2015/02/05 巻物の大魔術師 - Card of the Day -今日の1枚-

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巻物の大魔術師/Magus of the Scroll

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「節分ウィーク」、今日は巻物の日。そもそも巻物というのは何かを記した紙であり、過去の情報を未来に繋ぐために残された。紙というのは非常に保存・管理が難しい。現代の製紙技術ならまだしも、それこそ1000年2000年前とかになるとね。そんな太古に作られ記された何かを、我々現代人が知ることが出来ているのは巻物の誕生も無視できないファクターだ。大きな紙に書いて、しっかりしたガワをつくって丸めて保存。このシンプルな技法は、紙を用いた全ての文明に存在すると言っても過言ではないだろう(実際調べた訳ではない)。

そんな過去の失われしものがまとめられた巻物、ファンタジーではなくてはならないアイテムの1つである。呪文に関する情報を記してあるものとして、これほど納得のいくものもあるまい。遺跡の深奥で砂埃を被ったボロボロの大きな巻物にのみ記された大いなる魔術。定番だね。ということでマジックでも巻物はちょくちょく登場するアイテムなのだが、それを扱うことに長けた魔術師、否、大魔術師こそ本日ご紹介する《巻物の大魔術師》その人だ。

彼は遠く過去の巻物を解読し、その力を己の物としたのだろう。過去に活躍したアーティファクトをクリーチャーとしてリメイクした『時のらせん』の「大魔術師」サイクル。赤に割り振られたのは歴代でも屈指の支配力を環境に示した《呪われた巻物》である。元々《呪われた巻物》自体が赤という色と相性が良く、手札を投げていって自然とランダム要素を含むはずの能力の的中率が100%となり、2点という大きなダメージでバーン・スライ戦略をサポートする、なくてはならない相棒となっていた時代があった。その巻物が、解読した魔術師となった。クリーチャーになったことにはメリット・デメリット共に付きまとうものだ。特に、メインから簡単に破壊・対処されてしまうようになった点は大きなマイナスだ。

しかしながら、かつての巻物が1ターン目に設置しても働きだすのは2ターン後であるし、マナがなければダメージを与えられなかった点を考えると、最低限のクロックとしてダメージを与えていけるクリーチャーというのは大きな利点である。よく比較されるのは《渋面の溶岩使い》。そして、基本的にはあらゆる面で溶岩使いが勝っている。ただ、簡単に対策される墓地をリソースとする溶岩使いと比べると、巻物の方は「手札の枚数が少ない(1枚)状態」という対策もヘッタクレもないものを参照元にしている点では勝っていると言えるかもしれない。溶岩使いで能力のみで20点のダメージを刻もうと思ったらカードが40枚必要だが、大魔術師ならば消費は0枚。この違いをネットという現代の巻物に記しておくことで、遥か未来の誰かに役に立てればと心から思うものである。

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