トゲ尾の雛/Spiketail Hatchling
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Spiketail Hatchling, トゲ尾の雛, プロフェシー, 岩SHOW, 第10版, 第8版Card of the Day -今日の1枚- 2015/03/02
トゲ尾の雛/Spiketail Hatchling
ひな祭り。女の子のすこやかな成長を願う、節句の行事。漢字で書くと雛祭り。まんま、雛鳥の雛と同じ文字を使う。これは、雛が直接関係している訳ではなく、雛(ひよこ) のように小さく、愛らしい人形=雛人形を用いるからそう呼ばれるそうだ(かなり端折った)。雛といえば、マジックでもそれに関するカードはそこそこあるよ!ということで今週は「雛ウィーク」。生まれて間もない、愛らしい(?)クリーチャー達を紹介しよう。
先頭を飾るのは、おそらく最も使用された雛カードである《トゲ尾の雛》。使ったなぁという方、使われたなぁという方。おそらく皆さん近い世代かと。弱い弱いと言われ続ける『プロフェシー』の中でも、かなり使われた1枚である。それがコモンというのがこのセットの背負った哀しみ...かどうかはさておき、同環境の他のカードと比べても見劣りしない、優秀なクリーチャーであった。
2マナ1/1飛行と雛らしい小さなボディに、秘めたるは《魔力の乱れ》。1マナ支払わないと打ち消すぞ、という牽制を常時ちらつかせるのは、見た目よりもずっと強力な能力である。たかが1マナ...とあなどることなかれ。ただの牽制ではなく、そこにダメージも付随しているのがこのカードの強みである。チクチクと、微量だが確実に削ってくる。2ターン目に出して、以後セットランド・アタック・ゴーと動かれると厄介なことこの上ない。1マナをケアして1ターン行動なしのターンを挟んで、次のターンに唱えた呪文を手から《対抗呪文》唱えられて打ち消されたりすると、「フンガーーーーー!」となることこの上ない。
そこに《水位の上昇》なんかが絡むと...「雁字搦め」とはこのような状況で用いる言葉なのだろう。「ライジング・ウォーター」「アグロ・ウォーター」といったマナを封じることを主戦略とした青単デッキで、トゲ尾はその存在感を遺憾なく発揮した。本当、これで20点削り切った時の達成感ったらないものだ。マスクス・インベ時代はマジックのスタンダードの歴史でもかなり愛されているものの1つじゃないかな。
日本語では「トゲ尾」と訳されているが、尻尾にトゲがついているかいないかはあまり関係ないように思う。このカードの英名「Spiketail」はトゲそのものよりも《魔力の乱れ》の英名「Force Spike」にかけている意味で用いられていると思う。トカゲが尻尾を切って逃げるように、ドレイクも最後の抵抗として魔力を散らす力を持った尻尾を飛ばしてくるというわけだ。