怒」、即ち激しい怒りを意味するがRagerという言葉はあまり使うことのない単語の様だ。どちらかというと、スラングとして用いられることの方が多いようで、やや造語チックな英語であると考えて良いと思う。まあ「ファイレクシアの怒り狂う者」みたいな雑な名前にならずに、憤怒鬼というしっくりくる訳に仕上げてくれたことには感謝したい。

 さて、カードとしては非常にシンプルなものだ。3マナ2/2、ホラーという何のサポートもないタイプを持つ《スケイズ・ゾンビ》以下のスペックにこの能力がつくだけでここまで化けるか、という印象を当時受けたのを覚えている。戦場に出た時にコントローラーのライフを1点失わせて、代わりに1ドローさせる。ライフを失うのはデメリットだが、カードを引くことはメリットもメリット、大メリット。3マナ2/2は戦闘力で見ればかなり落ちる性能だが、それを実質的な損失ゼロで運用出来るとなると話は別だ。2/2バニラが突破できる戦線はあまりないが、能力で除去を引いてきたのならばそれを使用すれば良い。相手が1、2ターン目に展開してきたクリーチャーと適当に相討ちが取れたりすると万々歳。こっちがリソースで1枚有利になった瞬間である。

派手なカードよりもこういったカードを強いな、と思うようになったら脱初心者と言っても良いだろう(ゲームの理解の話ね。腕はまた別)。憤怒している割に、カードを与えてくれるのだから優しくも感じる。唯一キレてるな、と思うタイミングはライフが1の時にトップデッキした時くらいか。『アポカリプス』でさり気なく登場し、上位カードの《ファイレクシアのガルガンチュア》を差し置いて使用され、《ファイレクシアの闘技場》と共に「ノワール」などの中速デッキのアドバンテージエンジンを務めた。

 それから長い時が経って。まさかまさかの『ミラディン包囲戦』再録、当時これを愛用していた面々は「これファイレクシアの勝ちだな」と悟ったんじゃないだろうか。リミテッドでは本当にいやらしく渋い活躍をしたものだ。イラストがより現代的になっており、SFの世界の表現法というものが年月と共に変わって行っているのを実感。それを踏まえても、やっぱり古い方のイラストが好きだなぁとしみじみ実感する今日この頃。「ゲームぎゃざ」という雑誌の付録だったね。

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