オパールのモックス/Mox Opal

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/05/22

オパールのモックス/Mox Opal

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 「モックス/Mox」とは、何か。この辞書に載っていない単語は、マジックの生みの親Richard Garfield博士その人の言葉によると、「Moxie」というスラングが語源らしい。

 

Moxie Sodaという飲料が元ネタで、活力やガッツがあるということを意味する言葉だそうな。マナという活力を生み出すエメラルド、そんなニュアンスで捉えれば良いのだろう。

 

マジックの5色と噛み合う宝石がキチンと存在したことも運命的ではないか。ダイアモンドが5色を生み出すのもよくわかる、金属...は、英名のクロムが素材と合わさり色を変化させるものなのでこれもわかる。では、オパールは?

 

 今日の1枚は、『モダンマスターズ2015年版』発売を祝して、この宝石を掲げよう。オパールとは、宝石の中で唯一水分を含む(10%ほど)ものである。これを保存する際には湿度を保たなければならないらしいが、加工する際に天日に干して乾燥させてから切り出すそうだ。

 

この乾燥に耐えられたオパールこそが本物である...というか、乾燥に耐えられるものが少ない故に希少な存在なのだろう。乳白色を筆頭に様々な色の物が存在するが、中でも遊色反応(見る角度によって色が変わる)を見せるものは高値で取引され、多くの人に愛される。

 

なんだか聞いていて、《オパールのモックス》っぽさを感じないだろうか?扱いが難しく、希少で、様々な輝きを見せる...金属術を達成しなければただの置き物・伝説のアーティファクト・全ての色を生み出すことが出来る...絶妙なチョイスではないか。

 

 カードとしては、『ミラディンの傷痕』発売からしばらくは、活躍の舞台がなかった。プロツアー名古屋2011でのブロック構築で、遂にそのポテンシャルを世界に見せつけることになる。アーティファクトを中心に組まれた白ウィニー「鍛えられた鋼」で、初速に全力投球な同デッキにて色マナの安定・マナブーストとしての役割を与えられ、一躍注目されることに。手札にダブついても仕方がないカードながら、3・4枚採用されるという点でも多くのプレイヤーを驚かせたのだった。

 

 さて、このカードが真に力を発揮したのは、今は失われた姿となってしまった旧ミラディンの面々と組み合わせた...モダンの「親和」デッキにおいてだ。

 

無色デッキでありながら、サイドボードも考慮して少なくとも2色の色マナは用いたい・そんな我儘なデッキである「親和」の動きを安定させるカードとしてはうってつけだったのだ。何せ、金属術を達成できない状況の方が極めて珍しい。4枚放り込んで、ダブついても《電結の荒廃者》の餌にすれば良いんだという絶対的免罪符により、このカードのポジティブな面だけをそっくりいただくことが出来る。

 

 さらには『マジック2014』においてレジェンド・ルールが変更、複数枚手札に来ても「Aをキャスト→Aからマナを出す→Bをキャスト→Aを破棄し、Bからマナを出す」という、ダブついても何も問題にならない・むしろ以前よりも効率よくマナを生み出せるようになると、その地位は揺るがぬものとなった。

 

 本日(5/23)発売の『モダンマスターズ2015年版』で再録されるのも、当然のチョイスといったところ。こういう場でしか再録されないテキストを持ったカードをしっかり蘇らせてくれたことには、感謝の言葉しかないね。


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