2015/02/17 Orcish Cannoneers - Card of the Day -今日の1枚-

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Orcish Cannoneers

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 マジックを始めた当時の事を思い出してほしい。とりあえずデカいクリーチャーがただただ強かった。デッキには土地が16枚か、あるいは30枚か、極端な構成。ダメージを与える呪文は何も考えずに本体に投げていく。ライフ回復は偉い、あるだけデッキに入れる。飛行最強。ややこしいテキストのカードは使わない。こんな感じで遊んでいたことでしょう。最近ではデッキの組み方・カードの強さというものを多くの媒体で簡単に知ることが出来るが、『第5版』スターターに入っていた小さなルールブックを読みながらわからんわからん言いながら遊んでいた身としては、マジックに触れて最初の1年はずっとこんな感じだった。僕だけでなく、一緒に遊ぶ面々も___当時はまだ中学生になったばかりというのも大きい。

 そんな同級生で形成されたコミュニティでも、忌み嫌われるカード群があった。それが自身にダメージを与える類のカードだ。《アダーカー荒原》は何がしたいのかわからなかったぐらいだ。そんな中で《オーク弩弓隊》なんかは群を抜いて意味不明の存在だった。なんで2点与えるために3点食らう必要があるのか?サイズも1/3しかないしこれは弱い、アンコモン枠の無駄遣い!と当時は思っていた。そんな弩弓隊に、同型再版が存在することを知る。それが今日の1枚、《Orcish Cannoneers》である。始めてからしばらくはおもちゃ屋でパックを買っていたが、カードも取り扱う総合ゲームショップの存在を知り、そこに通うようになった。そこでは見たこともない古いパックや、ファイルに入れられたシングルカードというものが存在していた。ワクワクしながらファイルを開くと、『アイスエイジ』のコーナーに彼らはいたのだ。

 3マナ1/3、オーク、テキストには2ダメージ&3ダメージの表記。これアイツら(弩弓隊)と一緒やん!大砲になってるのにダメージ一緒なんかい!そう思ったのだが、イラストがなんかこう、心をね。捕らえて離さなかったのである。当時の少ない小遣いでも余裕で購入できる金額だったのでなんとなく2枚買ってしまった。家には同じ能力を持った弩弓隊が既に控えているのに、だ。まあ買ったからには使わねばならない。オーク達と火力とドラゴンを詰め込んだ赤単を持っていつも通り友人宅へ赴いた。自称「マゾ・デッキ」だった。しかしこれが、中々どうして強かったのである。

 《ラノワールのエルフ》に3点は痛いと思いながらしぶしぶ砲撃を喰らわせると、マナが伸びずに動けなくなったり。飛行持ちの2/2に2回殴られることを考えればそれより少ないダメージで除去できるって熱いなと思ったり。火力との合わせ技でタフネス5以上の大物を排除した時の達成感。何より、それらの仕事をしないターンは例えパワー1と言えどアタックに行けるではないか。カードって使って初めてその強さがわかるんだなと、思った次第である。こういう一見デメリットが大きく見え、線が細い生物でも役に立つと気付けたら、マジックの面白さはそこから更に深く底知れぬものになっていくだろう。

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